1.はじめに
こんにちは。この度、AWS SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)とGCP ACE(アソシエイトクラウドエンジニア)の両方を取得することができました。
この記事では、実務経験がほぼゼロに近い初心者の立場から、両資格の学習体験や感じた違いについてお話しします。
「どちらの資格から始めるべき?」「難易度はどう違うの?」といった疑問を持つ同じ境遇の方の参考になれば幸いです。
筆者のスペック
- エンジニア歴:約6か月
- 保有クラウド資格:AWS認定 Cloud Practitioner
- クラウド実務経験:なし
2.AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA-C03)について
資格概要
AWSクラウド環境でのシステム設計・構築スキルを証明する資格です。具体的には、AWSの主要サービスを理解し、ビジネス要件に基づいて適切なアーキテクチャを設計・実装できる能力を評価します。
参考:https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-solutions-architect-associate/
学習方法と学習期間
学習期間: 約3ヶ月(平日約1時間、休日約2~3時間)
使用した教材
1.書籍
- 「AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト教科書 試験番号SAA-C03」
基礎知識の習得に最適。初心者にはまずこの一冊から!
2.動画教材
- Udemy「AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト試験突破講座」
AWSの無料利用枠の説明もあり、実際の画面を見ながら学習できるのが良かった
※多くのセクション数があるため、憂鬱にならない程度に流し見するも良し
また、後述の問題集で間違えやすいリソースをピックして、この動画で復習するも良し
URL:https://www.udemy.com/course/aws-associate/?couponCode=MT240725JP
3.問題集
- Udemy「【SAA-C03版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)」
豊富な問題数、解説が丁寧、問題等の更新があった際にはしっかり対応してくれる
URL:https://www.udemy.com/course/aws-knan/?couponCode=MT240725JP
- Cloud License
AWS認定試験に特化している、豊富な問題数、合格体験記を参考にできる
URL:https://cloud-license.com/
利用料金の詳細:https://cloud-license.com/paid-membership-registration/
学習で苦労した点
- 初心者には馴染みのない用語が多い(VPC、サブネット、ルートテーブルなど)
- サービス同士の関係性を理解するのに時間がかかった
- 「なぜそのサービスを選ぶのか」の判断基準を身につけるのが難しい
取得して感じたこと(初心者目線)
AWS SAAを取得して一番感じたのは、クラウドに対する見方が変わったことです。
それまで「よくわからない便利なもの」だったクラウドが、「こういう仕組みで動いている明確なサービス群」として理解できるようになりました。
また、アーキテクチャ思考が身についたのも大きな収穫です。
「単にサーバーを立てる」のではなく、「可用性・拡張性・セキュリティを考慮してどう設計するか」という視点で考えられるようになりました。
3. GCP ACE(アソシエイトクラウドエンジニア)について
資格概要
目標となるパフォーマンス指標を確実に達成するため、アプリケーション、サービス、インフラストラクチャのデプロイと保護のほか、複数プロジェクトの運用のモニタリング、エンタープライズ ソリューションの管理を行います。また、パブリック クラウドとオンプレミス ソリューションの実務経験があり、デプロイ済みソリューションの管理とスケーリングのための一般的なプラットフォームベースのタスクを、Google Cloud 上で Google マネージド サービスまたはセルフマネージド サービスを活用して実行することができます。
参考:https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-engineer?hl=ja
学習方法と学習期間
学習期間: 約1ヶ月(平日約2時間、休日約2時間)
使用した教材
1.書籍
- 「(模擬問題付き)徹底攻略 Google Cloud認定資格 Associate Cloud Engineer教科書」
Google Cloudの各サービスや技術について丁寧に解説。合格に必要な基本知識がしっかりと身に付く!
