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プロンプトの次は何を学べばいい? AIとの付き合い方を4段階で整理する

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Last updated at Posted at 2026-08-06

最近「〇〇エンジニアリング」という言葉が増えました。

プロンプトエンジニアリング。コンテキストエンジニアリング。ハーネスエンジニアリング。ループエンジニアリング。

新しい言葉が出るたびに「また覚えることが増えた」と思っていました。

でも調べてみたら、これらはバラバラの手法ではなく、入れ子になった4つの層でした。しかも順番に学べばいい構造になっている。

この記事では、その4層をできるだけ噛み砕いて説明します。後半では、実際に自分がどう組み立てているかも並べます。


結論:4つは入れ子になっている

先に全体像です。

外側にいくほど、AIに任せる範囲が広がります。

段階 何を設計するか ひとことで
① プロンプト 1回の指示の書き方 なんて言うか
② コンテキスト AIに渡す情報 何を知らせるか
③ ハーネス 使える道具と、守らせる枠 何をさせるか / させないか
④ ループ 繰り返しの回し方 どう回し続けるか

新しいものが古いものを置き換えるわけではありません。外側を作るには、内側も要る。


① プロンプト ── なんて言うか

一番内側。ChatGPT や Claude に打ち込む、あの指示文です。

NG: いい感じにコードを書いて
OK: このエラーの原因を3つ挙げて、それぞれの確認方法も書いて

ここは多くの人が既にやっているところだと思います。具体的に書く役割を与える出力形式を指定するあたりが定番です。

ただ、プロンプトだけで頑張ろうとすると限界が来ます。AIが前提を知らないからです。


② コンテキスト ── 何を知らせるか

「このプロジェクトは Node 18 では動かない」

これをAIが知らなければ、どれだけ丁寧にプロンプトを書いても、Node 18 前提のコードが返ってきます。

コンテキストエンジニアリングは、AIに渡す情報を設計することです。

  • プロジェクトのルールをファイルに書いておく(CLAUDE.mdAGENTS.md
  • 関連するコードだけを渡す(全部渡すと逆に精度が落ちます)
  • 過去のやりとりを覚えさせる

ポイントは、「全部渡す」が正解ではないこと。情報が多すぎると、大事な指示が埋もれます。過不足なく渡すのが設計です。


③ ハーネス ── 何をさせるか、させないか

ハーネス(harness)は「馬具」「安全帯」のことです。

AIに手足を与えつつ、危ないことをさせない枠を作る層だと考えてください。

手足を与える

  • ファイルを読み書きさせる
  • コマンドを実行させる
  • 検索させる

枠をはめる

  • 本番環境には触らせない
  • テストが通らなければ次に進ませない
  • 危ない操作は人間の承認を挟む

ここで大事なのは、枠を「お願い」で作らないことです。

プロンプトに「本番DBは触らないで」と書いても、守られる保証はありません。そもそも権限を渡さないアクセスできないようにしておく。そういう仕組みで縛るのがハーネスです。


④ ループ ── どう回し続けるか

一番外側。AIが1回答えて終わり、ではなく、繰り返し回る仕組みを設計する層です。

たとえば「テストを書いて → 実行して → 失敗したら直して → また実行する」。この繰り返しをAIに自分で回させる。人間は毎回指示しません。

ここで登場するのが HITLHOTL です。名前は似ていますが、役割が違います。

読み方 人間の位置 実際の動き
HITL Human in the Loop ループの中 AIが止まって承認を待つ。人が OK を出すまで進まない
HOTL Human on the Loop ループの外 AIは自分で進む。人は監視して、おかしければ止める

HITL は確実ですが、人間が待ち構えている必要があります。HOTL は速いですが、止めるボタンと、異常に気づく仕組みが要ります。

全部を HITL にすると人間が疲弊します。どこを止めて、どこを任せるかの線引きそのものが設計対象です。


ループは1つじゃない

もう一つ大事なのが、ループは時間の違う入れ子になっているという点です。

周期 誰が回すか やること
数分 AI 実装して、自分でテストして、直す
数十分 人間 方向がズレていないか見て、直す
数時間〜数週間 人間 実際の反応を見て、作るもの自体を見直す

内側の「数分ループ」はAIに任せられます。でも外側のループは人間が回す

「AIに丸投げしたら変なものができた」というのは、たいてい外側のループを誰も回していないときに起きます。


実際にどう組んでいるか

ここからは、自分がやっていることを4層に当てはめてみます。技術記事をQiitaに投稿する作業を、AIと一緒に回している例です。

① プロンプト

普通に指示を書きます。ここは特別なことはしていません。

② コンテキスト

  • プロジェクトのルールを CLAUDE.md に書く(ただし長くしない。長い指示書は守られないという研究があります)
  • 記事を書くときは、論文のPDFから本文を抽出して渡す。要約サイトの内容は渡しません(要約は結論が抜けていることがあるため)

③ ハーネス

工程ごとにやることを決めた手順書を用意しています。

手順書 役割
ネタ収集 情報源を巡回して、記事にできるか3軸で採点する
執筆 文体ルールと、書いてはいけない表現の一覧
検証 事実確認と、Markdown記法の自動チェック
投稿 下書き → 確認 → 公開の手順

特に検証は、人間の目視をやめてスクリプトに置き換えました。目で見て2回見落としたからです。

これが「枠をはめる」の実例です。「気をつけて確認する」ではなく、機械が0件と言うまで先に進まない

④ ループ

  • 数分のループ:AIが書く → 検査スクリプトを回す → 引っかかったら直す。ここはAIが自分で回します
  • 数十分のループ:出てきた記事を読んで、方向が違えば軸から直す。ここは人間(HITL)
  • 週単位のループ:いいね数や閲覧数を見て、次に何を書くか決める。ここも人間

一番効いたのは、数分のループを自動化したことでした。今まで自分がやっていたチェックを、機械が代わりにやってくれます。

逆に、外側のループを自動化しようとは思いません。「何を書くべきか」はAIには決められないからです。


どこから手を付けるか

初心者向けの結論として、順番に上っていくのがよいと思います。

今いる場所 次にやること
プロンプトを書いている プロジェクトのルールをファイルに書く(②へ)
ファイルに書いている AIに実行させる範囲と、させない範囲を決める(③へ)
範囲を決めている 繰り返しの一部を自動で回す(④へ)

いきなり④から始めても、②と③がないと変な方向に高速で走っていくだけになります。

そして④まで行くと、人間の役割が変わります。

「AIに何て言うか」を考える人から、「AIがどう回るか」を設計して見張る人へ。

これがこの4層を通しての一番の変化だと思います。


まとめ

  • 「〇〇エンジニアリング」は別々の手法ではなく、入れ子の4層
  • ① プロンプト(なんて言うか)→ ② コンテキスト(何を知らせるか)→ ③ ハーネス(何をさせるか)→ ④ ループ(どう回すか)
  • 新しいものが古いものを置き換えるのではなく、外側を作るには内側も要る
  • ループには HITL(止めて待つ)HOTL(監視して必要なら止める) がある
  • ループ自体も数分・数十分・週単位の入れ子。内側はAIに任せられるが、外側は人間が回す

まずは②から。プロジェクトのルールを1ファイルに書くだけでも、返ってくる答えが変わります。


参考

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