概要
自宅サーバをイチからパーツを集めて構築した手順です。
用途は、家族が利用できるローカルAIやNextcloudの環境構築です。
ハイパーバイザーは Proxmox VE を採用しました。
完成イメージ
目次
- 物理構成(部品)のリスト
- 組み立て手順
- BIOS設定
- Proxmox VE のインストール
1. 物理構成(部品)のリスト
| パーツ | 製品名 | 備考 |
|---|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 7 7700 (8C/16T 3.8GHz 65W) | 低消費電力で仮想化に十分なコア数 |
| GPU | Palit GeForce RTX 5060 Ti Infinity 3 16GB | LLM用のVRAM |
| GPU | MSI GeForce RTX 5060 Ti 16G VENTUS 2X OC PLUS | LLM用のVRAM |
| マザーボード | MSI MAG B850 TOMAHAWK MAX WIFI | 「MAG B850 GAMING PLUS MAX WIFI」と迷ったが、拡張性と電源回路の安定性で選択 |
| メモリ | ADATA AX5U6000C3032G-DCLARBK-DP (32GB × 2) | DDR5 6000MHz、合計64GB |
| OS用ストレージ | Samsung 870 EVO 500GB (SATA SSD) | Proxmoxのシステム用 |
| VM用ストレージ | SANDISK WD_Black SN7100 1TB (NVMe SSD) | AI用KVMの領域用 |
| データ用ストレージ | WD Red Plus 4TB (HDD) | Nextcloud等のデータ保存用 |
| 電源 | Corsair RM850e ATX 3.0 | 850W |
| ケース | Fractal Design Meshify 2 RGB Black TG Light Tint | エアフローとHDD拡張性に優れたケース |
| CPUクーラー | Scythe Mugen 6 Black Edition | 静音性と冷却性能が高い |
2. 組み立て手順
マザーボード(MSI MAG B850 TOMAHAWK MAX WIFI)を中心に、主要なケーブルの接続箇所を備忘録として残します。
2.1. マザーボードへのCPU・メモリ・NVMeSSDの組み込み
ケースにマザーボードを入れる前に、CPU、メモリ、NVMe SSDを取り付けます。
- メモリ:
DIMMA2とDIMMB2に接続 - NVMe SSD:
M2_1に接続 - CPUのグリスは、Scythe Mugen 6 Black Editionに付属していたものを使用。
2.2. ケースへの組み込みと電源ケーブルの接続
マザーボードをケースに固定し、Corsair RM850eから伸びる各電源ケーブルを接続していきます。
-
ATX 24ピンメイン電源:
ATX_PWR1に接続。 -
CPU 8ピン電源:
CPU_PWR1およびCPU_PWR2の両方に接続。 - PCIe 8(6+2)ピン補助電源 (GPU用): 1基目のGPUへ接続。
- PCIe Dual 8ピン補助電源 (GPU用): 2基目のGPUへ接続。使用しないもう一方の二股コネクタは、ケース裏に干渉しないよう結束バンドで縛り付けておきます。
2.3. フロントパネル・ファンケーブルの接続
ケース(Meshify 2)のフロントパネルから伸びるケーブル類をマザーボードに接続します。
-
フロントパネル各種配線:
- POWER SW:
JFP1に接続。 - 前面USB Type-Cケーブル:
JUSBC1に接続。 - 前面USB 3.0/2.0ケーブル:
JUSB2に接続。 - 前面オーディオ:
JAUD1に接続。
- POWER SW:
-
ファン電源(4ピン)の接続:
- フロントファン(3基): 上から順に
SYS_FAN1/SYS_FAN2/SYS_FAN3へそれぞれ独立して接続。 - リアファン(1基):
SYS_FAN5に接続。
- フロントファン(3基): 上から順に
-
ファンARGB (LED用3ピン) の接続:
- フロントファン(3基): 3基のLEDケーブルを上→中→下へと数珠繋ぎ(デイジーチェーン)に連結し、最終的な1本を
JARGB_V2_2に接続。 - リアファン(1基): 単体で
JARGB_V2_1に接続。
- フロントファン(3基): 3基のLEDケーブルを上→中→下へと数珠繋ぎ(デイジーチェーン)に連結し、最終的な1本を
【補足】ファンハブについて
ケース(Meshify 2)には標準でファン制御ハブ「Nexus+ 2 Fan Hub」が付属していますが、今回はマザーボード側で個別に回転数やLEDを制御したいためハブは使用していません。そのため、ファンハブ用のSATA電源ケーブルは未接続のままにしています。
