フロントエンドとバックエンドの非同期通信（AJAX）をStruts2でどう実装するか？
jQueryを使った実用的な例をベースに、JSONとのやり取りまでカバーします。

✅ 1. AJAXとは？

AJAX（Asynchronous JavaScript + XML） とは、ページをリロードせずにサーバと通信する仕組みです。

ページの一部だけを更新したいときに便利！
JSONやXML形式でデータのやり取りが可能

✅ 2. Struts2でAJAXを扱う方法とは？

Struts2では、以下のような構成でAJAX通信を受け取ることができます：

フロント：JavaScript（jQueryなど）でリクエスト送信
バック：Struts2アクションがJSONレスポンスを返す
struts2-json-plugin を使用してJSONに対応

✅ 3. 必要なライブラリ（Mavenの場合）

<dependency>
  <groupId>org.apache.struts</groupId>
  <artifactId>struts2-json-plugin</artifactId>
  <version>2.5.31</version>
</dependency>
✅

✅ 4. struts.xml の設定（JSONを返すAction）

<action name="checkUser" class="com.example.CheckUserAction">
  <result name="success" type="json"/>
</action>

✅ 5. アクション側の実装例（CheckUserAction.java）

public class CheckUserAction extends ActionSupport {

    private String username;
    private boolean available;

    public String execute() {
        // デモ："admin" は使用中、それ以外は使用可能
        available = !"admin".equalsIgnoreCase(username);
        return SUCCESS;
    }

    // 出力用（JSONに含めたい値はすべてgetterが必要）
    public boolean isAvailable() {
        return available;
    }

    // 入力用
    public void setUsername(String username) {
        this.username = username;
    }
}

✅ 6. フロント側（JSP）の jQuery 実装例

<script src="https://code.jquery.com/jquery-3.6.0.min.js"></script>

ユーザー名: <input type="text" id="username">
<span id="result"></span>

<script>
  $('#username').on('blur', function() {
    const name = $(this).val();

    $.ajax({
      url: 'checkUser',
      type: 'POST',
      data: { username: name },
      dataType: 'json',
      success: function(response) {
        if (response.available) {
          $('#result').text('このユーザー名は利用可能です').css('color', 'green');
        } else {
          $('#result').text('このユーザー名は既に使われています').css('color', 'red');
        }
      }
    });
  });
</script>

✅ 7. ポイント：JSONとして返す条件

struts2-json-plugin を使うと type="json" が使える
出力するデータには getter が必要
JSONのキー名はJavaのプロパティ名に対応

✅ 8. 実務でのユースケース例

ユースケース	内容
✅ 入力補完	商品名、ユーザー名などのサジェスト
✅ フォーム入力チェック	メールアドレスの重複確認など
✅ リアルタイムバリデーション	入力内容に応じてエラーメッセージ表示
✅ 一部だけのUI更新	コメントや通知の更新など

✅ 9. セキュリティ・注意点

対策項目	内容
CSRF対策	トークンをリクエストに含める（Struts2トークンインターセプター等）
入力バリデーション	サーバ側でも入力チェックを必ず実装すること
レスポンス制限	JSONに含めるデータは最小限に。重要情報は返さない

✅ 10. まとめ

要点	内容
Struts2では `struts2-json-plugin` を使ってJSONを返せる
`type="json"` を指定して非同期用アクションを作成
jQueryやFetch APIと連携して、非同期にUIを更新可能
実務ではバリデーションや補完に非常に有効な手法

▶️ 次回予告：Vol.11.19 セキュリティ対策（CSRF, XSS, パラメータ偽装）を徹底理解！

Struts2での安全なWebアプリケーション開発のために、絶対に押さえておきたいセキュリティ対策を解説します。

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