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Claude Code × OpenSCAD × 3Dプリンターで、憧れの3Dプリンター住宅を施工してみた

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Last updated at Posted at 2026-06-13

3Dプリンター住宅に憧れたので、まずはClaudeCode×3Dプリンターで施工してみた

この記事でやること
Claude Code + OpenSCAD で設計 → Bambu Lab P1S で PLA 中空シェルを印刷 → 針金で配筋 → 軽量粘土を充填 → 竣工。
コンクリート3Dプリント建築(大林組 3dpod)の工程を、机上で 1/30 スケール再現する試みです。

はじめに

最近、建設テック(ConTech) に取り組んでいるなかで、気になっていた建設3Dプリンティング技術について調べてみた。

建設3Dプリンティングとは

建設3Dプリンティング(Construction 3D Printing)とは、大型のロボットアームやガントリー型の装置にノズルを取り付け、コンクリートや特殊モルタルを層状に積み上げていく建築工法だ。

従来の工法では、型枠を組んでコンクリートを流し込み、養生後に型枠を解体する。
この工程に多くの人手と時間がかかる。

建設3Dプリンティングはこれを自動化し、データさえあれば複雑な曲面形状も直接施工できる。

news20220610_1_01.png


前々からメディアにも取り上げられていて、なんとなくご存知の方も多いかもしれない。

独特な造形や、施工技術、近未来感にわくわくを感じ「いつか住んでみたいな」と漠然と思っていた時期もありました。

いや、いつかではだめだ!

ということで、実際に作ってみようと思います。

ただ、いきなり本物のコンクリート3Dプリンターで家を建てるには、いろいろ足りない。

土地がない。建築士資格もない。コンクリートポンプもない。近隣説明会を突破できる気もしない。

なので今回は、手元にある 3Dプリンター Bambu Lab P1S を小規模ゼネコンとして稼働させ、机の上で「3Dプリント建築っぽいこと」をやってみることにした。

今回やること

今回のテーマは、単なる住宅模型づくりではなく、できるだけ実際の3Dプリント建築っぽく、工程を寄せてみることにした。

本物の建設現場と今回のミニチュアを対応させると、こんな感じになる。

本物の3Dプリント建築 今回のミニチュア
コンクリート3Dプリンター Bambu Lab P1S
3DP製打込み型枠 PLA中空シェル
鉄筋 Φ0.5mm針金
スリムクリート等の充填材 百均の軽量粘土
現場施工 机上施工
現場監督 たまに様子を見る自分

参考にした考え方:3dpodっぽい構成

大林組の 3dpod では、3Dプリンターで中空の型枠を造形し、その内部に鉄筋を配置して材料を充填する。

「印刷したものを最終部材にしつつ、型枠としても使う」という考え方がめちゃくちゃ面白い。

普通の3Dプリント模型なら、家の形をそのまま全部出力すればいいが、今回は工程をできるだけ本物っぽくするために、

  • 外壁だけをPLAで出す
  • 中は空洞にする
  • 配筋用の穴を残す
  • 後から材料を充填する

という構成にした。

ツールチェーン

Claude Code
  ↓  OpenSCADコード生成・修正
OpenSCAD
  ↓  STL出力
Bambu Studio
  ↓  スライス
Bambu Lab P1S
  ↓  印刷
机の上
  ↓  配筋・充填・屋根施工
竣工

今回は、CADソフトをゴリゴリ触るのではなく、ClaudeCodeを使い、OpenSCADでコードとして形状を定義した。

CleanShot 2026-06-12 at 20.31.36@2x.png

ClaudeCodeでOpenSCADを操作できるので、「壁厚を7mmにする」「配筋穴を2.8mmにする」「ドア位置を少しずらす」といった修正が、自然言語からそのままコード変更に落ちる。

3Dモデリングのハードルが本当に下がって、これまでCADを扱える人だけに閉じていた設計のプロセスが、少しずつ民主化されてきているように感じる。

これは、ものづくりの入口をかなり広げる変化だと思う。

設計仕様

スケールは 1/30

項目 模型寸法 実物換算
壁高さ 100mm 3,000mm
壁厚 7mm 約210mm
ドア高さ 約67mm 約2,000mm
配筋穴径 Φ2.8mm 約84mm
針金径 Φ0.5mm 約15mm

配筋穴は実物換算だとかなり太い。ただし今回は、針金を通すだけでなく、軽量粘土が入り込んで固定される余白もほしかったので、穴径は少し大きめにした。

机上基準法では適合。

形状:ポッド住宅にする

CleanShot 2026-06-13 at 13.04.44@2x.png

せっかく3Dプリンターで作るなら、四角い箱ではもったいないので、楕円をベースに少し歪ませた、有機的なポッド形状にした。

function organic_r(a) =
    1
    + 0.10 * sin(2*a - 20)
    + 0.06 * sin(3*a + 80)
    - 0.04 * cos(a + 10);

中空壁の実装

壁の断面は、外形から壁厚ぶん内側をオフセットして差し引く。

module wall_xsection2d() {
    difference() {
        footprint2d();
        offset(delta = -wall_thick)
            footprint2d();
        rebar_holes2d();
    }
}

