日本語プログラミング言語プロデルアドベントカレンダー2021最終日ということで僭越ながら書かせて頂きます。
世の中的には、去年に続いて大変だった今年ですが、プロデルは相変わらず小さな変化を続けてきました。
プロデル1.7では、名詞手順絡みなどで言語仕様として決め切れていなかった部分を決め、大幅に言語処理系を手直ししました。
この改良は、破壊的な変更も含めて大がかりな物でしたが、仕様変更に戸惑ったユーザさまのコメントがTwitterで見受けられました。結果的に、改変した仕様を1.6の仕様に戻し、また実験的要素を排除した安定版1.8を平行リリースするということを致しました。また公開前テストもマニュアルやブログ記事のコードを用いて正確な結果検証も行い、量・質共に大幅に改善させて頂きました。
今年感じたのは、私がプロデルの実際のユーザ数を低いと思い込んでいたのではないかということです。プロデルはマイナー言語ですが、プロデルのユーザさんは控えめで、おとなしい方が多いのかもしれません。表でプロデルを日常的に使っているということを言って頂ける方は少なく、多少の破壊的変更は問題ないだろうと思い込んでしまいました。正確な事は言えませんが、1.7の件での反応を見ていると、私が思ったよりもプロデルを使っている方が実際には多いかもしれない、と何となく思い始めています。
ですのでぜひ、Twitterなどでプロデルを使っているよ!ということをPRしたりフィードバックしたりしてもらえたら嬉しいです。黙って使っているだけではプロデルは変わりません。
さて、来年はどんな年になるでしょうか。世の中がどうなるかはわかりませんが、プロデルは次の1.9をリリースするつもりでおります。
プロデル公開から14年ほどとなり、プロデルの基本的な構成や考え方が古くなってきました。
- プロデルデザイナは基本的な部分は公開当初から変わっておらず、モダンからはほど遠くなってしまいました。
- ランタイムエンジンもスミレ畑のようなWebブラウザの世界やストアアプリ環境では、設計に無理が出てきました。
- プログラムを解析するパーサも、改良を重ねたことでゴチャゴチャになっているので、新しい文法に対応するには整理が必要です。
また、大きな部分ではプロデルのベース環境となっている.NET Frameworkが4.8最後に収束し、.NET Coreを系譜とする.NET 5/6へ移行しつつあります。それまでWindows主体だった.NET Frameworkに対して.NET CoreではLinuxやmacOS、その他の多くのデバイスで動作させることを念頭に置かれた設計となっています。TTSneoやプロデルはWindowsにべったりなプログラミング言語でしたが、この動きによって大きな転機を迎えています。
もちろんプロデルで作られたこれまでのプログラムはそのまま実行できることを維持するつもりでいますが、スミレとも関係性も大事にしながら、変えていく必要があると思っています。
具体的な事はまだ何もわかりませんが、プロデル1.9でやることを抽象的にですが挙げていきました。
今年、プロデルアドベントカレンダーを設置して頂きましたnipo様, また記事を投稿して頂いたSANEI MEDIA CREATIVE様, 雪下様に感謝致します。
そして、来年もプロデルユーザさまにとって良い一年となりますように。
メリークリスマス
そして良いお年を!