✅ 本章の目的

Struts2ベースのアクション設計において、全アクションで共通する処理（セッション管理やリクエストオブジェクトの受け渡しなど）を 共通基底クラス（BaseAction）にまとめることで、保守性と再利用性の高い設計を実現します。

本プロジェクトで実際に使用している BaseAction.java は以下の GitHub リポジトリで確認できます：

🔗 GitHub / BaseAction.java

🛠️ BaseActionの設計方針

全アクションで共通する処理を BaseAction に集約
セッションとリクエスト情報の受け取りを標準化
各アクションは mainProc() をオーバーライドしてメイン処理を実装

📄 BaseActionの実装（完全版）

package com.company.bulletinboard.interceptor;

import java.util.Map;
import javax.servlet.http.HttpServletRequest;

import org.apache.struts2.interceptor.ServletRequestAware;
import org.apache.struts2.interceptor.SessionAware;
import org.slf4j.Logger;
import org.slf4j.LoggerFactory;

import com.opensymphony.xwork2.ActionSupport;

/**
 * アクションの基底クラス
 */
public abstract class BaseAction extends ActionSupport implements ServletRequestAware, SessionAware {

    private static final long serialVersionUID = 1L;

    protected Map<String, Object> session;
    protected HttpServletRequest request;

    protected static final Logger logger = LoggerFactory.getLogger(BaseAction.class);

    /**
     * セッション情報を設定
     */
    @Override
    public void setSession(Map<String, Object> session) {
        this.session = session;
    }

    /**
     * リクエスト情報を設定
     */
    @Override
    public void setServletRequest(HttpServletRequest request) {
        this.request = request;
    }

    /**
     * 各アクションで実装するメイン処理
     */
    public abstract String mainProc() throws Exception;

    /**
     * Struts2の標準実行メソッド。mainProcを呼び出す
     */
    @Override
    public String execute() throws Exception {
        return mainProc();
    }
}

✅ 各アクションの継承実装例：PostAction

実際のアクションは 'BaseAction' を継承し、'mainProc()' を実装する形で作成します。

public class PostAction extends BaseAction implements SessionAware {

    private static final long serialVersionUID = 1L;

    @Override
    public String mainProc() throws Exception {
        logger.info("PostAction: mainProc() start");

        Integer threadId = (Integer) session.get("thread_id");

        // 投稿処理ロジック
        // PostDaoなどを用いてDBに書き込み処理を行う

        logger.info("PostAction: mainProc() end");
        return SUCCESS;
    }
}

🎯 こうするメリット

項目	内容
✅ 保守性	セッションやリクエストの設定処理を一元管理。変更に強い設計。
✅ コードの簡素化	各アクションはビジネスロジックに専念でき、記述量を削減。
✅ バグ回避	セッション操作やリクエスト取得の書き忘れ・重複実装を防止。
✅ 統一的な実行構造	`mainProc()` 統一により、開発者間でのコードの読みやすさ・保守性向上。

💡 補足：SessionAware / ServletRequestAwareとは？

インタフェース名	役割
`SessionAware`	Struts2がセッションMapを自動的に注入してくれる。
`ServletRequestAware`	`HttpServletRequest`を自動注入してくれる。

→ これらを使うことで、session.get(...) や request.getParameter(...) が簡単に使えるようになります。

✨ シリーズまとめ（Vol.11.2.xx アクション層設計）

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