Googleから半導体量子コンピュータ関する大きな発表はありました。
要約:
この動画「Quantum Echoes: Towards real world applications」は、Google Quantum AIチームが発表した、世界初の「検証可能な量子優位性(verifiable quantum advantage)」のデモについて紹介しています。
- GoogleのWillow量子プロセッサを使い、新開発の「Quantum Echoes」アルゴリズムを実行。これは従来のスーパーコンピュータより13,000倍も高速。
- アルゴリズムは「アウト・オブ・タイム・オーダー・コリレーター(OTOC)」を計算し、他の量子コンピュータや自然界でも検証できる再現性があるのが特徴。
- この技術により、分子構造の解析にも応用できることが実験で確認されており、今後はNMR(核磁気共鳴法)補完や創薬・材料研究など、現実世界への応用が期待されています。
- チームは、「5年以内に量子コンピュータでしか実現できない本格的な実用アプリケーションが登場する」と楽観的に語っています。
要するに、Google Quantum AIが実験で量子コンピュータの現実的な有用性に一歩近づいたことを示す内容です。
プログラミング
Go言語
概要:
Goのエラーハンドリングを簡略化するために「try」というライブラリを作成し、使用方法や内部実装について解説しています。ライブラリはC言語のsetjmp/longjmpと同様にスタック操作を応用し、実装にはGoのABI仕様を利用しています。ただし、Go公式が保証していない挙動に依存しているため、安定運用には不向きです。この記事では実装上で得られた知見やスタックの挙動についても詳しく述べられています。最後に、Go関連イベントの告知もあります。
感想:
試みとして面白い。ただGo的かと言われると考えてしまう。
Python
概要:
Python開発におけるパフォーマンスの重要性について解説した記事です。Pythonは柔軟で使いやすい一方、インタプリタ型言語特有の実行オーバーヘッドや、CPythonのグローバルインタプリタロック(GIL)があり、特に大規模・高負荷なアプリケーションではパフォーマンスの最適化が欠かせません。記事ではリソース効率、スケーラビリティ、ユーザー体験、クラウドコスト、運用安定性など多角的な視点から最適化の必要性を説明。最適化には、実測とプロファイリングを通じたボトルネック特定と実証的な改善が重要と強調しています。またGILやI/Oバウンド・CPUバウンドの理解、NumPyやpandasのような実績あるライブラリ活用、アルゴリズム選択の重要性も指摘されます。
感想:
長めの記事ですが、Pythonでサーバーサイド開発をされている人は、この記事を確認されるとよろしいかと。
概要:
Pythonは2025年も高い人気を保っており、その理由は多岐にわたります。AIや機械学習分野での優位性、データサイエンスや解析への強み、シンプルで拡張可能な構文、豊富で成熟したエコシステム、活発なコミュニティによるサポート、そして複数分野での汎用性が挙げられています。初学者にも本格的な開発者にも適しており、様々なプロジェクトで活用できるため、多様な開発者層に選ばれ続けています。
JavaScript
GitLab
概要:
GitLab 18.5は、AIを活用した新しいエージェントや直感的なパネル型UI、強化されたセキュリティ機能などを搭載した、今年最大級のリリースです。セキュリティ分析や自動化されたバックログ管理に特化したDuo Agentを導入し、DevSecOps体験を向上。静的到達可能性分析、シークレット検証、C/C++対応の高度なSAST、差分スキャンなどでリスク対応や開発効率を抜本的に改善。主要AIツールのエージェント型ワークフロー統合やセルフホスト対応も強化され、チームの生産性向上とセキュリティ確保を両立したプラットフォームです。
テスト
Testcontainersは、実際の外部サービス(DB等)をDockerコンテナでテスト時に自動起動できるOSSです。記事では、Azure Cosmos DBエミュレータを使った.NET環境の統合テスト例を紹介。セットアップからデータ挿入・検証、終了時のコンテナ破棄まで自動化でき、現実の動作検証と管理の手間削減が両立できる点が強みです。
エージェンティックコーディング・仕様駆動開発
要約:
Microsoft Learn MCP Serverは、GitHub CopilotやAIエージェントがMicrosoft公式ドキュメントの最新情報を取得できるリモートサーバーです。軽量なHTTPストリーム方式でクライアント利用が可能。VS Code等多様な開発環境から導入でき、検索やコードサンプル取得等に対応しています。開発は現在プレビュー段階です。
感想:
MS Learnを調べられるようになるのは結構メリットが大きいです。
AI
Anthropic
要約:
Anthropicは、ライフサイエンス分野での科学的進歩の加速を目指し、AIモデルClaudeの機能強化を進めています。Claude Sonnet 4.5は、研究やバイオインフォマティクスなどの専門的業務で人間並みの高い性能を発揮。Benchling、BioRender、PubMedなど多彩な研究向けコネクタ・ツールとの連携や、科学的プロトコルを自動化するAgent Skillsも追加されました。文学レビュー、仮説生成、データ解析、臨床文書の作成・提出支援など幅広く活用されています。世界の研究機関や製薬企業とも提携し、科学者の業務効率化と新たな発見につなげています。
Microsoft
まぁなんて言うか、事務員を一人抱えた感じですね。それも優秀な。
概要:
Microsoft EdgeのCopilot Modeは、AIを活用してブラウジング体験を大きく進化させる新機能です。従来の「自分で操作する」ブラウザから、ユーザーの行動をサポートし、効率化する「対話型AIブラウザ」へと変化しています。Copilot Modeでは、複数タブをまたいだ情報の整理や要約、行動スケジュールの作成など、手間のかかる作業を自動化できます。また、会話形式の声やチャットでWebページの操作や複雑なアクションの実行も可能です。
