📋 この記事の前提
- GitHub Copilot Pro 以上のサブスクリプションを契約済み
- GitHub Copilot CLI がインストール済み(v1.0.2〜)
- VS Code で GitHub Copilot 拡張を使った経験がある
- ターミナル操作の基本がわかる
この記事を読むと何ができるか
GitHub Copilot に「開発ワークフローの型」を教える Superpowers というスキルライブラリを導入して、AIエージェントの自律的な開発フローを体験できるようになる。
「Copilot CLI とVS Code拡張のどっちで使うべきか」で迷っている方に、両方試した結論もまとめた。
Superpowersとは何か
Superpowers は、Jesse Vincent 氏が開発した AIコーディングエージェント向けのスキルライブラリ だ。GitHub でトレンド1位になったこともある注目のプロジェクトで、MIT ライセンスの OSS として公開されている。
ひとことで言うと、「AIエージェントに開発ワークフローの"型"を教えるための教科書集」。
普通のプロンプトで「テスト駆動で開発して」と書いても、エージェントは気分次第で守ったり守らなかったりする。でも Superpowers のスキル定義は「テストを書く前にコードを書いたら、そのコードを削除してやり直す」くらい厳格に手順が書いてある。提案ではなく、ルールとして機能するのが面白い。
主なスキル一覧
全14スキルのうち、主要なものをまとめた:
| スキル名 | やること |
|---|---|
| brainstorming | コードを書く前に要件を深掘りし、設計を一緒に考える |
| writing-plans | 承認された設計をもとに、タスク単位の実装計画を作る |
| test-driven-development | RED → GREEN → REFACTOR の TDD サイクルを徹底する |
| subagent-driven-development | タスクごとにサブエージェントを起動して並列に実装する |
| systematic-debugging | 4フェーズの体系的デバッグプロセスを実行する |
| requesting-code-review | 実装完了後にコードレビューを自動で行う |
| verification-before-completion | 「完了」を宣言する前に必ず検証する |
| using-git-worktrees | Git worktree で隔離されたブランチを作って作業する |
これらのスキルが 自動的にトリガーされる のがポイント。たとえば「この機能を作りたい」と話しかけるだけで brainstorming スキルが起動し、要件のヒアリングから始めてくれる。
対応プラットフォーム
もともと Claude Code 向けに作られたが、いまは複数のプラットフォームに対応している:
- Claude Code — 公式プラグインマーケットプレイスから1コマンドで導入可能
- Cursor — プラグインマーケットプレイスから導入可能
- GitHub Copilot CLI — marketplace を登録してからプラグインインストール
- Codex / OpenCode — 手動セットアップ
-
Gemini CLI —
gemini extensions installで導入可能
自分が試したのは GitHub Copilot CLI と VS Code 拡張の2つ。このあと導入手順と、ハマったところを詳しく書いていく。
GitHub Copilot CLI への導入手順
導入は2コマンドで完了する。ここはスムーズだった。
ステップ1: マーケットプレイスを登録する
Copilot CLI を起動して、以下を実行する:
/plugin marketplace add obra/superpowers-marketplace
Superpowers のマーケットプレイスが CLI に登録される。
ステップ2: プラグインをインストールする
続けて以下を実行:
/plugin install superpowers@superpowers-marketplace
これだけ。新しいセッションを開始すれば、スキルが有効になる。
動作確認
新しいセッションで「help me plan this feature」のように話しかけてみる。brainstorming スキルが自動的にトリガーされて、「何を作りたいですか?」と質問してきたら導入成功だ。
VS Code GitHub Copilot 拡張への導入 — ここからが苦労話
GitHub Copilot CLI への導入はスムーズだった。でも VS Code の拡張で使おうとしたら一筋縄ではいかなかった。
問題: VS Code 拡張にはプラグインインストール機能がない
CLI には /plugin install コマンドがある。Cursor にもプラグインマーケットプレイスがある。
