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オンライン参加・オンサイト(現地)参加も一緒にやれる「ふりかえり」のご紹介

Last updated at Posted at 2020-11-20

ほぼ毎週、プロジェクトのメンバーで「ふりかえり」をやっておりまして、その際、オンライン参加でもオンサイト(現地)参加でも一緒にやれるようにしています。
この記事では、その「ふりかえり」の方法について、記載します。

(※「ふりかえり」というのは、スクラム開発などでよくやるのですが、毎週、1時間ほどの時間を取って集まり、皆で、KPTなどのフレームワークに乗って、今後も継続していきたい事、課題だと思う事、今後はどう改善していくか、、を振り返って改善につなげる会の事です。)

我々のプロジェクトでは、これを毎週火曜日1時間だけ実施しています。

背景

まだまだ引き続きコロナ禍ということで、私の会社では、テレワーク(在宅勤務)が推奨されています。そのため、プロジェクト関係者が会社内に集まり難い状態となったいるのです。。。「ふりかえり」のためだけに出勤してきてくれとも言えないからですねぇ(´・ω・`)

そこで、オンラインでもオンサイトでもどっちからでも参加ができる「ふりかえり」の方法を考え、実行してみました。
2020年7月から開始し、この記事の書いている11月現在まで継続して実施できています。

実施概要

この「ふりかえり」、我々は、毎週火曜日定期的に「1時間」だけ実施しています。

使ったツール
・音声、映像による会話ツール:Skype4B(Zoomなどでも可)
・ホワイトボード共有ツール:MURAL

※「MURAL」については、【過去の記事】を参考にしてください。
※私はMURALを使ってふりかえりを実施していますが、皆で自由に付箋が貼れて、投票機能があるものであれば、他のホワイトボードツールでも実施可能だと思います。

機材
・1人1台、ノートPCが必要。
 (※iPhoneやAndroid端末だと、Muralのアカウント無しでのアクセスが出来なかった)
・ブラウザは、ChromeかEdgeを推奨
 (※ChromeかEdgeでないとMuralが正常に動作しない可能性があるため)
・マイクスピーカー
 (※大規模なWEB会議に対応したものが良いです。)

準備

MURALにふりかえりが実施できる会場を作りましょう。

aaaa.png
↑の図の①~⑤について、以下で説明します。

①「ふりかえり」の目的を記載

今回のふりかえりの目的を明記しています。
「スケジュール」、「メンバー状態」という観点で、いずれも無理が生じていないことを検査し、もし、無理が生じている場合には早急に対策を打ちたいという思いで、以下のように書いています。
image.png

②グランドルールを記載

グランドルールを記載しています。これは後からでも随時、参加者の意見を聞いて、追加したり、削減したりのメンテナンスをします。
image.png

③進捗ボード

毎週のふりかえりの中で、「TRY」する事になった具体的なActionについての進捗状況をカンバン形式で示しています。
こちらは、「忘れてしまわない事」を目的に書いており、決して、「いつまでに」とか「早く終わらせる事」を目的にした管理ではありません。
image.png

④1ヶ月分の「ふりかえり」領域

1週間に1度実行できるためのKPT(Keep、Problem、Try)の領域を作っておきます。
image.png
ここでポイントとして、
・左上、「Keep(継続したい事)」の領域では、「良かった事」や「嬉しかった事」も書いてもらうことで、継続したいわけではないけど良かったと思った事もあがるようにしました。例えば、『リリースが延期になってくれて、正直助かった。』とかですね。これにより、メンバーの状態がより見え易くなります。
・左下、「Problem(課題)」の領域では、「カイゼンできそうな事」や「わかった事」も書いてもらうことで、「課題ではないけどもカイゼンできそうだと感じた事」や、「課題ではないけど、こうすれば上手くいく」または、「こうしたら上手く行かなかった」といった事を共有できる場にしました。
・右上、「Try(解決策)」の領域では、実行可能な具体的なアクションに落としこむよう注意するために、「Action」の付箋を貼っています。

