以前の記事で、Photon OS に dnsmasq をインストールして、DNS サーバー兼 DHCP サーバーを構築しました。

今回は、DHCP サーバー機能に絞って、構築していく手順を紹介します。

なぜわざわざ？とも思いますが、dnsmasq で DNS サーバーも同時に構築しようとする場合、Photon OS 4.0 以降では、systemd-resolved とポート競合を起こしてしまったり、手順に若干の落とし穴があります。そのため、サクッと DHCP サーバーだけ構築したい場合には、ISC DHCP (isc-dhcp-server) を使った方が簡単なので、その紹介になります。

前提

Photon OS がデプロイ済みであり、最低限の設定として、こちら↓のあたりが行われている想定で、手順を記載しています。
ただし、全ての手順を実施する必要は無いので、詰まった時に参照いただければ良いです。

また、執筆時点で、Photon OS は ver 4.0 を利用しています。

# cat /etc/photon-release
VMware Photon OS 4.0
PHOTON_BUILD_NUMBER=2f5aad892

パッケージのインストール

今回利用する ISC DHCP のサーバー機能のパッケージをインストールします。

tdnf install -y dhcp-server

ちなみに... パッケージ名は dhcp-server ですが、下記の SPEC ファイルを見てもらうと、中身が ISC DHCP を使っていることが分かります。

設定ファイルの修正

DHCP サーバーとしての設定を記載していきます。

vi /etc/dhcp/dhcpd.conf

設定例:

/etc/dhcp/dhcpd.conf

subnet 192.168.122.0 netmask 255.255.255.0 {
  range 192.168.122.100 192.168.122.200;
  option routers 192.168.122.254;
  option domain-name-servers 192.168.1.1;
  option ntp-servers 192.168.1.1;
}

もし、特定のホスト (MAC アドレス) に対して、固定 IP アドレスを振りたい場合には、下記のような設定を追記します。

/etc/dhcp/dhcpd.conf

host dhcp-tester {
  hardware ethernet xx:xx:xx:xx:xx:xx;
  fixed-address 192.168.122.101;
}

また、DHCP サーバーにする VM が、複数の NIC を持っている場合、どの NIC を使うのか指定する必要があります。
その場合は、下記のように設定します。

vi /etc/default/dhcpd

設定例:

/etc/default/dhcpd

DHCPD_OPTS=
INTERFACES="eth1"

サービスの起動

まずは、サービスを有効化します。

systemctl enable dhcp.service

次に、サービスを起動します。

systemctl start dhcp.service

サービスの起動を確認して、正しく起動しているか見ておきましょう。

systemctl status dhcp.service