はじめに
Exchange Onlineのメールボックス容量が逼迫してきたときの選択肢の一つに、インプレースアーカイブ(オンラインアーカイブ) があります。プライマリメールボックスとは別にアーカイブ用のメールボックスを作り、古いメールをそちらへ退避させる仕組みです。
有効化するだけなら簡単ですが、容量の上限や自動拡張の挙動、ライセンスを外したときの扱いなど、地味に押さえておくべきポイントが多い機能でもあります。自分の理解を整理したので共有します。有効化の具体的な手順(管理センターでの画面操作)は元記事にまとめています。
元記事: [【Microsoft365参考書】インプレースアーカイブ(オンラインアーカイブ)とは?]
インプレースアーカイブの基本動作
インプレースアーカイブを有効にすると、プライマリメールボックスとは別にアーカイブメールボックスが作成されます。手動でアイテムを移動できるのはもちろん、既定のアイテム保持ポリシーにより、作成日または受信日から2年経過したアイテムは管理フォルダーアシスタントの実行時に自動でアーカイブ側へ移動されます。
容量はライセンスによって異なり、Exchange Online プラン1相当だとアーカイブ容量50GB、プラン2相当(E3/E5など)だと100GBが基本の枠になっています。
自動拡張アーカイブという上位機能
アーカイブ容量が足りなくなってきた場合、Exchange Online プラン2であれば自動拡張アーカイブを有効にすることで最大1.5TBまで拡張できます。ここでのポイントは以下の通りです。
- 有効化はPowerShellでのみ可能(管理画面からは不可)
- 組織単位(
Set-OrganizationConfig)、ユーザー単位(Enable-Mailbox)どちらでも有効化できる - アーカイブの使用量が90GBを超えたタイミングで初回拡張が走り、以降は50GBずつ追加されていく
- 一度有効化すると無効化はできない
- 初回拡張までに最大30日かかることがある
「容量が心配だから念のため」で気軽に有効化すると後戻りできない点は、運用ルールとして事前に共有しておいたほうが良さそうです。
ライセンスを外すとどうなるか
インプレースアーカイブを有効化した状態でライセンスを剥奪した場合、アーカイブ内のアイテムがすぐに消えるわけではないものの、ライセンス要件を満たさない状態になるため動作保証の対象外になります。Kioskプランへの変更でも同様の扱いになるため、退職処理などでライセンスを外す際は注意が必要です。
なお、インプレースアーカイブ自体を無効化した場合は、30日経過後にアーカイブメールボックスのアイテムが削除される動作になっています。
おわりに
インプレースアーカイブは「容量が足りなくなったら有効にすればいい」という単純な話に見えて、自動拡張の不可逆性やライセンス変更時の扱いなど、運用ルールとして事前に決めておくべき点がいくつかあります。有効化の具体的な手順やライセンスごとの容量一覧は元記事に詳しくまとめていますので、導入を検討している方はあわせてご確認ください。