14
11

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Rye を使って llama-cpp-python + ELYZA-japanese-Llama を動かしてみる

Posted at

はじめに

昨年、VMware Private AI Reference Architecture が発表され、関連記事も少し見始めているのですが、どうしても GPU リソースを必要とするものが多く、個人的に、なかなか触りづらさを感じていました。

しかし、llama-cpp-python を使えば、ノート PC のようなリソースが限られた環境でも、Python から簡単に LLaMA を動かすことができそうなので、今回はこれを試していきます。

また、この llama-cpp-python を実行する Python 環境は、Rye を使って、構築していきます。
この Rye に関しては、Python でとある OSS を開発していた時にあれば、どんなに幸せだっただろうと思えるくらい、とても便利だったので、どんどん使っていきたいと思っています。

これだけでも要素が多いですが、LLaMA を動かしていく際に、せっかくなので日本語の学習済みモデル ELYZA-japanese-Llama で、日本語で対話してみたいと思います。

前提

今回は Ubuntu OS を利用しており、利用バージョンは、下記の通りです。

$ cat /etc/lsb-release
DISTRIB_ID=Ubuntu
DISTRIB_RELEASE=22.04
DISTRIB_CODENAME=jammy
DISTRIB_DESCRIPTION="Ubuntu 22.04.3 LTS"

また、長くなってしまうので、Rye は、公式ドキュメントに記載の方法でインストール済みとさせてください。
とはいえ、ガイドにあるコマンドを実行し、少しばかり対話による選択をするのみです。

手順

基本的には、llama-cpp-python の GitHub のガイドに沿って、実行していきますが、実行していく上で、いくつか依存パッケージのインストール等が必要だったので、その辺りを補足してあります。

依存パッケージのインストール

llama-cpp-python が、llama.cpp という C/C++ のライブラリを Python から使えるようにしたもの (バインディング) である関係上、パッケージのインストール過程で、C/C++ のライブラリのビルドが発生します。
そのため、ビルドのためのパッケージ群を、事前にインストールしておく必要がありました。

sudo apt install build-essential libpython3-dev

Python プロジェクトの作成

Rye を使って、遊ぶための Python プロジェクトを作成します。

$ rye init test-llama-cpp-python
success: Initialized project in /home/yusukei/test-llama-cpp-python
  Run `rye sync` to get started

注意
Rye で Python プロジェクトを作成する際、後でインストールする Python モジュールと同じ名前 (今回の場合は llama-cpp-python) とは、異なる名前を指定してください。
はっきりと確認した訳ではないのですが、同じ名前にしてしまうと、Python モジュールをインストールする際 (具体的には rye sync 実行時) にエラーしてしまいました。

作成したプロジェクトのディレクトリに移動しておきます。

cd test-llama-cpp-python/

プロジェクトの情報を確認すると、下記のようになるはずです。

$ rye show
project: test-llama-cpp-python
path: /home/yusukei/test-llama-cpp-python
venv: /home/yusukei/test-llama-cpp-python/.venv
target python: 3.8
venv python: cpython@3.12.1
virtual: false

llama-cpp-python のインストール

Rye のパッケージ管理を使って、llama-cpp-python をインストールしていきます。
まず、llama-cpp-python を依存パッケージに登録します。

$ rye add llama-cpp-python
Added llama-cpp-python>=0.2.38 as regular dependency

登録した依存パッケージの情報を元に、パッケージをインストールします。
前述の通り、C/C++ ライブラリのビルドが走るので、ちょっと時間がかかります。

$ rye sync
Initializing new virtualenv in /home/yusukei/test-llama-cpp-python/.venv
Python version: cpython@3.12.1
Generating production lockfile: /home/yusukei/test-llama-cpp-python/requirements.lock
Generating dev lockfile: /home/yusukei/test-llama-cpp-python/requirements-dev.lock
...
... (snip) ...
...
Successfully installed diskcache-5.6.3 jinja2-3.1.3 llama-cpp-python-0.2.38 markupsafe-2.1.5 numpy-1.26.3 test-llama-cpp-python-0.1.0 typing-extensions-4.9.0
Done!

