WSL上のJupyter NotebookをWindowsのVS Code (Cursor) から利用する完全ガイド:2025/01/02 10:40
はじめに
WSLとWindowsの共存環境で開発を行う際、以下の方針が効果的です:
- Python関連の環境はWSL側に集約
- エディター(Microsoft Visual Studio Code、以下、VS Code)はWindows側を使用
- Jupyter NotebookをWSLで動かしVS Codeから操作
前提条件
- Microsoft Windows 11
- WSL2 (Ubuntu 24.04)
- Microsoft VS Code (Cursor)
- Python 3.x(WSL側)
環境構築手順
1. WSLの基本設定
# WSLのアップデート
sudo apt update
sudo apt upgrade -y
# 必要なパッケージのインストール
sudo apt install -y python3 python3-pip python3-venv
2. Python仮想環境の作成
# ホームディレクトリーに仮想環境を作成
python3 -m venv ~/jupyter_env
# 仮想環境を有効化
source ~/jupyter_env/bin/activate
# pipのアップグレード
pip install --upgrade pip
# Jupyter関連パッケージのインストール
pip install jupyter notebook ipykernel
3. VS Code (Cursor) の設定
-
必須拡張機能のインストール
- Remote - WSL
- Python
- Jupyter
-
WSL接続の確立
- リモートエクスプローラーを開く(サイドバーのアイコン)
- WSLターゲットを展開
- Ubuntu-24.04を選択
- 「新しいウィンドウで接続する」をクリック
- 左下が
WSL: Ubuntu-24.04
と表示されることを確認
-
settings.jsonの設定
{
"python.defaultInterpreterPath": "~/jupyter_env/bin/python",
"python.terminal.activateEnvironment": true,
"jupyter.notebookFileRoot": "${workspaceFolder}"
}
4. Jupyter Notebookの作成と実行
-
新規ノートブックの作成
- エクスプローラーで任意のフォルダーを開く
- 新規ファイル作成で
.ipynb
拡張子を指定 - または、コマンドパレット(Ctrl+Shift+P)から
Jupyter: Create New Blank Notebook
を選択
-
インターフェイスの確認
-
+ コード
と+ マークダウン
ボタンが表示される - カーネルが
jupyter_env
になっていることを確認
-
使用方法
Jupyter Notebookの起動
- WSL側での起動:
# 仮想環境の有効化
source ~/jupyter_env/bin/activate
# Jupyterの起動
jupyter notebook
2.VS Codeでの操作:
-
Ctrl + Shift + P
でコマンドパレットを開く -
Python: Create New Blank Jupyter Notebook
を選択
よく使う操作例
# マークダウンセルの例
"""
# タイトル
## サブタイトル
- リスト1
- リスト2
"""
# コードセルの例
import pandas as pd
import numpy as np
# ヒアドキュメントの例
query = """
SELECT *
FROM table
WHERE column = 'value'
"""
トラブルシューティング
- カーネルが見つからない場合
python -m ipykernel install --user --name=jupyter_env
- WSL接続エラーの場合
wsl --shutdown
注意点
- WSL上のファイルシステムへのアクセスは
\\wsl$
経由より、VS CodeのWSL拡張経由の方が安定します - 大規模なデータ処理を行う場合は、WSLのリソース制限を確認してください
- Jupyter Notebookのセッション情報は
~/.jupyter
に保存されます
補足情報
WSLのファイルシステムへのアクセス
- Windowsエクスプローラーから:
\\wsl$\Ubuntu-24.04\home\ユーザー名
- WSL側から:
explorer.exe .
で現在のディレクトリーをエクスプローラーで開く
推奨される使用方法
- プロジェクトのファイルはWSL側に置く
- エディター操作はWindows側のVS Code (Cursor) から行う
- パッケージのインストールはWSL側の仮想環境で行う
参考情報
- WSLのメモリー使用量の確認:
free -h
- プロセス確認:
ps aux | grep jupyter
まとめ
この構成により:
- Windows環境の整理整頓が容易
- Python環境の管理が簡単
- WSL-Windows間のシームレスな連携が実現
- 開発環境の再現性が高まる
- ドキュメント化が容易になる
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