⑤アウトライン

MURALだと、右側に表示される「アウトライン」という、クリックで飛べるショートカットが作れます。
これを作っておくと、広いMURALのホワイトボード内を迷子にならずに済みます。
image.png

ふりかえり実施手順

1、オンサイトでの招集とオンライン接続

参加者が集まれる部屋で、ファシリテーター1人が大型モニタでノートPCを画面共有し、↓のような大き目で高性能なボイススピーカーを使います。
s-B00DBCB7-0C66-4F27-B648-86B9B18E497B.jpg
会話ツール(SkypeやZoomなど)に接続し、オンライン参加者にも参加してもらいます。

MURALの「Share」機能(「VISITOR LINK」を使うと参加者はログイン無しでMURALに入ることができます。パスワードを付けることも可能。)で、URLを発行して参加者に共有して接続してもらいます。
オンサイト参加者も1人1人がノートPCを持ち寄りMURALに接続してもらいます。

2、「ふりかえり」の目的を認識合わせする

上記①で書いた「ふりかえり」の目的を示し、過不足などの意見を求め、話し合い、必要に応じてその場で修正します。これは毎回やりましょう。

3、グランドルールの認識合わせ

上記②で書いたグランドルールを示し、こちらに対しても過不足などの意見を求め、話し合い、必要に応じてその場で修正します。これも毎回やりましょう。

4、進捗ボードで状況の認識合わせ

上記③で書いている進捗ボードを皆の状況を聞いて更新します。
基本、カイゼンのアクションには期限は付けないようにしています(※どうしても実行しなければならないものについてだけは期限を付けますが、、)。
カイゼンのアクションが「誰かが、いつまでにやらなければならないという強制」になってしまうと、その人からは、本音の意見が挙がらなくなってしまうためです。

5、本日のKPT領域に移動し、ふりかえりをスタート

5.1、Keep(継続したい事、または、良かった事や嬉しかった事)の共有

5分ほどの時間を取り、継続したい事、または、良かった事や嬉しかった事を一斉に付箋に書いてもらいます。このとき、付箋の一番下には名前を書いてもらうようにします。
時間管理については、MURALにはタイマー機能があるので、それを活用することで経過時間を共有できます。
keep.png
5分経って、全員が書き終えたのを確認したら、1つ1つの付箋をファシリテーターが読み上げながら、同じものをクラスタリングします。このとき、もし書いてる内容が意味がわからなかったり曖昧なものがある場合には、書いた方に質問して、説明してもらうようにしましょう。意味が分からないまま続けないようにするのが大事です。

5.2、Problem(課題、または、カイゼンできそうな事、分かった事)の共有

こちらも5分ほど時間を取って、課題、または、カイゼンできそうな事、分かった事を一斉に付箋に書いてもらいます。こちらでも付箋の一番下に名前を書いてもらいましょう。
proplem.png
途中までは、Keepの時と同じですが、5分経って、全員が書き終えたのを確認したら、1つ1つの付箋をファシリテーターが読み上げながら、同じものをクラスタリングします。このとき、もし書いてる内容が意味がわからなかったり曖昧なものがある場合には、書いた方に質問して、説明してもらうようにしましょう。
この後、投票システムを使って付箋に投票し合いますので、その準備として、クラスタリングした付箋のうちの1つだけを色を変えたり、大きさを変えたりなどして、投票ができる付箋を絞っておきます。その色を変えたり、大きさを変えたりしたものにだけ投票してもらう事を参加者にも説明しておきましょう。

5.3、付箋への投票

Problem領域で書いてもらった付箋の中で、今チームとして取り組むべき問題を投票してもらいます。私の場合は、1人につき2票ずつで実施していますが、1人1票でも5票でもいいでしょう。MURALの機能で投票機能を実施します。
「End Voting Session」で投票を終わらせると投票結果が表示されます。