さらに「Journeys」機能により、過去のブラウジングプロジェクトを自動的にトピックごとにまとめて、途中で中断しても簡単に再開できます。過去の履歴を活用した高度な提案も行い、ショッピングや旅行計画などを快適にサポートします。プライバシー保護も重視しており、履歴利用はユーザーの明示的な許可が必要で、Copilot Modeはいつでも切り替え可能です。
加えて、AIによるスケアウェアブロッカーやパスワード管理機能によるセキュリティ強化も実現。Copilot ModeはWindows/Mac版Edgeと今後モバイルに対応予定で、今なら一部機能を米国限定の無料プレビューとして体験できます。今後もCopilot Modeの進化が期待されます。
要約:
Microsoft Edgeの新機能「Actions in Edge」は、AIエージェントがブラウザ上でタスクを自動実行する技術ですが、新たな攻撃リスクも伴います。特にプロンプトインジェクションによる悪用の懸念があり、ユーザーの安全確保のために多層防御策を導入。信頼できない入力の制限やSmartScreenによる危険サイト遮断、AIによる挙動監視、感度の高いデータや操作へのアクセス制限など数々の対策を実施中です。今後も業界やユーザーと連携し、リスクや使用例を踏まえて安全性を高めていく方針です。
概要:
Google Earth AIは、災害対応や環境監視など多様な分野で活用できる新たな地球規模のAIサービスです。最新のアップデートでは、「Geospatial Reasoning」により複数の地理AIモデルを統合し、災害の影響を受けやすい地域や必要な支援を迅速に特定可能になりました。また、Google EarthやGoogle Cloudでの利用が拡大し、企業や非営利団体が衛星画像や人口データなどを用いて課題解決できる環境が整いました。今後もパートナーと協力して、公共衛生や危機対応など幅広い分野を支援する予定です。
OpenAI
論文・その他
概要:
RAGは「あいまいで婉曲な日本語」への対応が苦手ですが、DualCSEという手法でこの課題を克服するアプローチが紹介されています。DualCSEは、1つの文章から「文字通りの意味」と「隠れた意味」の2種類のベクトルを生成し、両方で文書検索を実施することで、曖昧な表現も正確に意図を汲み取れるRAGを実現します。従来手法よりも含意認識精度が向上し、特に商談やチャットデータなど、実際のコミュニケーションを含む業務データへの活用に期待されています。今後もこの分野の研究や実装技術が進展する見込みです。
感想:
面白いですね。ただ二つの意味があるときにそれぞれ別のベクトルを持たせる部分が実装上は難しいかなと思いました。
概要:
8か月間にわたり、RAG(Retrieval Augmented Generation)を活用した大規模ドキュメント処理プロジェクト(Usul AIで900万ページ、法律系AIで400万ページ)に取り組んだ経験をもとに、特に成果につながった工夫やリソースの無駄だった点を総括しています。最初はLangchainとLlamaindexにより早期にプロトタイプを完成させたものの、実際の運用では期待した精度に届かず、システム各所を段階的に見直しました。
ROIの高かった施策には、
- LLMでユーザーの履歴全体から複数の意味・キーワードクエリを生成し、並列検索&再ランク付けを行うことで検索範囲拡大とスコア依存の解消
- 再ランク付け(例えば50チャンク入力→15出力)が極めて有効で、設計上の弱点を補う
- チャンク化戦略(独自設計、一つの文やロジック単位で区切ること、語句の途中で断ち切らないことに注力)
- LLMへの入力時にタイトルや著者などのメタデータも渡すことで文脈理解と回答精度向上
- RAGで扱えない質問(要約や執筆者など)はAPI+LLMで引き受けるルーター設計
技術スタックは、ベクトルDB(Azure→Pinecone→Turbopuffer)、独自の文書抽出、Unstructured.ioや独自チャンク化、text-embedding-large-3による埋め込み、CohereやZerankの再ランカー、GPT 4.1/5(Azureクレジット利用)など。これらの知見はMITライセンスのOSS「agentset-ai/agentset」に反映されているとのことです。
感想:
RAGシステムを作る上で極めて実用的なまとめだと思いました。
概要:
コーディングエージェント向け情報検索システムの最新事例を、論文紹介を交え解説。検索では単純な類似度だけでなく、タスクに本当に有益な情報を与えることが重要とされる。実験から、必要なコンテキスト量や種類は課題ごとに異なり、多すぎる情報は精度を下げる場合もあると判明。加えて、ソフトウェア分野では単なる文書検索でなく論理構造を考慮した手法が効果的。最近では知識グラフを活用したAIエージェント間連携も提案され、より高度な検索精度が期待されている。
概要:
本記事は、コード生成技術の進展がソフトウェアの価値に与える影響について述べています。従来、開発者は時間や労力を削減するため有償ライブラリやオープンソースフレームワークを利用していましたが、生成AIの進化により、必要な機能を短時間でカスタム実装できるようになっています。その結果、パッケージ化されたソフトウェアやライブラリの価値が減少し、「既製品を購入するより自作するほうが早く安い」という状況が生まれています。また、ライブラリ選定やアーキテクチャ検討のプロセスもモデル任せで効率化されつつあり、開発現場では既存ソリューションの置き換えが加速しています。今後は、より多くのコードがオンデマンド生成され、既存製品や共通基盤への依存が減少し、開発やビジネスの在り方が大きく変わることが予想されます。
クラウド
Azure
OS
Windows
概要:
Windows 11 Insider Preview Build 27975(Canary Channel)は、参加者向けに一般的な改善や不具合修正が含まれています。特にタッチキーボードやWindows Hello、設定アプリの問題が修正されています。既知の不具合としてスタートメニューやスリープ機能の問題があります。Canary Channelのビルドは開発初期段階であり、今後変更される可能性があります。