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sudo で書き込みをしたい

Last updated at Posted at 2016-02-18

以前 Rake で Docker コンテナを管理するためのテンプレート権ツールを作成した。

その機能のひとつとして Docker のホスト側に Nginx 用のリバースプロキシを設定するものがあった。設定後はコンフィグを自動的に読み直す。

これらの処理には root 権限が必要だった。権限はスクリプト中の sudo コマンドで得ていた。

failed_sudo_write.rb
sh "sudo echo -e \"$data\" > /path/to/nginx/config"
sh 'sudo service nginx reload'

実行するとエラーが起きた。

権限エラーだ。

Rake 経由だと sudo が使えないのだろうか。だが、一応 1 行目を消して実行してみたら無事に Nginx コンフィグがリロードされた。

なぜ。

この問題はスクリプトの中で sudo を使わないようにして Rake 自体を sudo で実行すれば解決する。

しかし今回のツールでは、全ての処理に管理者権限が必要なわけではない。普段権限なしで実行していて特定の場面でだけエラーが起きるのは、たぶん数ヵ月後に出会うと小さなストレスだ。

必要になればパスワードを求める仕様にしたかった。

sudo 経由で書き込むことが今回の目的だ。

環境

  • Ubuntu 15.04
  • sudo 1.8.9p5
  • Ruby 2.2.3p173
  • Rake 10.5.0

状況と目的の再定義

序文が不必要に長くなった上に Rake 依存の問題のように読めなくもないので、改めて状況を説明する。

Bash で再現するとこういう状況。

$ touch rootfile
$ sudo chown root:root rootfile
$ sudo echo 1 > rootfile
bash: rootfile: Permission denied

sudo を使って root 権限で書き込むのが本記事の目的。

解決方法

いくつか試して、目的を達成できた方法を書いていく。

1. mv

最初にやったのはこの方法。

sudo_write1.sh
echo 1 > rootfile.temp
sudo mv rootfile.temp rootfile

書き込みたい内容を一時ファイルに保存して、それを mv によって目的の場所に移動、または上書きする。

でもこれだと所有者情報に違和感があるし (sudo 付きで echo で実行しても、書き出したファイルの所有者は sudo を実行した元ユーザーのものになる) 、既存のファイルに上書きする場合は inode も変わってしまう。

どちらも今回の処理では問題にならないが、別の処理では問題になる可能性がある。余計な変化はできるだけ避けたい。

2. tee

sudo に頼った書き込みをする場合、必ず一度はシェル用のコマンドを使うことになる。

そこでまず思いついたのは echocat とリダイレクト記号 > を組み合わせたものであり、そのつまずきが序文での出来事だ。

他にビルトインで書き込みができるものは何かないか、と探してみると tee があった。

sudo_write2.sh
echo 1 | sudo tee rootfile

標準出力が気になる場合は /dev/null に捨てる。

3. sh -c

どうやら sudo ではリダイレクトを使った書き込みが出来ないらしい。

先日の記事「sudo 時に root 権限で実行されてるかを確認する」を書いたときに知ったのだが、この仕様は man sudo でも触れられている。

To make a usage listing of the directories in the /home partition. Note that this runs the commands in a sub-shell to make the cd and file redirection work.
$ sudo sh -c "cd /home ; du -s * | sort -rn > USAGE"

この例のように sudo sh -c の中にリダイレクト処理を含めれば、問題なく書き込みができる。

sudo_write3-1.sh
sudo sh -c 'echo 1 > rootfile'

標準入力も扱える。

sudo_write3-2.sh
echo 1 | sudo sh -c 'cat - > rootfile'

4. ruby -e

おまけ。

今回自分がぶつかったケースの場合 Rake を使っているということで、当然そこには Ruby の実行環境がある。

以下のようにすれば sudo 経由で Ruby の機能を使って書き込みができる。

sudo_write4.sh
echo 1 | sudo ruby -e "File.write('rootfile', STDIN.read)"

Ruby で記述する場合はこう。

sudo_write4.rb
IO.popen("sudo ruby -e \"File.write('rootfile', STDIN.read)\"", 'w') do |io|
  io.puts('1')
end

ただし sudo は基本的に環境変数を引き継がない。引き継ぐようにもできるが、面倒くさい。

rbenv などでユーザーローカルに Ruby をインストールしている場合はその面倒事をやるか、 sudo 経由で呼び出している ruby の部分をフルパスに書き換える必要がある。

開発環境や、開発環境をまたいで使う場合には向かない。

まとめ

使うとしたら 2 か 3 だろうか。

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