※ 本章は「データ一覧表示の最適化」シリーズとなります

🔍 本記事の目的

Struts2における「一覧表示」の実装は、あらゆる業務画面に登場します。
本記事では、実務で役立つ一覧出力パターンを整理し、UIの見やすさ・実装効率・保守性を高めるテクニックを紹介します。

✅ 対象読者

Struts2での一覧出力に悩んでいる方
<s:iterator> や <s:property> を使いこなしたい方
表構造の整理や出力条件の切り分けに課題を感じている方

📌 内容一覧

セクション	内容
1. `<s:iterator>` の基本構文と使用例	単純な繰り返し表示
2. `<s:iterator>` 内での条件分岐・入れ子表現	条件付き出力、ネスト構造対応
3. 空リスト時のメッセージ表示	件数0のときだけ別UI表示する方法
4. 行番号の付与方法（indexの活用）	「1, 2, 3,...」の連番表示
5. escape="false" によるHTML出力制御	HTML出力を許可する際の注意点

1. `<s:iterator>` の基本構文と使用例

<table>
  <tr><th>ID</th><th>名前</th><th>登録日</th></tr>
  <s:iterator value="userList">
    <tr>
      <td><s:property value="id"/></td>
      <td><s:property value="name"/></td>
      <td><s:date name="createdAt" format="yyyy/MM/dd"/></td>
    </tr>
  </s:iterator>
</table>

2. 内での条件分岐・入れ子表現

<s:iterator value="users">
  <tr>
    <td><s:property value="id" /></td>
    <td>
      <s:if test="role == 'admin'">★管理者★</s:if>
      <s:else><s:property value="name" /></s:else>
    </td>
  </tr>
</s:iterator>

3. 空リスト時のメッセージ表示

<s:if test="userList.size() == 0">
  <p>データが存在しません。</p>
</s:if>
<s:else>
  <table>...（略）</table>
</s:else>

4. 行番号の付与方法

<s:iterator value="users" status="rowStatus">
  <tr>
    <td><s:property value="#rowStatus.index + 1" /></td> <!-- 1始まり -->
    <td><s:property value="name" /></td>
  </tr>
</s:iterator>

5. HTML文字列の出力とescape属性

<!-- デフォルトではHTMLエスケープされる -->
<s:property value="comment" /> <!-- <b>強調</b> → &lt;b&gt;強調&lt;/b&gt; -->

<!-- エスケープを無効化（HTMLタグをそのまま表示） -->
<s:property value="comment" escape="false" />

⚠️ escape="false" を使う場合はXSS対策（サニタイズ）を必ず行いましょう！

🧩 実務向けTips

で複数の一覧表示を1画面にまとめる場合は、includeや入れ子を活用
表のヘッダー・データを <thead>, <tbody> に分離し、構造とスタイルの分離を意識
行クリックでの遷移は <tr onclick="..."> で実装すると自然な操作感に

💬 次回予告

次回【Vol.8.17】では、Struts2独自のカスタムUIタグの作成方法を解説します！
業務にフィットした独自タグを作って、UIロジックの共通化を図りましょう！