- Snowflake Intelligence は、Snowflake プラットフォーム上で自然言語による問い合わせ、可視化、インサイト抽出、アクション実行を可能にする AIエージェント機能
- エージェントを通じて、組織内の構造化データと非構造化データを統合的に分析し、可視化された応答や追加のアクションを提供できる。
- ダッシュボードやSQLを直接作成することなく、自然言語ベースでインサイトを探索可能な設計。
- 2025年時点では Public Preview の段階。
構成要素と主要技術
Snowflake Intelligence は複数の内部コンポーネントとAI技術を組み合わせて動作する。
| 構成要素 | 役割 / 機能 |
|---|---|
| Agent | ユーザーの問い合わせに応答しインサイトを提供。エージェントは semantic view、semantic model、Cortex Search などを利用可能 |
| Cortex AISQL | プロンプトに基づいてSQLクエリを生成・調整。エージェントが構造化データにアクセスする際に利用される |
| Cortex Analyst | semantic view / semantic model を活用し、構造化データへの問い合わせを簡素化・管理するレイヤー |
| Cortex Search | 文書や会話ログなどの非構造化テキストをインデックス化・検索。RAG(retrieval-augmented generation)方式で非構造化データに接続 |
| Cross-region inference | 特定リージョンで利用可能なAIモデルが制限される場合、他リージョンのモデルを呼び出して推論を実行する機能 |
動作フローと設定手順(基本)
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環境構築
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snowflake_intelligenceデータベースおよびagentsスキーマを作成 - スキーマに対して
CREATE AGENT権限などをロールに付与
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エージェント作成
- Snowsight UI または Snowflake Intelligence UI でエージェントを作成
- semantic view、semantic model、Cortex Search などのツールを接続
- 必要に応じてカスタムツール(例: ストアドプロシージャ呼び出し、外部API呼び出し)を追加可能
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利用
- エージェントを選択し自然言語で問い合わせ
- エージェントは内部的にSQL生成や検索などを実行し、応答を生成
- 応答は表・チャート・要約文など多様な形式で提示
- ユーザーのフィードバック収集やメタデータ分析も可能
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管理と拡張
- 既存エージェントの修正(利用ツール変更、サンプル質問追加など)
- 部門別やドメイン別に複数エージェントを作成可能
- PrivateLink 等を用いたセキュアなネットワーク接続にも対応
利点と制約
利点
- 非技術ユーザーでも自然言語でデータ問い合わせ可能 → BIリソース負担を軽減
- 構造化 + 非構造化データを統合的に扱える
- 応答結果にチャートや可視化を含められる
- 既存の権限モデル・セキュリティ設計と統合可能
- 生成されたSQLの根拠を追跡できるため透明性を担保
制約 / 注意点
- 現在は Preview 機能 のため、安定性や利用可能なモデルに制約あり
- 一部リージョンでは Claude 4 や GPT-4.1 などが即時利用できず、Cross-region inference が必要となる場合がある
- カスタムツール(プロシージャ・API呼び出し)利用時、引数型に制限あり(JSONや配列など複合型は制約あり)
- 大規模クエリや複雑な分析ではコスト増大や処理遅延の可能性あり