1. はじめに ― 前回の続き
前回の「Tinkercadで学ぶ電子工作入門③ タクトスイッチでLEDをON/OFFしてみる」では、タクトスイッチの仕組みを調べました。
4本の端子がどのようにつながっているのか、テスターで電圧を測りながら確認し、最後にスイッチを押すとLEDが点灯し、離すと消灯する回路を作りました。
まだ読んでいない方は、ぜひ前回の記事もご覧ください。
さて、このスイッチを何度も押したり離したりすれば、LEDを点滅させることもできます。しかし、ずっと手で操作するのは大変です。
そこで今回は、人間がスイッチで行っていたON/OFFを、マイコンとプログラムにやってもらいます。
今回もTinkercadを使って、まずはLEDを自動で点滅させてみましょう。
2. TinkercadにArduinoを配置する

今回はArduino Unoというボードを使います。(※TinkercadのコンポーネントのArduino Uno R3 です。)
最初は配線も抵抗とLEDも追加しません。
基板に最初から付いているLEDを使います。
3. ブロックで点滅させる
まずは、赤枠で囲んだ「コード」をクリックします。さらに、もう一つの赤枠で囲んだ「ブロック+文字」を選択してこのような画面構成にします。
初期状態のブロック(黄色の枠の部分)に以下を入力して、点滅動作を作ります。
- 13番ピンをON(高)にする
- 500ミリ秒待つ
- 13番ピンをOFF(低)にする
- 500ミリ秒待つ
- 繰り返す
これで「シミュレーションを開始」で実行します。そうするとまずUSBケーブルが接続されます。これが電源導入の動作で上記ブロックの処理が開始されます。

これだけでArduinoボードのLの横のオンボードLEDが自動的に点滅します。マイコン入門での最初に出てくる通称「Lチカ」という処理です。
前回のタクトスイッチでも、手で押したり離したりすれば同じことができます。
でも、この速さでずっと続けるのは大変ですね。
(いや、挑戦しなくていいですよ。)
4. 数字を変えてみる
500ミリ秒を1000ミリ秒に変更してみます。

点滅がゆっくりになりました。
回路は何も変更していません。
プログラムを変更するだけで、動作を変えられる。
ここが今回のポイントです。
5. ところで、Arduinoって何?
ここまで使ってきたArduino Unoについて、少し説明します。
Arduino Unoは、マイコンを搭載した開発用ボードです。(以下は私自身のかなり使い込んだ実機です。)
マイコンとは、プログラムに従って電気信号を読み取ったり、出力したりする小さなコンピューターです。
Arduino Unoには、マイコンのほかにUSB接続や電源、外部回路を接続するための端子などが用意されています。
Arduinoは、LEDやセンサー、モーターなどを使った電子工作や、アイデアを実際に動かして確かめる 試作(プロトタイプ)に向いています。 世界中で、教育から研究開発、ものづくりまで幅広く利用されています。
今回使用した13番ピンは、基板上のLEDにも接続されています。そのため、外部に部品を接続しなくてもLEDの点滅を試すことができました。
なお、Tinkercadで使用しているArduino Uno R3は、現在では旧世代のモデルです。新しいUno R4なども登場していますが、LEDの点滅や基本的な入出力を学ぶには、R3でも十分です。
Tinkercadでは、このArduino Uno R3の動作をシミュレーションできるので、実物を購入しなくても基本的な実験のシミュレーションを始められます。
6. 今度は外付けのLEDも点滅させてみる
ここまでArduino Unoの基板上にあるLEDを点滅させてきました。
では、前回使ったブレッドボードとLEDを使って、同じことができるでしょうか。
今回はタクトスイッチの代わりに、Arduinoの13番ピンを使ってLEDをON/OFFします。
接続は次のようにします。
Arduino D13 → 抵抗 → LED → Arduino GND
前回と同じように、LEDには電流を制限する抵抗を入れます。また、LEDの向きにも注意します。
配線できたら、Arduinoだけの時と同じように点滅の間隔を確認して設定します。
(※この配線は一例です。ブレッドボード上ではいろいろな配線が出来ます。)
この状態でシミュレーションを開始で実行します。
どうでしょうか。
Arduinoの基板上のLEDだけでなく、ブレッドボードに取り付けたLEDも点滅します。
プログラム自体はArduino単体の時と同じです。
前回では、人がタクトスイッチを押したり離したりしてLEDをON/OFFしました。
今回は、その役割をArduinoにやってもらっています。
人がスイッチを操作していた回路から、プログラムで制御する回路へ。
これが今回試してみたかったことです。
7. おわりに ― 実物でも動かせる
今回はTinkercadを使って、Arduino UnoでLEDを自動点滅させてみました。
ここで、今回登場した用語を少し整理しておきます。
- 13番ピン(D13):Arduinoの入出力端子の一つです。このような端子をGPIO(General Purpose Input/Output:汎用入出力)と呼び、プログラムから電気信号の入力や出力を制御できます。D13は基板上のLEDにも接続されています。
- HIGHとLOW:デジタル信号の2つの状態です。今回の回路では、HIGHにするとLEDが点灯し、LOWにすると消灯しました。
- プログラムの実行:TinkercadではArduinoの動作を画面上でシミュレーションしています。実物のArduinoでは、書き込まれたプログラムを基板上のマイコンが実行します。
実際のArduino Unoを使う場合は、一般的にArduino IDEという開発ソフトを使用してプログラムを書き込みます。
ただし、最初から実物を用意する必要はありません。Tinkercadなら、Arduinoのシミュレーションをすぐに始められます。まずはプログラムを変更したり、部品を追加したりして、いろいろ試してみてください。
実物のArduinoを動かしてみたくなったら、そのときに購入を考えても遅くありません。Arduinoの使い方や開発環境については、公式サイトをはじめ、多くの情報が公開されています。興味があれば、ぜひ調べてみてください。
今後も、Tinkercadを使ったArduinoのシミュレーションについて、面白い実験ができたら紹介していきたいと思います。
ありがとうございます。




