Cognos11.1.1から11.0のころに比べて、インストール方法が少し変わったことは既にこちらのQiitaにも紹介されている通りです。
参考:Cognos Analytics 11.1.1 インストール時の注意点3個
今回はGUI環境が使用できない環境でインストールする方法について実際に検証してみたので紹介します。準備するモジュールについては上記リンク先に同じです。
では、さっそく始めましょう。
作業① 応答ファイルを作成する
無人インストールをするには、インストールオプションを指定した応答ファイルが必要です。応答ファイルの作成方法は、テンプレートをマニュアルからコピーして作成するか、どこかでGUIインストーラーを起動して操作し、サマリー画面まで進んだところで「キャンセル」をすれば作成できます。
今回は、後者の方法で作成しました。ポイントは以下の2点です。
(ポイント1) GUI起動コマンド実行時に -r オプションをつけて応答ファイルを指定する
(ポイント2) インストールサマリー画面に来たら「キャンセル」で終了させる
特に2つ目でうっかり「インストール」を押してしまうと普通にインストールされてしまうので忘れずにキャンセルするようにしてくださいね。
キャンセル後に応答ファイルを確認してみると何故か指定した名前ではなく「installer.properties」という名前で保存されていました。が、中身を確認すると、確かに今回指定したものと同じでしたのでひとまず良しとします。
# cat installer.properties
# Mon Apr 08 17:53:33 JST 2019
# Replay feature output
# ---------------------
# This file was built by the Replay feature of InstallAnywhere.
# It contains variables that were set by Panels, Consoles or Custom Code.
#true
#--------
BISRVR_CA_INSTALL=1
BISRVR_CA_TOOLS_INSTALL=0
#
#
USER_INSTALL_DIR=/opt/ibm/cognos/analytics
BISRVR_FEATURE_DATATIER=1
BISRVR_FEATURE_APPTIER=1
BISRVR_FEATURE_GATEWAY=1
作業②インストール
先程作成した応答ファイルを指定して、インストーラーを実行します。
installディレクトリが空であることを確認してから実施してください。何かしら存在しているとエラーになってしまいます。(lsコマンドで確認して/opt/ibm/cognos以下に何も無ければOKです)
特に、一度インストールがコケてしまうとそのログファイルを/opt/ibm/cognos/analytics/logsディレクトリ以下に作成されるので要注意です。失敗した場合は、一度analyticsディレクトリ以下を削除してからリトライするようにしてください。
上記を確認したら以下のようにコマンドを実施します。
暫くするとインストールが完了してコマンドプロンプトが戻るので、echo $?で確認しましょう。
# ./ca_installer_linuxi38664_2.0.bin -DREPO=/work/module/ca_server_linuxi38664_11.1.1.zip -l ja -f /work/module/installer.properties -i silent
# echo $?
0
インストールディレクトリ先に移動して、以下のログファイルを見てみます。
/opt/ibm/cognos/analytics/logs/install_configuration.log
このファイルには、導入時に設定されたポート番号やホスト名、IPアドレスなどの情報が記載されており、それらの情報が/opt/ibm/cognos/analytics/configuration/cogstartup.xmlに保存されたと書かれています。
作業③初期設定して起動できるようにする
次に、ContentStoreの準備をします。GUIが使える場合は、CognosConfigurationからDDLを生成できるのですが、使用しない時は、<インストールディレクトリ>/configuration/schemas/content/db2以下の"createDb.sql.template"ファイルをコピーしてDB名やDBインスタンス名を編集して作成してください。(※今回はDB2を使用しています)
作成したファイルを実行してDBができたら、次にConfigurationの値を変更して起動できるようにします。
GUIを使わずに構成変更する方法は以下の記事に書かれていますので参考にしてください。
(参考)Cognos Configurationの設定変更をGUIの無い環境で実施する
ContentStore等の設定後、GUI環境の場合は右クリックでテストができるのですが、使用しない場合はそうもいきません。そんなときは、<インストールディレクトリ>/bin64/ccogconfig.shの-testオプションを使うと設定ファイルの検証が可能です。
検証結果は、<インストールディレクトリ>/logs以下の、"config_response.csv.yyyymmdd_xxxxxx.log"に出力されるので、中身を見て問題ないことを確認してください。
問題なければ、今度はcogconfig.shに -s オプションをつけてCognosの初期起動をしてください。
あとは、logs以下に出力されるcogaudit.log等を確認したりブラウザからアクセスしたりしてインストール後の動作確認することなどは、GUIで起動したときと同じです。
(2019.7 追記)
検証用の環境にて、CA11.1.2用にintaller.propertiesファイルを作成して11.1.1と比較しましたが、差分はありませんでした
以上