はじめに
2025年 AWS Community Builders Program
において、「AWS Community Builder」に選出いただきました。
カテゴリは、「Dev Tools」です。
まさか選出されるとは思っていませんでしたので、とても驚きました。
この記事は、自身の記録とこれからAWS Community Builderを目指す方の参考になればと思い書きました。
最初に断っておきますが、私はAWS Community Builderになるという明確な目標を立てて活動しておりませんでした。継続していた活動の結果として選出いただけました。そのため、具体的な目標の立て方などは参考にならない可能性があります。
AWS Community Builders Programとは
まず「AWS Community Builders Program」とは、どのようなものでしょうか。
※すでに理解している方は、この部分を読み飛ばしてかまいません。
AWS Community Buildersのページには、このような説明があります。
AWS コミュニティビルダーズプログラムは、知識の共有や技術コミュニティとの連携に熱心な AWS 技術愛好家や新興のソートリーダーに、技術リソース、教育、ネットワーキングの機会を提供するプログラムです。
要するに、「AWSが好きでAWSの良さ、自身の知見を熱心に伝えた実績がある」ということをAWSが公式に認めた人物であるということでしょうか。
似たような表彰制度に、「Japan AWS Ambassadors」や「Japan AWS Top Engineers」があります。
こちらは日本独自の表彰制度であり、AWS Partner Network (APN) に参加している会社に所属している
必要があります。
それに対して、「AWS Community Builders」にはそのような条件はありません。
18歳以上であれば誰でも申請できます。選出範囲は「グローバル」です。
2024年時点で日本のビルダーは何人いるか?
2025年3月8日時点で登録されているのは、全体2,141人のうち、114人で 5%程度となっています。
2020年からの認定人数(全体と日本)と日本の割合をグラフにするとこのようになっています。
具体的な審査条件は何か?
具体的な条件や判断基準が示されているわけではありませんが、「よくある質問」には以下の4つの回答があります。
- 年1回の応募審査がある
- ブログ投稿、ビデオ、オープンソースへの貢献、プレゼンテーションなど、他の AWS に特化したビルダーを支援する技術コンテンツの証拠と精度が重視される
- AWS re:Post、Stack Overflow、Reddit 等への投稿など、オンラインでの知識共有も考慮される
- リンクは一般の方が閲覧可能であること
詳しくは、こちらの記事を読むと理解が深まるのではないでしょうか。
どのように申請するか?
まず、こちらのウェイティングリストに登録しておくと、次の申請受付開始時にメールで通知がきます。
具体的には、「🔥The AWS Community Builders application is now open!」という件名でメールが来ました。
Xでも告知されます。(事前に、@awsdevelopersをフォローしておくとよいでしょう)
申請受付開始のメールが来たら、Webフォームに記入して申請します。
2点注意事項があります。
1.締め切りの日時は アメリカ太平洋時間(UTC-8)
です。
2025年の申請受付期間は、1月7日からですが、終了はmidnight Pacific time(UTC-8:00) January 20th, 2025
となっており、1/20深夜(midnightは一日の始まり0:00)ということなので、日本標準時(JST)にすると2025年1月20日 17:00(午後5時)
となります。
あまりギリギリにならないように前日までには申請することをお勧めします。
2.英語で申請します。
日本語で原稿を作成して、翻訳ツールを使用して記入すればよいので難しくはありません。(多少は読めたほうが、翻訳された文章をチェックできます)
2025年の申請で長文で記入しなければならないのは、①最大2,000文字と②最大2,500文字の2か所ありました。
応募時点の実績
AWSの経験
- 2014年:AWSを利用した開発案件に関わるが、アプリケーション開発だったのでAWSインフラには関与していない
- 同年:全文検索エンジンApache SolrをEC2で稼働させる環境構築を初めて行う
- ~2021年:自己学習のみ
- 2021年以降:AWSクラウドエンジニアのリードとして案件に関わる
やっていたこと(2022年~)
-
Zennでの記事発信
- 主に社内勉強会向けの各AWSサービスの初心者向け解説記事(月1~2本、合計50本程度)
- たまに、実例のコード(半年に1本くらい、合計5本)
-
GitHubでの公開
- 主にAWS CDKを使ったAWSインフラ構築のコード(20パターンくらい)
- Lambdaで使えそうなPythonのコード(数本)
- Zennの記事と同じものをGitHub Pagesとして公開
やっていないこと
- 外部登壇
- コミュニティ運営やそのサポート
- 熱心なSNS(主に、X)投稿
申請フォームを記入するときに気を付けたこと
2つの長文記入欄で気を付けたのは次のとおりです。
1. 経歴と活動内容の具体化
これまでのAWSやAWS以外の経歴も含めて、具体的な役割と社内外での活動を示し、それらをどのようにしてAWSコミュニティに還元できるかを記載しました。私の場合は、英語が堪能ではないので、「日本で」と強調しました。
2. 実例説明の明確化
これまで構築した実例の説明では、以下を明確に説明しました。
- 解決しなければならなかった課題、解決しないとどのような問題があるのか
- 構築内容の具体的な説明と、課題解決のために工夫した点
- 構築から学んだこと(効率的なAWSサービスの組み合わせ、本番運用を想定した実装の重要性など)
共通して言えること:数字を含める
どちらの記入欄でも数字を含めるよう心がけました。例えば次のようなものです:
- 技術ブログやGitHubリポジトリでいえば投稿数や閲覧数を示す
- 勉強会の開催であれば、開催数や参加人数(実人数、大きく見せるなら延べ人数)を示す
- 構築事例であれば、課題や効果の中で数字で表せるものは数字で示す
審査結果通知
メールで通知されます。2025/3/5(火)10:34に受信していました。
「🚀 Welcome to the AWS Community Builders Program」という件名であれば無事に認定されたということではないでしょうか。
メール本文には、選出されたカテゴリやカテゴリリーダーなどが記載されています。
Your category: Dev Tools
Your category leader(s): XXXXXXXXXXXX
Your regional community manager: XXXXXXXXXXXX
その後、NDAに関するメールが24時間以内に送信されてきます。しかし、実際に送付されたのは「3月7日(金) 1:22」でした。初めての選出でしたので、本当に送られてくるのかドキドキして1日中、気になってしまいました。
さいごに
いかがでしょうか?
外部登壇実績や書籍執筆など輝かしい実績はありませんが、結局はAWSが好きで、コツコツ熱意をもってやっていることが重要なのではないでしょうか!
ただし、完全に無計画では重い腰は上がりません。まずは月1回から。例えば「第一○曜日に投稿する!」という目標を設定してみてはいかがでしょうか。(第一週という指定でもよいですが、期間が長いと後回しになりがちです)
そして、最後は「文章での表現の仕方」が必要になってきますが、これについては文章の書き方についての書籍や、会社であればマネージャーなど経験豊富な方にレビューをお願いしながら学ぶという方法もあります。
AWS Community Builderを目指す方へのエール:
ボーイスカウトのモットー「そなえよつねに」を送ります。
- 何事に対してもいつでも必ずやり通すという準備を常にしておく
- 準備のために日頃から訓練をしておく
- 普段からの準備大事。やれることはやっておく。
小さな一歩からでも、自分の知識や経験をコミュニティに還元していくことで、いつか道は開けるはずです。皆さんの挑戦を応援しています!