生成AIの技術を学んでいるとよく聞く、RAGという技術について、自分の学びを記載しようと思います!
自然言語処理の分野では、質問応答や文章生成において、Retriever-Augmented Generation (RAG) と呼ばれる技術があります
RAGは、大規模な言語モデルの生成能力と情報検索技術を組み合わせ、質問に対して精度の高い回答を生成するアプローチです。
これに伴い、RAGモデルの性能を正確に評価するためのツールとして、RAGASが開発されました。
本記事では、この評価ツールの特長や使用方法、そして実際の使用例について詳しく説明していこうと思います。
RAGASとは?
RAGASは、RAGモデルの出力結果を多角的に評価するためのツールです。
RAGのプロセスでは、まず情報検索エンジンが関連する文書を取得し、その後言語モデルがその文書を参照して回答を生成します。
RAGASは、モデルの性能を、検索の精度や生成された回答の品質を基準に総合的に分析します。
どうしてRAGが必要なのか
RAGは、質問応答や文章生成タスクにおいて、より正確で情報に基づいた回答を提供するために必要です。
通常の言語モデルは、トレーニングされたデータ内の知識だけで回答を生成しますが、動的な情報や新しい知識に対しては限界があります。
RAGは、この制限を補うために、質問に関連する外部データをリアルタイムで検索し、その情報を元に言語モデルが回答を生成するという仕組みを導入します。これにより、最新の情報に基づいた正確な回答が可能となり、特にFAQシステムや専門的な知識が必要なタスクにおいて重要になります。
RAGの仕組み
大きく2つのステップに分かれます。
まず、質問が入力されると、情報検索エンジンが、事前に用意されたデータベースや文書コレクションから関連する文書を検索します。
次に、検索された文書を基に、言語モデルがその文書を参照して回答を生成します。この際、言語モデルは単にデータベース内の情報を返すだけでなく、その情報を統合・生成するため、自然で文脈に沿った回答が得られます。
RAGは、検索と生成を組み合わせることで、最新かつ信頼性のある情報に基づいた回答を提供する仕組みです。
RAGASの特徴
RAGASの主な特長は、以下の3点です。
①検索精度の評価
RAGASは、情報検索エンジンがどれだけ適切な文書を取得できたかを評価します。これにより、検索プロセスそのものの性能を明確に分析できます。
②生成品質の評価
言語モデルによって生成された回答の正確さや自然さを評価します。正しい情報が含まれているか、文法的に適切か、回答が質問に対して適切かなど、多角的な基準で生成結果を評価します。
③総合評価
RAGASは、検索プロセスと生成プロセスを統合的に評価し、RAGモデル全体のパフォーマンスを測定します。これにより、検索と生成のどちらがボトルネックとなっているかを特定しやすくなります。
まとめ
RAGASは、RAGモデルの性能を包括的に評価するための強力なツールです!
検索精度と生成品質の両面からモデルを評価し、結果を自動的にレポートすることで、研究者や開発者が効率的にモデルの改善点を特定できるようにします。今後、RAG技術がさらに普及する中で、RAGAは多くの場面で導入されていくと考えます