Struts2での「エラー処理」「例外ハンドリング」の基本から、実務に役立つパターンまでを解説。堅牢なWebアプリを支える必須設計です。

✅ 1. なぜ例外ハンドリングが重要か？

エラーは必ず発生します。Struts2でも以下のような場面で例外が起こります。

DAOでのSQL例外
サービス層でのNullPointerException
ユーザ入力ミス
権限のないアクセス

ポイント：例外は握りつぶさず、「ハンドリング」する。

✅ 2. Struts2の例外処理 3つの基本パターン

💡 パターン①：try-catchによる個別ハンドリング

public String execute() {
    try {
        userService.save(user);
        return SUCCESS;
    } catch (SQLException e) {
        addActionError("DBエラーが発生しました");
        return ERROR;
    }
}

✅ メリット：

エラー内容に応じて適切にUIへ反映できる
細かな制御が可能

❌ デメリット：

重複が多くなりがち
コードが散らかる

💡 パターン②：共通例外ハンドラを `struts.xml` で定義

<global-exception-mappings>
  <exception-mapping exception="java.sql.SQLException" result="dberror"/>
  <exception-mapping exception="java.lang.Exception" result="error"/>
</global-exception-mappings>

<action name="saveUser" class="com.example.SaveUserAction">
  <result name="success">/success.jsp</result>
  <result name="dberror">/dbError.jsp</result>
  <result name="error">/generalError.jsp</result>
</action>

✅ メリット：

全体で一貫性のある例外処理
コード量を減らせる

❌ デメリット：

詳細な対応が難しい
エラー内容の表示には工夫が必要

💡 パターン③：Interceptorによる横断的エラーハンドリング

public class ExceptionInterceptor extends AbstractInterceptor {
    @Override
    public String intercept(ActionInvocation invocation) throws Exception {
        try {
            return invocation.invoke();
        } catch (SQLException e) {
            ActionContext.getContext().put("errorMessage", "DBエラーが発生しました。");
            return "dberror";
        } catch (Exception e) {
            ActionContext.getContext().put("errorMessage", "不明なエラーが発生しました。");
            return "error";
        }
    }
}

✅ メリット：

ロジックとエラーハンドリングを分離できる
全アクションに適用可能で便利

✅ 3. 実務でよくある「例外種別」と対応例

例外種別	対応
`SQLException`	DBエラー画面に遷移（復旧方法やサポート連絡先を表示）
`NullPointerException`	原因不明のシステムエラーとして報告画面へ遷移
`BusinessException`（独自例外）	ユーザーに分かる形で表示 (`addActionError`使用)
`AuthenticationException`	ログイン画面や権限エラーページへ

✅ 4. UIへのフィードバック：`addActionError`, `addFieldError`

addActionError("エラーです")：画面上部にエラーメッセージ表示

addFieldError("email", "メールアドレスが不正です")：該当フォームフィールドの下にエラー表示

<s:actionerror />
<s:fielderror />

✅ 5. ログとの連携（Log4j / SLF4J）

private static final Logger logger = LoggerFactory.getLogger(MyAction.class);

try {
    ...
} catch (Exception e) {
    logger.error("処理中に例外発生", e);
}

例外発生時のスタックトレースは必ずログに出す
ユーザー画面ではスタックトレースを絶対に見せない

✅ 6. エラー画面の設計指針

「何が起きたか」だけでなく「どうすれば良いか」も表示
例：

システムエラーが発生しました。
数分後に再試行するか、管理者にご連絡ください。

ログイン状態やセッション切れによっては自動でログイン画面へ遷移させる

✅ 7. まとめ：ハンドリング設計の基本方針

項目	指針
発生原因の記録	ログ出力を忘れずに（Log4j / SLF4J）
ユーザーへの表示	addActionError / 専用画面で丁寧に伝える
コード構造	try-catch／Interceptor／struts.xmlを使い分ける
一貫性	画面・コード・ログ出力に統一感を持たせる

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