Struts2プロジェクトにおける画面遷移と戻り先制御の設計パターンについて解説します。

🎯 背景と目的

業務システムでは、

登録処理の後に一覧画面へ戻す
入力エラー時にフォーム画面へ戻す
キャンセル時に前画面へ戻す
といった 「戻り先の制御」 が非常に重要です。

Struts2では、アクションの実行結果に応じて柔軟に画面遷移を制御できます。本記事ではその基本設計パターンを整理し、実際のプロジェクトでの実装例を紹介します。

✅ 戻り値による遷移制御

Struts2ではアクションクラスの実行結果（result）として以下のような戻り値を返すことができます。

戻り値	意味	主な用途
success	正常処理成功	一覧画面や完了画面に遷移
input	入力エラー	入力フォームに戻る
error	業務エラー	エラー専用画面に遷移
cancel	キャンセル操作	前画面や一覧に戻る

📁 `struts.xml` の定義例（抜粋）

<!-- ログイン処理 -->
<action name="login" class="com.company.bulletinboard.action.login.LoginAction">
  <result name="login">/login.jsp</result>
  <result name="admin">/view/ManagementMenu.jsp</result>
  <result name="user">/view/userPortal.jsp</result>
  <result name="input">/login.jsp</result>
</action>

<!-- キャンセル処理（戻り先: list画面） -->
<action name="cancel" class="com.company.bulletinboard.action.CancelAction" method="mainProc">
  <result name="cancel" type="redirect">list</result>
  <result name="success" type="redirect">list</result>
</action>

<!-- 登録処理の後に一覧画面へ -->
<action name="InsertUser" class="com.company.bulletinboard.action.admin.user.InsertUserAction">
  <result name="success" type="redirectAction">UserManagementScreen</result>
  <result name="input">/view/CreateUserScreen.jsp</result>
</action>

🧠 セッションに戻り先情報を保持する

登録や投稿処理の後、元の画面の状態を再構築する必要があるケースでは、セッションに戻り先の情報（例：ID）を保存するのが有効です。

実装例：スレッドIDをセッションに保存

// PostAction.java（一部抜粋）
session.put("thread_id", thread_id);  
// 投稿後、PostListAction へリダイレクトし、スレッド詳細を再取得

このようにセッションに必要な情報を保持しておくことで、投稿直後の一覧再表示や、前回の表示状態の再現が可能になります。

🏁 戻り専用アクションの設計例

戻り処理のみに責務を限定したアクションも推奨されるパターンです。

<action name="goToManagementMenu" class="com.company.bulletinboard.action.goToManagementMenuAction">
  <result name="success" type="redirect">/view/ManagementMenu.jsp</result>
</action>

処理を分離することで、可読性と保守性が向上します。

✅ 本プロジェクトでの実装成果

実際のプロジェクト（GitHub: juehara-crypto / Portfolio_Bulletinboard）において、以下のようにパターンが活用されています：

戻り値による一覧遷移、フォーム復帰、エラー遷移
セッションによる戻り先（スレッドIDなど）の保持
戻り専用アクションによる役割分離

📌 まとめ

「戻り先制御と画面遷移の設計パターン」は、業務アプリケーションのユーザー体験を支える基礎です。Struts2の機能を活用すれば、戻り処理・入力エラー処理・キャンセル処理を一貫した設計で実現できます。

今後、処理の分岐やエラーパターンが増える場面でも、このパターンを基盤にして柔軟に拡張できます。

🙌 最後に

Struts2を用いたWebアプリケーション開発で、戻り先設計に悩まれている方の参考になれば幸いです。

ご質問やご指摘があれば、お気軽にコメントください！

📎 GitHubリポジトリ：
juehara-crypto / Portfolio_Bulletinboard

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