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【忙しい人のためのリーダブルコード要約】第I部 表面上の改善

Last updated at Posted at 2024-11-11

はじめに

こちらは著書「リーダブルコード」の学習記録です。
忙しい人のためにも、重要そうな部分を抜粋してまとめました。

こちらは本書における第Ⅰ部の要約です。
第II部の要約はこちらから
第Ⅲ部の要約はこちらから
第Ⅳ部の要約はこちらから

2章 名前に情報を詰め込む。

明確な単語を選ぶ

例えば、「get」はあまり明確な単語ではない

def GetPage(url):
....

このメソッドはどこからページを取ってくるのか?
ローカルキャッシュから?データベースから?
もしインターネットから取ってくるならば、DownloadPage()の方が明確だ。

tmpなどの汎用的な名前を避ける

エンティティの値や目的を表した名前を選ぼう。

(例)tmp
2つの変数を入れ替える古典的な例です。

if(right < left) {
  tmp = right;
  right = left;
  left = tmp;
}

この場合は、情報の一時的な保管のため、tmpという名前で全く問題ない。tmpという名前で「この変数には他に役割がない」という明確な意味を伝えている。
つまり、他の関数に渡されたり、何度も書き換えられたりはしない。

ただし、以下のtmp、テメーはダメだ。

String tmp = user.name();
tmp += " " + user.phone_number();
tmp += " " + user.email();
...
tmplate.set("user_info", tmp);

この変数にとって一番大切なことは、「一時的な保管」ではない。これをわかりやすくするには、user_infoのような名前に変えたほうが良いだろう。

名前の長さを決める

以下のような識別子は、誰もが嫌がるだろう。
newNavigationControllerWrappingViewControllerForDataSourceOfClass

どこの世界線の呪文詠唱だ。詠唱破棄したくなるじゃないか。

では、どれくらいの長さが適切なのか?それは、変数の使い方によって違ってくる。

スコープが小さければ短い名前でもいい

識別子の「スコープ」(その名前が「見える」コードの行数)が小さければ、多くの情報を詰め込む必要はない。
すべての情報(変数の型・初期値・破棄方法など)が見えるので、変数の名前は短くていい。

if(debug) {
  map<string,int> m;
  LookUpNamesNumbers(&m);
  Print(m);

ただし上記のmがクラスのメンバ変数やグローバル変数だった場合、mの型や目的がわからなくなるだろう。
識別子のスコープが大きければ、名前に十分な情報を詰め込んで明確にする必要がある。

3章 誤解されない名前

filter()

データベースの問い合わせ結果を処理するコードを書いてるとしよう。

results = Database.all_objects.filter("year <= 2011")

このresultsには何が含まれているだろうか?

  • 「year <= 2011」のオブジェクト
  • 「year <= 2011」ではないオブジェクト

どちらかよくわからないのは、filterが曖昧な言葉だからだ。これでは「選択」するのか、「除外」するのかわからない。
「選択」するのであれば、select()にしたほうがいい。「除外」するのであれば、exclude()にした方がいい。

ブール値の名前

ブール値の変数やブール値を返す関数の名前を選ぶときには、trueとfalseの意味を明確にしなければならない。

以下は危険な例だ。

bool read_password = true;

「read」をどう「読む」かになるけど、これには2つの解釈の仕方がある。

  • パスワードをこれから読み取る必要がある
  • パスワードをすでに読み取っている

代わりに、need_passworduser_is_authenticatedなどを使った方がいい。
ブール値の変数名は、頭にis・has・can・shouldなどをつけてわかりやすくする場合が多い。

それから、名前は否定形よりも肯定形にした方が声に出して読みやすい。

// 否定形
bool disable_ssl = false;

// 肯定形
bool use_ssl = true;

4章 美しさ

なぜ美しさが大切なのか?

以下のようなコードを使わなければならないとしよう。

class:class StatsKeeper {
public:
// doubleを記録するクラス
   void Add(double d); //と素早く統計を出すメソッド
   private: int count; /*それまでの個数*/
   public:
     double Average();
private: double minimum;
list<double>
  past_items
    ;double maximum;
};

これを理解するのには時間がかかると思う。では以下のキレイなバージョンならどうだろう。

class StatsKeeper {
public:
   void Add(double d);
    double Average();
    
private:
list<double> past_items
int count;

double minimum;
double maximum;
};

見た目が美しいコードの方が使いやすいのは明らかだ。

一貫性と意味のある並び

コードの並びがコードの正しさに影響を及ぼすことは少ない。

details = request.POST.get('details')
location = request.POST.get('location')
phone = request.POST.get('phone')
email = request.POST.get('email')
url = request.POST.get('url')