でも、VS Code の GitHub Copilot 拡張にはそれに相当する機能がない(2026年3月時点)。公式の README を見ても、VS Code についての記載はなかった。
「え、VS Code では使えないの?」と一瞬焦った。
解決策: CLI でインストールしたスキルフォルダを VS Code に教える
調べてみたら、ワークアラウンドがあった。やることは2つだけ。
1. CLI でインストール済みのスキルフォルダの場所を確認する
Copilot CLI でプラグインをインストールすると、スキルファイルは以下のパスに配置される:
~/.copilot/installed-plugins/superpowers-marketplace/superpowers/skills
このフォルダの中に、brainstorming、test-driven-development、systematic-debugging などのスキルディレクトリが並んでいる。
2. VS Code の settings.json にスキルフォルダを追加する
VS Code の settings.json を開いて、chat.agentSkillsLocations にパスを追加する:
{
"chat.agentSkillsLocations": [
"~/.copilot/installed-plugins/superpowers-marketplace/superpowers/skills"
]
}
これで VS Code の GitHub Copilot 拡張が Superpowers のスキルを認識するようになる。
正直に言うと、この方法にたどり着くまで30分くらい試行錯誤した。CLI の /plugin コマンドの仕組みを調べて「あ、結局フォルダにスキルファイルがあるだけか。じゃあパスを教えればいいのか」と気づいた形だ。
もうひとつの壁 — VS Code での自律動作が不安定だった
スキルの認識まではうまくいった。でも、実際に使ってみると別の問題が出てきた。
症状: 質問ツールを使いこなせない
Superpowers の強みは「エージェントがユーザーに質問して、要件を深掘りしてから作業に入る」というフローだ。brainstorming スキルは、ユーザーに設計意図を聞くために ask_user ツール(質問ツール)を使うよう定義されている。
ところが、VS Code の GitHub Copilot 拡張(GPT-5.4 を使用)では、このフローがうまく機能しなかった。具体的にはこんな感じ:
- 質問ツールを使わず、直接テキストで質問してしまう — ツール呼び出しではなく、チャット応答の中で「どうしますか?」と聞いてくる。こうなるとスキルの自律フローが途切れてしまう
- 途中で LLM が諦めてセッションが終了する — ブレインストーミングの途中で、質問を続けることを放棄して、中途半端な回答で終わることが何度もあった
せっかくスキルを入れたのに使いこなしてくれない——これはかなりもどかしかった。
回避策: 明示的にツール使用を指示する
試行錯誤の結果、プロンプトに 「#askQuestions ツールを使って質問してください」と明示的に書く ことで、ある程度改善できた:
この機能の設計を一緒に考えたい。brainstorming スキルに従って進めてほしい。
質問があるときは必ず #askQuestions ツールを使ってください。
完璧ではないが、こう書くとツール呼び出しの頻度は上がった。ただ、毎回これを書くのは面倒だし、「スキルが自動でやってくれるはずなのに、なんで手動で指示しないといけないんだ」という気持ちにはなる。
Copilot CLI ではスムーズに動いた
一方で、GitHub Copilot CLI で同じことをやると、この問題がほぼ発生しなかった。
CLI ではスキルの指示どおりに質問ツールを呼び出し、要件を1つずつ確認しながら設計を進めてくれた。途中で諦めることもなく、最後まで自律的にワークフローを完遂してくれる。
ここ、ちょっと面白いんだけど、同じスキル定義を読んでいるのに、実行環境が違うだけで動作がこれだけ変わる。CLI 環境のほうがツール呼び出しの制約が少ないか、あるいはコンテキストウィンドウの扱いが違うのかもしれない。
VS Code 拡張 vs Copilot CLI — Superpowers 利用の比較
両方で使ってみた実感を表にまとめた:
| 観点 | VS Code 拡張 | Copilot CLI |
|---|---|---|
| プラグインインストール | ❌ 直接不可(CLI 経由+パス設定が必要) | ✅ /plugin install で完了 |
| スキルの認識 | ✅ settings.json 設定後は認識する | ✅ インストール後すぐ有効 |
| 自律的なツール使用 | △ 質問ツールを使わず直接質問しがち | ✅ スキル定義どおりに動く |
