#概要
Cognos Analytics や Cognos BI で、システムの構成変更を行う場合、Cognos ConfigurationというGUIツールを用いて行いますが、環境によってはサーバーへのGUIアクセスができず、全てコマンドで対応すべし、という環境があります。
Cognos Configurationとは、こんなツールですね。
UnixやLinux環境では、<CognosInstall>/bin64/cogconfig.sh で起動できます。
この変更をする時に、GUIを使わずに実施する方法を紹介しておきます。
#手順
基本的に、Cognos Configurationの設定を変更した場合は、設定反映にはCognosの再起動が必要なので、Cognosの停止から入ります。
Cognos Analytics @ Linuxでの手順で紹介します。
Cognos停止
以下のコマンドでCognosを停止します。
/opt/ibm/cognos/analytics/bin64/cogconfig.sh -stop
※JAVA_HOMEがきちんと設定されている事が前提です。
export JAVA_HOME=/opt/ibm/cognos/analytics/jre
Cognos Configurationの設定内容をファイルにエクスポート
Cognos Configurationの設定は、/opt/ibm/cognos/analytics/configuration/cogstartup.xmlファイルに保管されていますが、ユーザー名やパスワードなどは暗号化されているため、設定を変更するためには、一回暗号化されていないファイルに設定を保存する必要があります。
以下のコマンドでCognos Configurationの設定を非暗号化してエクスポートします。
/opt/ibm/cognos/analytics/bin64/cogconfig.sh -e ../configuration/backup.xml
設定内容の変更
configurationフォルダに生成したbackup.xmlファイルを、vi等で開いて変更します。
ファイルは概ね、Cognos Configurationの上から順に設定が記載されているので、頑張って読み解きます。
例えば、最初の画面イメージであったWebsphere Liberty Profileの最大メモリーMB = 4096の設定値は、以下の箇所を変更します。
<crn:parameter name="dispatcherMaxMemory">
<crn:value xsi:type="xsd:unsignedInt">4096</crn:value>
</crn:parameter>
<!-- wlpProperties: These properties are used to tune the WebSphere Liberty Profile (WLP)
server. -->
編集後、cogstartup.xmlファイルはバックアップを取得し(ファイル名称変更)、backup.xmlファイルの名称をcogstartup.xmlに変更します。
また、Cognos Configurationの中の、以下のグローバル設定で良く変更する、「アーカイブ・ファイル・システムのルートの場所」とか、「ドメイン」や「パス」などは、以下のファイルに設定が入っているので、先のcogstartup.xmlとは別に変更して下さい。
グローバル設定が入っているファイル
/opt/ibm/cognos/analytics/configuration/coglocale.xml
Cognosを起動する
以下のコマンドでCognosを起動します。
/opt/ibm/cognos/analytics/bin64/cogconfig.sh -s
無事に起動すれば、設定変更は完了です。
#新規環境構築にも使える
ちなみに、この手順は設定変更だけでなく、新規環境構築も可能です。
開発環境はGUIを使えたけど、本番環境はセキュリティが厳しいのでGUIが使えない場合などに役立ちます。
先ほどのbackup.xmlファイルとcoglocale.xmlファイルを本番ノードに持って行き、URIやContent Storeの接続設定など、環境特有の箇所を全て変更し、cogstartup.xmlにして、Cognosを起動すると、しっかりと環境が構築されて起動します。
もちろん、前提となるContent Storeデータベースの作成や、各種JDBCドライバーの配置等は起動前に必要ですが、Cognos起動時にContent Storeや監査DBにテーブルを作ってくれます。
以上です、是非ご活用下さい。