であれば、ランダムに並べるのではなく、意味のある順番に並べると良い。

  • 対応するHTMLフォームのinputフィールドと同じ並び順にする
  • 「最重要」なものから重要度順に並べる
  • アルファベット順に並べる

重要なのは、正しさ」よりも「一貫性

5章 コメントすべきことを知る

コメントの目的は、書き手の意図を読み手に知らせることである。

コメントするべきでは「ない」こと

コードを読んですぐわかることはコメントに書かない。

// Accountクラスの定義
class Account {
  public:
    // コンストラクタ
    Account();
    // profitに新しい値を設定する
    void SetProfit(double profit);

    // このAccountからprofitを返す
    double GetProfit();
};

自分の考えを記録する

それでは、何をコメントすべきなのか?
優れたコメントとは、「考えを記録する」ためのものである。
コードを書いているときに持っている「大切な考え」のことだ。

コードの欠陥にコメントをつける

コードが未完成の時は、例えば以下のように書いておくと良い

// TODO: JPEG以外のフォーマットに対応する
記法 典型的な意味
TODO: あとで手をつける
FIXME: 既知の不具合があるコード
HACK: あまりキレイじゃない解決策
XXX: 危険! 大きな問題がある

大切なのは、これからコードをどうしたいかを自由にコメントに書くこと。コードの品質や状態を知らせたり、改善の方向性を示したりできる。

読み手の立場となって考える

「全体像」のコメント

新しいチームメンバーにとって、最も難しいのは「全体像」の理解である。
データはどのようにシステムを流れているのかなど、システムを設計した人は、コメントを書かないことが多い。
あまりにも密接にシステムに関わり過ぎているからだ。

そこでファイルやクラスには、全体像に関するコメントを書くと良い。

// (例)
// このファイルには、ファイルシステムに関する便利なインタフェースを提供
// するヘルパー関数が含まれています。ファイルのパーミッションなどを扱います。

要約コメント

関数の内部でも、「全体像」についてコメントするのは良い考えだ。

# 顧客が自分で購入した商品を検索する
for customer_id in all_customers:
  for sale in all_sales[customer_id].sales:
    if sale.recipient == customer_id:
      ...

しかし、コメントがないとコードの途中で意味がわからなくなる(「all_customers」をイテレートするのは、何のために?)

以下のように関数の処理をまとめれば、詳細を調べなくても関数の概要が把握しやすい。

def GenerateUserReport():
  # このユーザーのロックを獲得する
  ...
  # ユーザーの情報をDBから読み込む
  ...
  # 情報をファイルに書き出す
  ...
  # このユーザーのロックを解放する
  ...

6章 コメントは正確で簡潔に

曖昧な代名詞を避ける

「それ」や「これ」が何を指しているのかよくわからないことがある。以下はその例。

// データをキャッシュに入れる。ただし、先にそのサイズをチェックする。

「その」が指しているのは「データ」かもしれないし「キャッシュ」かもしれない。
紛らわしいのであれば、名詞を代名詞に代入してみるといい。

// データをキャッシュに入れる。ただし、先にデータのサイズをチェックする。

あるいは、文章全体を書き換えて「それ」を明確にすることもできる。

// データが十分に小さければ、それをキャッシュに入れる。

関数の動作を正確に記述する

ファイルの行数を数える関数を書いているとする。

// このファイルに含まれる行数を返す
int Countlines(string filename){ ... }

「行」と言ってもさまざまな意味がある。

  • ""(空のファイル)は、0行なのか1行なのか
  • "hello"は、0行なのか1行なのか
  • "hello¥n"は、1行なのか2行なのか
  • "hello¥n world"は、1行なのか2行なのか

最も単純な実装は、改行文字(¥n)を数えるものだ。
この実装に適したコメントは、以下のようになる。

// このファイルに含まれる改行文字('¥n')を数える。
int Countlines(string filename){ ... }

これで改行文字がない場合は、0を返すことがわかる。

コードの意図を書く

以下のようなコードは、コードの動作をそのまま書いてるだけで何も情報を追加していない。

void DisplayProducts(list<Product> products) {
  products.sort(CompareProductByPrice);

  // listを逆順にイテレートする
  for(list<Product>::reverse_iterator it = products.rebigin(); 
      it != products.rend(); ++it;)
      DisplayPrice(it->price);
      ...
}

このコードは直下のコードをそのまま説明しているだけなので、以下のように変えてみる。

  // 値段の高い順に表示する
  for(list<Product>::reverse_iterator it = products.rebigin(); ...)

このプログラムにはバグがあり、CompareProductByPrice関数が、すでに値段の高い順にソートしている。したがって、このコードは作成者の意図に反したものになっている。
そのため、後者のコメントのほうが優れていることになる。

前者のコメントは技術的には正しい(=逆順にイテレートする)。しかし、後者のコメントのほうが作成者の意図(=値段の高い順に表示する)が、実際のコードと矛盾していることに気づきやすい。

まとめ

  • 変数名などには、明確で適切な長さの名前を入れる
  • 最善な名前とは、誤解されない名前である
  • 一貫性を持つことで、より美しいコードが書ける
  • コメントを書くことは、作成者の意図を知らせることにもつながる

参考記事

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

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