2.問題集
- Cloud License
合格体験記を参考にできる、試験範囲の問題内容が網羅されている
URL:https://cloud-license.com/
利用料金の詳細:https://cloud-license.com/paid-membership-registration/
学習で苦労した点
-
AWSとの概念の違い:同じ機能でもサービス名や設定方法が異なる
(EC2→Compute Engine、RDS→Cloud SQLなど) - gcloudコマンドの習得:GCPはCLI操作が重要で、コマンドの種類や構文を覚えるのに苦労
- IAM(Identity and Access Management)の概念:AWSと似ているようで微妙に違うアクセス制御の考え方
- Kubernetesの基礎知識:GKE(Google Kubernetes Engine)関連の問題で、コンテナオーケストレーションの理解が必要
- 日本語情報の少なさ:AWSと比べて日本語の学習リソースが限定的
取得して感じたこと(初心者目線)
GCP ACEを取得して最も印象的だったのは、実践的なスキルが身についた実感です。
AWSが「設計思考」を重視するのに対し、GCPは「実際にどう操作するか」に重点が置かれているため、資格取得後すぐに業務で活用できる知識が多く身につきました。
また、Googleらしいシンプルで直感的なアプローチに触れることで、「技術は複雑である必要はない」という新しい視点を得られました。
特にAI/MLサービスの敷居の低さには驚き、これまで「高度で難しいもの」と思っていた機械学習が、実は身近な技術だと感じられるようになりました。
4. AWS SAAとGCP ACEを比較して感じた違い
試験の難易度と出題傾向
項目 | AWS SAA | GCP ACE |
---|---|---|
難易度 | やや難しい | 標準的 |
出題傾向 | 設計・アーキテクチャ重視 | 実装・運用重視 |
問題の特徴 | シナリオベースの長文問題が多い | 実際のコマンドや手順を問う問題が多い |
求められるスキル | 設計思考・判断力 | 実践的な操作スキル |
初心者目線での感想
- AWS SAAは「なぜその設計にするのか」を深く考える必要がある
- GCP ACEは「どうやって実装するのか」の具体的な手順を重視
- どちらも初心者には十分チャレンジングだが、GCP ACEの方が若干取り組みやすい印象
サービスの思想・特徴の違い
AWS(Amazon Web Services)
- サービス数が圧倒的に多い(300以上)
- 細かく機能が分かれており、組み合わせの自由度が高い
- 多機能だが、その分複雑さもある
- エンタープライズ向けの機能が豊富
GCP(Google Cloud Platform)
- サービス数はAWSより少ないが、厳選されている
- Googleらしいシンプルで直感的なUI/UX
- AI/MLサービスが特に強力
- 開発者フレンドリーな印象
初心者としての学習しやすさ
個人的には、GCPの方が初心者には優しいと感じました。
UIがシンプルで、ドキュメントも分かりやすく、無料でできるハンズオンも豊富です。
学習リソースの豊富さ
*AWS
- 日本語の学習リソースが豊富
- 書籍、動画、問題集など選択肢が多い
- コミュニティも活発
- ただし情報が多すぎて、どれを選べばいいか迷うことも
*GCP
- 学習リソースはAWSほど多くない
- 公式ドキュメントの質が高い
- 日本語リソースは限定的
5. 初心者エンジニアへのアドバイス
どちらの資格から取得すべきか
AWS SAAから始めることをお勧めする場合:
- 現在の職場でAWSを使用している
- エンタープライズ系の企業を志望している
- アーキテクチャ設計スキルを重視したい
- 学習リソースの豊富さを重視する
GCP ACEから始めることをお勧めする場合:
- 現在の職場でGCPを使用している
- AI/ML分野に興味がある
- シンプルで直感的な学習体験を求める
- 実践的な操作スキルを重視したい
学習を続けるためのモチベーション維持
1.小さな成功を積み重ねる
- 毎日少しずつでも学習を継続
- ハンズオンで実際に動くものに触れてみる
2.実務との関連を意識する
- 学んだことを普段の業務でどう活かせるか考える
- 小さなことでも実践してみる
3.目標を明確にする
- 「なぜこの資格を取るのか」を明確にする
- 取得後のキャリアプランを描く
次のステップ
- AWS/GCPのより高度な資格への挑戦
- 実際のプロジェクトでのクラウド活用
- DevOps関連スキルの習得
6. まとめ
初心者の皆さんへのメッセージ
クラウド資格の学習は確かに大変ですが、得られるものは想像以上に大きいです。
特に、「なんとなく使っている」技術を「理解して使える」技術に変えられるのは、エンジニアとしての大きな成長だと感じています。まずは一歩踏み出してみてください
完璧を目指さず、継続することを重視すれば、必ず成果は出ます。
皆さんの学習とキャリアアップを応援しています!