2.4. SATAストレージとGPUの組み込み
ストレージ類をケースのトレイ・ベイに固定し、電源ユニットからのSATA電源ケーブル(またはSATA/PATA電源ケーブル)とSATA信号ケーブルをマザーボードへ配線します。
-
SATA SSD (OS用):
SATA A1に接続。 -
HDD (データ用):
SATA A2に接続。
最後に、RTX 5060 Ti x 2枚をPCIeスロット(PCI_E1, PCI_E2)に挿し込み、補助電源ケーブルを接続して物理的な組み立ては完了です。
3. BIOS設定
組み立てが完了したら、電源を入れて BIOS(UEFI)画面を開きます。
Proxmoxで仮想化やGPUパススルー(PCIeパススルー)を行うための設定を行います。

3.1. BIOSのアップデート
まずは最新の環境にするため、USBメモリを使ってBIOSをアップデート。
- バージョン:
7E62v2A53(公開日:2026-03-20)
※MSI公式( https://jp.msi.com/Motherboard/MAG-B850-TOMAHAWK-MAX-WIFI/support )から MAG B850 TOMAHAWK MAX WIFI のBIOSをダウンロード
3.2. 日付設定とメモリのEXPO有効化
- 日付と時刻を現在時刻に設定。
- Overclocking > EXPO を
Enabledに変更。
3.3. 仮想化とパススルー(IOMMU)向けの設定
- Advanced > Integrated Graphics Configuration > Initiate Graphic Adapter を
PEGからIGDに変更。
(※Proxmoxホストの画面出力は Ryzen 7 7700 の内蔵グラフィックス(iGPU) を使うように設定。) - Overclocking > Advanced CPU Configuration > AMD CBS 内の以下の項目を設定:
-
SVM Enable を
AutoからEnabledに変更(仮想化の有効化) -
IOMMU を
AutoからEnabledに変更(パススルーの有効化) -
PCIe ARI Support を
AutoからEnabledに変更
-
SVM Enable を
3.4. 「GPUパススルー時の1:1 IOMMUマッピング要求との競合」対策の設定
- Overclocking > Advanced CPU Configuration > AMD CBS > NBIO Common Options 内の以下の項目を設定:
-
Kernel DMA Protection Indicator を
AutoからDisabledに変更
-
Kernel DMA Protection Indicator を
4. Proxmox VE のインストール
公式サイトからダウンロードした Proxmox VE 9.1 のISOイメージをRufusでUSBメモリに書き込み、インストールメディアを作成します。USBメモリからブートしてインストールを進めます。

4.1. インストールウィザードの設定
GUIのウィザードに従い、以下の内容でインストールしました。
-
Filesystem:
ext4 -
Disk(s):
/dev/sda(Samsung SSD 870 EVO 500GB を選択) -
Country:
Japan -
Timezone:
Asia/Tokyo -
Keymap:
en-us(※お使いのキーボードに合わせて変更してください) - Password: 任意のパスワード
- Email: 任意のメールアドレス
-
Management Interface:
nic0(マザーボードのLANポート) -
Hostname(FQDN):
pve.localなど任意 -
IP Address / Gateway / DNS Server: ネットワーク環境に合わせて固定IPを設定(例:
192.168.0.100/24等)
4.2. インストール完了と動作確認
インストールが完了し再起動すると、黒いコンソール画面にアクセス用のURLが表示されます。
同じネットワークに繋がった別のPCのブラウザから、表示されたURL(例: https://192.168.0.100:8006/)にアクセスします。
4.3. 初期設定
- 管理画面の左メニューから proxmox > Disks > 4TBのHDDに対して「Wipe Disk」を実行
- 管理画面の左メニューから proxmox > Disks > ZFS > 「Create: ZFS」を実行(Name:
data-hdd)
おわりに
今回は、自宅サーバの組み立てからハイパーバイザー(Proxmox VE)のインストールまでを行いました。
次回は、この環境の上に、NextcloudやローカルLLM環境を構築していきます。

