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jQuery 1.0の頃の世界と今を比較してみる

Last updated at Posted at 2017-11-30

時代が進みすぎた結果、今となっては存在感も薄れていくjQueryですが、数年前まではJavaScriptライブラリの王道と言っていい地位を占めていました。では、時計の針をjQuery誕生の頃まで戻して、どんな位置付けだったか見ていきましょう。

jQueryがリリースされた頃の世界

jQueryの初リリースは2006年とのことですが、この頃Webブラウザ界はどんな世界線だったのか振り返ってみましょう。

  • Internet Explorer…7のリリースが2006年後半
  • Firefox…1.0、1.5、2.0
    • Netscape…8(Mozillaベース)
  • Safari…2.0
  • Chrome…誕生前(初版が2008年)
  • iPhoneもAndroidもリリース前

ということで、時代はIE vs Netscapeのブラウザ戦争が片付いた結果、「ブラウザごとにAPIも何もかも違う」という状況はひとまず解決したものの、まだまだDOM実装にはブラウザごとの差異がある、というような環境でした(IEにaddEventListenerが登場したのは、IE 9での話です)。そして、要素の検索メソッドもgetElementByIdgetElementsByNamegetElementsByTagNameぐらいしかなく、IE 6ではXHRもActiveXObjectとして実装されている、というように、現代の水準からすればない物づくしでした。

jQuery 1.0の水準

現在のjQueryサイトでも1.0からあったものを抽出できますが、そこで揃っていたメソッドは、現在のjQueryと基本的に同じようなものです(後から追加された機能もちょくちょくありますが、.closestが1.3から、Deferred.propが1.6から、.onが1.7からという感じです)。

  • セレクタ1つでエレメントの検索ができる$()
  • DOMのルールに従って正しくバブリングし、ブラウザを問わず同じ形でセットできるイベント(※)
  • エレメントに結びつけてもメモリリークしない、イベントハンドラやデータ構造(※)
  • スッキリとメソッドチェーンで書ける利便性
  • window.loadより早いタイミングで動作する、$(関数)
  • 便利に使えるAjax関数

この時代背景を踏まえれば、当時のjQueryがどれだけ便利な存在だったか、想像できることかと思います。

現代に至る変化

さて、このjQueryが提供していた利便性ですが、ブラウザ自体の進化により、次第に魅力を減じていくこととなります。セレクタはdocument.querySelectorAllでブラウザネイティブの取得ができるようになり、IEもDOMをしっかり実装していった結果、ブラウザごとの実装をjQueryで吸収する必要も減ってきました。アニメーションもCSSアニメーションのほうが負担が軽いということで、jQueryのをゴリゴリ使う時代でもなくなっています。

$(関数)DOMContentLoadedとしてブラウザイベントとして取れるようになる、jQueryのクラス系のメソッドと同様なものがclassListに実装される、.closestがネイティブ実装されるなど、jQueryに影響を受けたと思しきDOMの実装すら存在するようになっています。

このようにして、「クロスブラウザ」と「便利なメソッド」の利点がなくなっていき、そして仮想DOMが全盛となって直接DOM操作すること自体がバリバリ行われるものではなくなってきた中、jQueryに残ったものは「メソッドチェーン」、「簡潔なメソッド名」と「jQueryプラグイン」ぐらいかな、という感じです。

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