配筋穴は2D断面で抜く

最初は3D円柱で後から引こうとしたが、曲面壁に対して穴がスリット状になった。先に2D断面で円を抜いてからZ方向に押し出すと、縦方向にまっすぐ通る真円の縦穴になる。

module rebar_holes2d() {
    for (a = [10, 35, 70, 105, 145, 185, 225, 265, 305, 340]) {
        translate(inward_from_outer(a, REBAR_INSET))
            circle(d = REBAR_D, $fn = 28);
    }
}

3Dプリンターは正直である。雑な設計は、雑に現物化される。
※全部ClaudeCodeがやってくれました。

Bambu Studio の設定

P1S は標準の 0.4mm ノズルで印刷。

項目 設定値
Printer Bambu Lab P1S
Nozzle 0.4mm
Filament PLA グレー
Layer height 0.20mm
Wall loops 2
Top shell layers 0
Bottom shell layers 3
Sparse infill 15%
Support なし

CleanShot 2026-06-12 at 23.46.45@2x.png

Top shell layers = 0 について

これを0にすることで、壁の上面が開いた状態になり、印刷後に軽量粘土を充填できる。Bambu Studio は警告を出すが、意図的な設定なので無視する。

印刷

Bambu StudioでスライスしたSTLをP1Sに送り、実際に印刷。

5~6時間ほどかかるので、あとはP1Sに任せて監督は家に帰って寝ます。

CleanShot 2026-06-13 at 13.07.22.png

配筋

翌朝、ビルドプレートの上には無事にPLA製の壁が立ち上がっていました。

IMG_6591.jpg

印刷後、配筋穴に Φ0.5mm の針金を挿入。

本物の鉄筋のように構造計算されたものではなく、あくまで「配筋っぽい工程」の再現です。

IMG_6594.jpg

充填

百均の軽量粘土を少し柔らかくして、壁の中に充填していく。

本当は石膏を水で溶いて流し込む予定でしたが、百均にありませんでした…

IMG_6601.jpg

粘土をチューブから絞り出している様子は、かなり生コン打設っぽい。
見た目は完全にホイップクリーム。

充填後はヘラでならし、上面をフラットに。

指で押した感じ、少し強そう。構造計算はしていない。

屋根施工

今回の屋根材はダンボール。在来工法である。

つまり、手で切って乗せた。

IMG_6605.jpg

これはこれで味がある。

次回は屋根もOpenSCADで別パーツとして設計し、勾配屋根や軒を作ってみたい。

竣工

最終的に、PLA製の中空シェルに針金を入れ、軽量粘土を充填した小さな3Dプリント住宅が完成した。

IMG_6609.jpg

まとめ

フェーズ 本物 今回
設計 BIM / 専用CAD Claude Code + OpenSCAD
型枠製造 コンクリート3Dプリンター Bambu Lab P1S(FDM)
配筋 D10鉄筋 Φ0.5mm針金
充填 スリムクリート 軽量粘土
屋根 別途設計・施工 ダンボール

今回やってみて感じたのは、3Dプリント建築の本質は「家を一発で印刷すること」ではなく、設計データ、材料、施工順序、補強、検査までをどうつなぐかにあるということでした。

これまで職人の経験や現場の段取りに閉じていた一部の工程が、少しずつデータ化され、自動化され、再現可能になっていく。

そこに建設3Dプリンティングの面白さがあると思う。

今回は、Bambu Lab P1SでPLAの中空シェルを出力し、針金を入れ、軽量粘土を充填しただけの小さな実験だった。

本物の建築とは、材料もスケールも責任もまったく違う。

それでも、データから形が生まれ、形に手を加え、少しずつ「建築っぽいもの」になっていく過程には、わくわくを感じた。

また、AIによって、ソフトウェアだけでなく、ハードウェアやものづくりのハードルも確実に下がっていると感じた。

CADを完璧に扱えなくても、Claude Codeに自然言語で指示し、OpenSCADのコードを修正し、実際に3Dプリンターで出力できる。

これまで専門的な知識や設備が必要だったものづくりが、少しずつ個人や小さなチームにも開かれてきている。


自分たちは現在、建設業向けのAI開発や業務効率化の支援を行っています。

図面、見積、現場管理、発注、書類作成など、建設業にはまだまだAIやソフトウェアで変えられる余地が大きい。

一方で、今回のように実際に手を動かしてみると、画面の中だけでは分からない面白さもある。

材料に触れる。
形が立ち上がる。
思った通りにいかない。
でも、少しずつ現物になっていく。

やっぱり、ものづくりは楽しい

将来的には、AIやデジタル技術を使って業務を効率化するだけでなく、自分たちでも実際に家や施設を建ててみたい。

小さな住宅、宿泊施設、オフィス、サウナ、地域の拠点。

そういうものを、設計から施工、運用まで、できるだけ自分たちの手で作ってみたい。

今回の机上施工は、そのかなり小さな第一歩になったのではなかろうか。

まずは、倒壊しないペン立てからである。


使用ツール: Claude Code / OpenSCAD 2026 / Bambu Studio / Bambu Lab P1S
参考: 大林組 3dpod

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