学習済みモデルの用意

冒頭で記載した通り、せっかくなので日本語の学習済みモデル ELYZA-japanese-Llama を動かしていきたい思うのですが、llama-cpp-python が gguf という形式のモデルを必要とするようなので、Hugging Face のサイトから、変換済みのモデルを利用しています。

今回は、お試しなので、一番ファイルサイズの小さい ELYZA-japanese-Llama-2-7b-fast-instruct-q2_K.gguf を取得し、Python プロジェクト配下に models というディレクトリを作成して、配置しました。

この時点で、プロジェクトの構造は、こんな感じになっているはずです。

.
├── README.md
├── models
│   └── ELYZA-japanese-Llama-2-7b-fast-instruct-q2_K.gguf    <-- 追加
├── pyproject.toml
├── requirements-dev.lock
├── requirements.lock
└── src
    └── test_llama_cpp_python
        └── __init__.py

お試しスクリプトの用意

llama-cpp-pythonGitHub を見ながら、こんな感じのスクリプトを用意してみました。
プロンプトのテンプレ等が上手く扱えていない辺りは、勉強不足ですので、ご容赦ください...

demo.py
from llama_cpp import Llama

llm = Llama(
        model_path = "./models/ELYZA-japanese-Llama-2-7b-fast-instruct-q2_K.gguf",
        #n_gpu_layers = 1,
        )

output = llm("""
        [INST] ギャグを言ってみてください。 [/INST]
        """)

print(output['choices'][0]['text'])

実行環境に GPU が無かったので、試していませんが、コメントアウトしてある n_gpu_layers = 1 の部分をちゃんと指定すると、GPU リソースちゃんと使えるらしいです。

よって、この時点で、プロジェクトの構造は、こんな感じになっているはずです。

.
├── README.md
├── demo.py     <-- 追加
├── models
│   └── ELYZA-japanese-Llama-2-7b-fast-instruct-q2_K.gguf
├── pyproject.toml
├── requirements-dev.lock
├── requirements.lock
└── src
    └── test_llama_cpp_python
        └── __init__.py

スクリプトの実行

毎回ちゃんと rye run python と打つのが面倒なので、先に Python venv 環境へ入っておきます。

$ . .venv/bin/activate
(test-llama-cpp-python) $    # <-- venv 環境のプロンプト

参考
rye shell という、いかにも便利そうなコマンドもあるのですが、Rye 0.21.0 時点では、「バグが多いコマンドだから、ちゃんと venv を有効化してね」と警告が出たので、ここでは venv を使っています。

では、いよいよスクリプトを実行して、さぞや面白い冗談を見てみましょう。

$ python demo.py
llama_model_loader: loaded meta data with 21 key-value pairs and 291 tensors from ./models/ELYZA-japanese-Llama-2-7b-fast-instruct-q2_K.gguf (version GGUF V3 (latest))
llama_model_loader: Dumping metadata keys/values. Note: KV overrides do not apply in this output.
llama_model_loader: - kv   0:                       general.architecture str              = llama
llama_model_loader: - kv   1:                               general.name str              = ELYZA-japanese-Llama-2-7b-fast-instruct
llama_model_loader: - kv   2:      general.source.huggingface.repository str              = elyza/ELYZA-japanese-Llama-2-7b-fast-...
llama_model_loader: - kv   3:                   llama.tensor_data_layout str              = Meta AI original pth
...
...(略)...
...
llama_print_timings:        load time =    3867.23 ms
llama_print_timings:      sample time =      11.45 ms /    16 runs   (    0.72 ms per token,  1397.87 tokens per second)
llama_print_timings: prompt eval time =    3867.14 ms /    35 tokens (  110.49 ms per token,     9.05 tokens per second)
llama_print_timings:        eval time =    2171.19 ms /    15 runs   (  144.75 ms per token,     6.91 tokens per second)
llama_print_timings:       total time =    6139.06 ms /    50 tokens
いや、私はAIですので笑うことはできません…。

...はい???
そういうギャグってことでしょうか...?? 分からん...

まとめ

今回は、「とりあえず動かした。以上」レベルで、最後が酷かったですが、まずは色々と遊ぶための入り口に立った感じでしょうか。
もう少し知識をつけて、もう少し知見を増やせたら、また関連記事を書きたいと思います。

14
11
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
14
11

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?