本記事では、掲示板アプリの機能を「カテゴリ別」に整理した全体像を解説します。
前回 Vol.16 では「画面設計書の構成と役割」に注目しましたが、今回は「アプリケーション仕様書」の中でも特に重要な、
以下の2セクションに焦点を当てます。
-
- 機能カテゴリ一覧
-
- 機能詳細仕様（カテゴリ別）
設計の俯瞰図としても役立ちますので、「このシステム、どんな機能があるの？」という問いへの最初の答えになります。
🎯 はじめに：画面から考えたシステム設計の次のステップ
このプロジェクトでは、「画面ありき」でシステム設計を進めてきました（Vol.1 参照）。
その上で、各画面に対応する機能要件を構造的に捉え直すために登場するのが、本記事で紹介する「機能カテゴリ一覧」と「機能詳細仕様」です。
「この画面で何ができるか？」を、コード単位の処理としてどう実装するか？
その橋渡しとなるドキュメントが「アプリケーション仕様書」です。
🔹 4. 機能カテゴリ一覧：設計の“地図”となる分類
まずは、システム全体を7つのカテゴリに分類した 「機能カテゴリ一覧」 をご覧ください。
| No | 主な内容 | 機能カテゴリ |
|---|---|---|
| 1 | セッション管理、画面遷移の共通処理など | 共通基盤機能 |
| 2 | ログイン／ログアウト | 認証機能 |
| 3 | 掲示板・ユーザー・投稿の管理 | 管理機能 |
| 4 | 一覧表示（ユーザー向け） | ユーザーポータル機能 |
| 5 | 掲示板の詳細表示・スレッド作成 | 掲示板機能 |
| 6 | スレッドの詳細表示・編集・削除 | スレッド機能 |
| 7 | 投稿処理・編集・削除 | 投稿機能 |
✔ 意図とポイント
-
UI視点で自然な分類になっています（例：ログイン/ログアウトは認証、ユーザーポータルはUI表示）
-
管理者／ユーザーの機能が共通カテゴリに分離されており、視点を切り替えやすい構成です
-
Vol.16で紹介した画面設計書の粒度とよく対応しています
🔸 5. 機能詳細仕様（カテゴリ別）：コードに近い粒度での整理
上記カテゴリをベースに、さらに処理単位にまで掘り下げた一覧が「機能詳細仕様（カテゴリ別）」です。
├─ No1 共通基盤機能（BaseActionクラス）
├─ No2-1～No2-2 認証機能（ログイン・ログアウト）
├─ No3 管理機能（掲示板・ユーザー・投稿の管理）
├─ No4-1～No4-4 ユーザーポータル機能
├─ No5-1～No5-2 掲示板機能
├─ No6-1～No6-4 スレッド機能
└─ No7-1～No7-3 投稿機能
例えば：
- No4-1：ユーザーポータル表示
- No6-2：スレッド詳細表示
- No7-3：投稿削除処理
といったように、実装されるアクション単位での機能が具体的に定義されています。
✔ 補足：仕様書PDFとの連動
該当箇所は以下のアプリケーション仕様書に含まれています：
「4. 機能カテゴリ一覧（p.6）」と「5. 機能詳細仕様（p.7～）」に対応しています。
UIと対応付けた機能一覧としてはもちろん、実装中に機能単位の整理・粒度調整にも役立ちました。
✍️ おわりに：実装に向けた“ブリッジドキュメント”として
本記事で紹介した機能カテゴリ一覧と機能詳細仕様は、「画面設計」→「ソースコード」への接続点として機能しました。
開発を画面主導で進めたからこそ、このような機能分解の重要性が浮かび上がったとも言えます。
今後のブログでは、各実装ごとに該当する機能設計（仕様書8～40ページ）を都度参照しながら、処理定義や遷移などの設計意図にも触れていく構成で進めていきます。
これにより、設計と実装の橋渡しをしながら、読者がより具体的にアプリ開発の流れを掴めることを目指します。