はじめに
去年の話になりますが、2025年7月23日、東京・ANAインターコンチネンタルホテル東京にて、日本オラクル株式会社主催の「SuiteConnect Tokyo 2025」に行ってきました。
https://www.netsuite.co.jp/solutions/fast-growing-businesses/entrepreneurs/events/reports-suiteconnect2025-overview.shtml
NetSuiteにAI機能が組み込まれていくことが発表され、今後はAIとともにさらに発展していくことに非常に期待が高まった記憶があります。
本イベントでは「NetSuite AI Hackathon」という大会も開催されており、こちらにもエントリーしました。
その結果、本アプリで最優秀賞を受賞することができました。
NetSuite AI Hackathon 結果発表
https://nlcorp.app.netsuite.com/core/media/media.nl?id=449110543&c=NLCORP&h=toXBinJwL-1shEcSnRmGnQ3C1Urga9ktSDy4Lnp9Qvl2WErK&_xt=.html
ハッカソンに向けて取り組んだ内容
タイトル:NetSuite操作支援AIアシスタント
NetSuiteを使っていると、「この操作どうやるんだっけ?」と迷う場面が多くあります。
特に非エンジニアにとっては、
- 操作手順が分かりづらい
- マニュアルを探すのが面倒
- 社内に聞かないと分からない
といった課題があります。
そこで今回、SuiteConnect Tokyo 2025 NetSuite AI Hackathonにて、
自然言語で操作方法を教えてくれるAIアシスタントを開発しました。
本記事では、その仕組みと実装内容について紹介します。
処理の流れ
N/llmモジュールを利用しました。
このモジュールはNetSuite上で生成AI(LLM)を利用するためのSuiteScriptで利用するモジュールです。SuiteScriptから直接AIを呼び出し、テキスト生成や対話処理を行うことができます。
処理は以下の流れで動作します。
-
ユーザーが自然言語で質問を入力
(例:「仕訳伝票ってどう作るの?」) -
N/llm.generateText()を使用してAIが回答を生成 -
回答をSuitelet上で整形して表示
-
ユーザーがそのまま操作に移行

https://videohub.oracle.com/id/1_tp7dqwna?width=400&height=285&playerId=54927922
回答例
ユーザー質問:
「仕訳伝票ってどうやって作成するの?」
AI回答:
- トップメニューから「トランザクション > 会計 > 仕訳伝票」を選択します。
- 日付・取引先・金額を入力し「保存」をクリックします。
- ステータスが「承認済み」になると登録されます。
工夫したポイント
1. 文脈管理
会話履歴はPOSTデータ内で保持し、擬似セッションとして扱うことで文脈を維持しています。
一方で、履歴が増えるほどLLMに渡すトークン量が増加するため、直近の会話のみを抽出してプロンプトに含めるようにしています。
2. ChatRoleの使い分け
llm.ChatRole.USER / CHATBOT を使い、どちらからの会話だったのかを維持しています。
[
{ role: USER, content: "仕訳伝票ってどう作るの?" },
{ role: CHATBOT, content: "トランザクションから..." }
]
3. 出力の安定化
temperatureを0.3に設定し、出力のランダム性を抑えることで、回答のブレを防ぎつつ、自然な表現を維持しています。特に操作手順のような正確性が求められる用途に適した設定としています。
4. プロンプト設計
以下の前提を明示しています:
- 日本語で回答
- 初心者向け
- UI操作ベースで説明
これにより、実務で使える回答品質を担保しています。
5. UX設計
Suitelet上で完結することで、
非エンジニアでも迷わず使える設計にしています。
まとめ
今回の取り組みでは、最優秀賞を受賞することができ、NetSuiteの可能性を改めて感じる機会となりました。
特に、
- シンプルな構成でNetsuite内で完結
- 実務に直結する機能
- 分かりやすいUX
を意識した点が評価されたのだと思います。
また、Oracleでは、OCI(Oracle Cloud Infrastructure)を中心に生成AIやAIエージェントなどの機能が提供されており、単なるテキスト生成にとどまらず、業務そのものを自動化する方向に進んでいます。
今後のOracle社の提供する機能を先行して取り組んだことも評価の一環だったのかなと思いました。