9月1日に Claude Fable 5.1 が出ました。価格表で変わったのは1行だけです。
入力 $10 → $10 据え置き
出力 $50 → $50 据え置き
5m 書込 $12.50 → $12.50 据え置き
1h 書込 $20 → $20 据え置き
キャッシュ読み $1.00 → $0.25 ← ここだけ
値下げだけなら乗り換えない理由がありません。 ただし公式は破壊的変更が3つあると書いています。
検証環境: Windows 10 / Claude Code 2.1.258 / 測定は 2026-09-02 時点
壊れる変更が3つ
公式の移行ガイドから。エージェントを組んでいる人ほど刺さります。
1. 強制ツール使用が使えない。
tool_choice に any や tool を渡すと 400 が返ります。 ドキュメントに載っているエラー文はこれです(私は API を直接叩いていないので、自分では踏んでいません)。
tool_choice: type "tool" and "any" are not supported for this model.
Messages API だけでなく Batch API とトークン計測でも同じです。「必ずこのツールを呼ばせて構造化出力を取る」という定番の手が使えません。
2. 以前のモデルが 5.1 の thinking ブロックを読めない。
3. 過去のターンを編集すると thinking ブロックが無効化される。
複数モデルを混ぜる構成や、履歴を書き換えて再送する実装が影響を受けます。
挙動も3つ変わる
エラーにならないので気づきにくいほうです。
| 変わったこと | 効いてくる場面 |
|---|---|
| 並列ツール呼び出しが減る | 長いエージェントループで1ターン1呼び出しになることがある |
| 進捗メッセージが減る | 途中経過を画面に出している UI |
| low effort で検索を呼ばなくなる | 記憶から答える割合が増える |
1つ目はターン数が増える=往復とトークンが増えることで、公式は「バッチ指示を1文添えろ」と書いています。3つ目は RAG を low effort で回す構成に効きます。
増えたものが5つ
| 追加 | 中身 |
|---|---|
| 会話の途中で effort を変えられる(beta) | キャッシュを落とさずに変更できる |
| turn-scoped なシステムメッセージ(beta) | 次のユーザー発話まで有効な指示 |
display: "updates"(beta) |
読める進捗を出す |
| キャッシュ読みの値下げ | $1.00 → $0.25 |
| content provenance | 出所の付与 |
1つ目が効きます。 Fable 5 では effort をリクエスト単位でしか変えられず、変えるとキャッシュが落ちました。 5.1 では落ちません。
スペックはほぼ据え置き
| Fable 5 | Fable 5.1 | |
|---|---|---|
| コンテキスト | 1M | 1M |
| 最大出力 | 128K | 128K |
| thinking | Adaptive(常時) | Adaptive(常時) |
| 既定 effort | high |
high |
| 知識カットオフ | 2026年1月 | 2026年6月 |
| リタイア | 2027-06-09 以降 | 2027-09-01 以降 |
変わったのは知識カットオフの5ヶ月分です。
ベンチマークは公式発表から。全項目で上がっています。
| Fable 5 | Fable 5.1 | |
|---|---|---|
| Terminal-Bench-Science 0.1 | 24.7% | 52.6% |
| Terminal-Bench 4.0 | 42.0% | 55.8% |
| AutomationBench | 17.1% | 31.4% |
| CursorBench 3.2.0 | 70.5% | 73.4% |
科学系エージェントが 倍以上になっています。
手元で測った差
両方まだ呼べるので同じ手順で比べました。プレフィックスも速度もほぼ同じです。
プレフィックス Fable 5 81,880 / Fable 5.1 82,460
単発の所要(5回) Fable 5 平均 7.1秒 / Fable 5.1 平均 7.7秒
差が出たのはキャッシュです。 初回のあと継続したときのヒット率です。
| 試行数 | 99%台 | 約40% | |
|---|---|---|---|
| Fable 5 | 12 | 12 | 0 |
| Fable 5.1 | 18 | 5 | 13 |
Fable 5 は12回とも乗り、5.1 は18回中13回外しました。 外すと約5万トークン書き直します。
中間がありません。原因は分かりません。 公開翌日の測定なので、時間をおいて測り直す価値があります。
公式ページの表と脚注が食い違っている
Fable 5.1 のモデルページは、同じページの中で矛盾しています。
価格表の行 : Cache read $0.25 / MTok
同じページの脚注: prompt caching reads cost 10% of the base input price
入力 $10 なので脚注どおりなら $1.00。表は $0.25 です。 正しいのは表で、価格ページに明記があります。
Cache hits and refreshes on Claude Fable 5.1 and Claude Mythos 5.1 are priced at 0.025x the base input price. All other models use the standard 0.1x multiplier.
(Fable 5.1 と Mythos 5.1 のキャッシュヒットは基本入力価格の0.025倍。他のモデルはすべて標準の0.1倍)
脚注が全モデル共通の定型文で、5.1 の例外を反映していません。 見積もりを脚注から作ると4倍ずれます。
まとめ
- 価格表で変わったのは1行だけ。 キャッシュ読み $1.00 → $0.25。他は据え置き
-
破壊的変更が3つ。 最大は
tool_choiceのany/toolが 400 になること - 挙動も3つ変わる。 並列ツール呼び出しが減る / 進捗が減る / low effort で検索しなくなる
- 追加が5つ。 「途中で effort を変えてもキャッシュが落ちない」が効く
- スペックは据え置き。知識カットオフが5ヶ月新しい(2026年1月 → 6月)
- ベンチは全項目で上昇。科学系エージェントは 24.7% → 52.6%
- 実測: 2ターン目のキャッシュは Fable 5 が12回とも乗り、5.1 は18回中13回外した
「安くなった」だけ見て差し替えると、tool_choice で 400 を踏みます。 移行の前に、強制ツール使用がないか検索しておくのが早いです。
参考
- Claude Fable 5.1 and Claude Mythos 5.1 — 公式発表とベンチマーク
- Migrating to Claude Fable 5.1 — 破壊的変更・挙動変化・推奨変更
- Fable 5.1 / Fable 5 — スペックと価格
- Pricing — 0.025倍の脚注
※ 引用は原文と日本語訳を併記しています。訳は読みやすさを優先しているので、正確な表現は原典をご確認ください。
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