5.4、TRYの検討

投票結果の上位1位(時間がありそうなら2位まで)の付箋をコピーして、TRY領域に貼り付け、この課題に対するTRY(対策)を皆で対話から導きだします。このとき、実行可能なアクションにまで落とし込みましょう。
ふりかえり時間内に話がまとまりそうにないと感じた場合には、別の集まる機会を作る事を宣言して、ふりかえりの場をクロージングさせます。
action.png

6、注意(上手く実行するためのコツ)

6.1、オンライン参加者を置いてけぼりにしない事

オンサイトとオンライン参加者が同時に存在するミーティングではよくある事なのですが、オンサイト側で盛り上がって、オンライン参加者側にはハッキリと聞こえず、勝手にどんどん進んでしまい、置いてけぼり状態になってしまうという事態です。
そうはならないように、ファシリテーターがオンサイト参加者の発言を分かりやすい形でリピートしてあげるようにしましょう。またテンポをゆっくり目にしたり、たまに、オンライン参加者に声掛けしてあげることも大事です。

6.2、場の心理的安全性を作りましょう

グランドルールでも書いてた「受け止める事」、「反論しない事」が大事です。まずは、多少筋違いな発言だとしても、受け入れてあげることが大事です。また、怒ったり、悲しんだりをその場で露わにする人が居ても心理的安全性は高まりません。そういった感情を表に出ないようなグランドルールに作り替えていく必要があります。

6.3、安易に課題提供者に課題解決をさせようとしない事

たまにいるようなのですが、「こういうのが課題だ」として挙げて頂いた方に対して、「なんでそれ出来てないの?」「すぐやって!!」と返す行為です。絶対にやってはいけません。今後、本当に面倒な課題は挙げてくれなくなる事でしょう。課題はチームメンバー全員が向き合って解決していくものだと考えるべきです。

6.4、時間厳守

時間内に終わるように徹底しましょう。だらだらと続けるようなのは絶対NGです。
その場で課題解決させることよりも、「継続的に状況や課題を浮き彫りにさせること」を目的にしているものだと割り切りましょう。。初めに設定した時間を守らず課題が解決するまで続けるようであれば、今後、人は集まらない可能性もあることを忘れないことです。

6.5、良いやり方を提案されたら、その場でルールを改めて、適用する。

もし、参加者から、今までやってきたやり方よりももっと良いやり方を提案されたのであれば、他の参加者からの反対意見が無ければ、是非、積極的にその場であろうとルールを改めてしまい、適用してしまいましょう。本当に良ければ今後もそのやり方にしてしまうのです。
参加者、みんなでルールを変えていけるというのを見せることで、当事者意識が強くなるはずです。

7、やってみて思った事

7.1、はじめは「Problem」を本音で書いてくれない。

初めは、「Problem」を本音で書いてくれないものです。
「6.3、安易に課題提供者に課題解決をさせようとしない事」でも書きましたが、課題や問題としていることを書いてしまうと、責められるのではないか?という思いから、怖くて書くのを躊躇してしまうようです。これは、回を重ねつつ、「書いても責められるわけではない事」「課題については皆で取り組むものだ」という姿勢をしばらくは見せ続けることで、だんだんと本音の課題を書いてくれるようになるのです。

7.2、まだ問題化していないものが早期発見できるようになった。

毎週続けてると書くものがなくなってきます。そうなってくると、「課題ではないけども課題になりそうなもの」がどんどん書かれるようになってくるのです。
そういったものが早期に発見できて、手を打てるというのはとてもいいことです。

8、最後に

如何でしょうか??我々の場合、弊社メンバー8名くらい、パートナー会社様メンバーが最大で15名くらいで、MAXでだいたい20人くらい(毎回全員が参加してくれてるわけではないので)で、オンライン参加者も交えて実施しています。

我々のやり方が少しでも参考になれば幸いに思います。
もし、よく分からない箇所などがありましたら、お気軽にご質問ください。

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