Apple watchでジャイロと加速度を取得する

前提

• watchOS 4.3.2
• Xcode 10.1
• iPhone 12.1.2
• Apple Watch series 1

初版のApple watchが出た頃にジャイロの値を取ろうとしたが失敗した（APIは存在するが必ず固定値が返っていた）件の再チャレンジです。

watchOS 3 で「アレ」は本当にできるようになったのか？によれば、watchOS 3以降ではジャイロの値が取れるようになっているらしいです。

tl;dr

実装

WatchOS1の頃触ってから久しぶりにWatch Appの開発だったので、そもそもの作り方や考え方からやりなおします。

基本的なApple watchアプリの作り方

• 簡単な Apple Watch アプリを初めて作ってみる

記事はだいぶ昔ですが内容は今でも通用します。
その他、だいたい「アレ」の記事の通りですが、躓いたポイントをメモしておきます。

ハンドラのエラーの型が違う

CMDeviceMotionHandlerの第2引数の型はErrorです。
時代も移り変わり、Objective-Cの遺産とも言えるNSErrorは使わなくなったみたいです。

GyroscopeInterfaceController

    override func willActivate() {
        super.willActivate()
        
        let handler: CMDeviceMotionHandler = {(motion: CMDeviceMotion?, error: Error?) -> Void in
            self.rotLabelX.setText(String(format: "%.2f", motion!.rotationRate.x))
            self.rotLabelY.setText(String(format: "%.2f", motion!.rotationRate.y))
            self.rotLabelZ.setText(String(format: "%.2f", motion!.rotationRate.z))
        }

        if motionManager.isDeviceMotionAvailable {
            motionManager.startDeviceMotionUpdates(to: OperationQueue.current!, withHandler: handler)
        }
        else
        {
            rotLabelX.setText("not available gyro")
            rotLabelY.setText("not available gyro")
            rotLabelZ.setText("not available gyro")
        }
		
    }

詳しくはこちら → モーションセンサーの値が取得できない

githubのコードは直ってたので、プロはこんなところでは躓かないと思いますが、一応。

ビルドバージョンが高すぎて実行時にコケる

Deployment Targetをちゃんと4.3にしているのに、5系でビルドされてるからApple watchにインストールできないよと怒られる。

よく見るとExtensionだった。

ちゃんとWatch Appのターゲットを適切な値にしましょう。

クラスが足りなくて実行時にコケる

Watchアプリを作ってる人からしたら常識なのかもしれませんが、GyroscopeInterfaceController.swiftという新しいInterfaceControllerクラスを作ったのに、Extensionに追加してなくてコケました。

ErrorLog

2019-02-21 15:18:09.519384+0900 WatchKitApp Extension[678:3114357] [default] -[SPRemoteInterface createViewController:className:properties:contextID:info:gestureDescriptions:clientIdentifier:]:3418: Couldn't instantiate class _TtC21WatchKitApp_Extension28GyroscopeInterfaceController
2019-02-21 15:18:09.521782+0900 WatchKitApp Extension[678:3114357] [default] -[SPRemoteInterface createViewController:className:properties:contextID:info:gestureDescriptions:clientIdentifier:]:3419: Critical failure. Simulating crash: Condition failed:"NO". Couldn't instantiate class _TtC21WatchKitApp_Extension28GyroscopeInterfaceController
(lldb) 

解決するには、自分で作ったクラスをExtensionのCompile Sourcesに追加します。

クラスが足りなくて実行時にコケる ２

実は上記だけではだめで、storyboardのCustom classのロード元をextensionにしないといけません。

このModuleが非Extensionだと、同じように実行時にクラスが足りないと言ってコケます。

上のようにExtentionのCompile Sourcesに新しいInterfaceControllerを追加すると、ここでExtentionが選択できるので、そちらを選びましょう。

これで動きます。たぶん。

ていうかExtensionって何…

そもそもApple watch AppというのはiPhoneアプリのおまけのようなもので、処理はほとんどせずに、iPhoneアプリのViewとなることが想定されています。
その関係性を前提として、Apple watchから見たiPhoneの方（自分がViewであって、実処理をする側）の方をExtensionという、みたいです。

https://noumenon-th.net/webstrategy/2014/12/11/watchkit/

...というのが初期の思想だったみたいですが、watch自体の性能もだんだん上がってきているためか、現在の相関図ではwatch側にExtensionが存在してますね。

The Watch app bundle contains your app’s storyboards, while the WatchKit extension contains your app’s code and additional resources

いずれにせよ、Watch Appのstoryboardは表示のため、Extensionは実処理のためという考え方であって、アプリケーションのコードはExtensionに含まれるべきだということみたいです。
ゆえに、storyboardに紐づくソースは、Watch App側とExtension側でcompileされるよう設定すべきということですね。

謝辞

• watchOS 3 で「アレ」は本当にできるようになったのか？
• https://qiita.com/shu223/items/31b1b453ee1740d3eaf5
• 簡単な Apple Watch アプリを初めて作ってみる
• https://ez-net.jp/article/8C/ylktGR5J/5ZZKjSNrNQac/
• swiftでモーションセンサーの値を取得する方法でエラーになるのを解決した
• http://yatsurecreate.com/2017/03/31/swift%E3%81%A7%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%80%A4%E3%82%92%E5%8F%96%E5%BE%97%E3%81%99%E3%82%8B%E6%96%B9%E6%B3%95%E3%81%A7%E3%82%A8/
• The Watch App Architecture
• https://developer.apple.com/library/archive/documentation/General/Conceptual/WatchKitProgrammingGuide/DesigningaWatchKitApp.html#//apple_ref/doc/uid/TP40014969-CH3-SW1