| 長時間の自律動作 | △ 途中で諦めることがある | ✅ 数時間の自律動作も安定 |
| コード編集との統合 | ✅ エディタと一体で便利 | △ ターミナルベースなのでエディタは別 |
| セットアップの手間 | 🔧 CLI 導入+パス設定が必要 | ✅ 2コマンドで完了 |
Superpowers をフル活用するなら、いまのところ Copilot CLI のほうが相性がいい。
ただし、コード編集の利便性は VS Code のほうが上なので、使い分けるのがベストだと思っている。自分の場合は「設計・プランニング・デバッグは CLI」「コードの細かい修正は VS Code」という棲み分けに落ち着いた。
やってみてわかったこと
Copilot CLI が想像以上に良かった
正直に書くと、これまで Copilot CLI はあまり使っていなかった。VS Code の拡張で十分だと思っていたからだ。
でも、Superpowers を導入してみて考えが変わった。CLI のほうがエージェントとしての自律性が高く、複雑なワークフローを任せるのに向いている。2026年2月に正式リリース(GA)を迎えてからは安定性も上がっていて、これからメインで使っていこうと思う。
「スキル」という考え方が面白い
Superpowers を触って一番感じたのは、AIエージェントに「何をさせるか」だけでなく「どうやらせるか」を定義する という発想の面白さだ。
たとえば TDD スキルの定義ファイル(SKILL.md)には、こんなルールが書いてある:
テストを先に書かなかったら、書いたコードを削除してやり直す
これ、人間の開発チームでも「TDD やります」と言いつつ守れないことがあるのに、AIに徹底させるのは面白い発想だと思った。
プロンプトエンジニアリングの延長として、「スキルエンジニアリング」のような領域が広がっていく予感がする。実際、Superpowers には writing-skills という「スキルの書き方を教えるスキル」まで用意されていて、自分でスキルを追加できる仕組みになっている。
まとめ
- Superpowers は AI コーディングエージェントに開発ワークフローの"型"を教えるスキルライブラリ
- GitHub Copilot CLI には
/plugin marketplace add+/plugin installの 2コマンド で導入できる - VS Code 拡張には直接導入できないが、CLI でインストールしたスキルフォルダを
settings.jsonのchat.agentSkillsLocationsで指定すれば使える - VS Code 拡張ではツールの自律使用に問題が出ることがある。プロンプトで明示的に指示すれば改善可能
- Copilot CLI との相性が抜群。正式リリースを機に積極的に使っていくのがおすすめ
Superpowers に興味を持った方は、まず Copilot CLI で試してみるのが一番手っ取り早い。
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よくある質問
Q. Superpowers は無料で使えますか?
Superpowers 自体は MIT ライセンスの無料 OSS です。ただし、利用には GitHub Copilot(Pro 以上)や Claude Code など、対応するAIエージェントのサブスクリプションが別途必要です。
Q. Claude Code 以外でも Superpowers は使えますか?
はい。GitHub Copilot CLI、Cursor、Codex、OpenCode、Gemini CLI にも対応しています。プラットフォームごとに導入方法が異なるので、公式 README を確認してください。
Q. VS Code の Copilot 拡張でスキルが認識されないときはどうすればいいですか?
settings.json の chat.agentSkillsLocations にスキルフォルダの フルパス が正しく設定されているか確認してください。パスを設定した後、VS Code の再起動が必要な場合があります。
Q. 自分でスキルを作ることはできますか?
できます。Superpowers には writing-skills というスキルが含まれていて、新しいスキルの作り方をガイドしてくれます。SKILL.md ファイルを作成してスキルフォルダに配置すれば、自作スキルとして動作します。
Q. Copilot CLI と VS Code 拡張、どちらで Superpowers を使うのがおすすめですか?
Superpowers の自律ワークフロー(ブレインストーミング、プランニングなど)をフル活用するなら、いまのところ Copilot CLI がおすすめです。コードの細かい編集がメインなら VS Code 拡張が便利なので、用途に応じた使い分けがベストです。
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