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プログラミング雑記 2025年10月20日

Last updated at Posted at 2025-10-19

ポッドキャスト版

品質が高いコードとは、単にバグが少ない、テストを整備している、新技術を使っていることではなく、「要求事項をどれだけ満たしているか」が本質です。ISOなどの規格でも、品質は事前に定められた要求を満たす度合いで評価され、実装や開発プロセスに明確な要求事項があることが大前提です。また、求められる品質は製品品質と業務品質に分かれ、実際にコードの品質向上には業務品質の改善が不可欠です。業務上でもプロセスを整備し要求事項を文書化・明確化することで、高品質が達成されます。さらに、コードレビューもプロセスとして要求事項に基づいて実施され、個別最適の技術ではなく組織的なプロセスとして品質が維持・向上されます。つまり「品質が高い」とは、明確化された要求事項に対してプロセスを構築し、それを継続的に満たしている状態を指します。

プログラミング

Go言語

Go言語によるサービスを高速化するために筆者が実践した10のテクニックを紹介。推測ではなくpprofによるプロファイリングを徹底し、bytes.Bufferやsync.Pool活用、スライスの事前容量確保、無制限なゴルーチンの抑止、リフレクション回避、高頻度ループ処理のインライン化、GOMAXPROCSの実測調整、監視メトリクス追加など現場で有効だった具体策を解説。これらの手法により、サービスのレイテンシやメモリ効率が劇的に改善し、チーム内トップの速度を実現した体験談です。

Go開発でタイムゾーンを信頼せず、時刻データは常にUTCで管理・保存し、表示時のみローカル変換することが推奨されています。サマータイムや各地の複雑なタイムゾーンの影響による不具合を防ぐためであり、時間の間隔処理にはtime.Durationを使用。さらにテスト時は現在時刻やタイムゾーンを抽象化し、安定したテストを実現するのがベストプラクティスです。

Goのインターフェースは抽象化に便利だが、間接参照やヒープ割り当てが発生しやすく、性能が低下する「隠れたコスト」がある。高負荷な場合は具体型の使用やプロファイリングによる最適化が推奨される。

この記事はGo言語による分散システム向けゴシッププロトコルの実装ガイドです。ゴシッププロトコルは、各ノードがランダムな仲間と情報を交換し、クラスタ全体へ効率的に健康状態や更新情報を伝播します。主要パラメータ(ファンアウト、周期、バッファサイズ)や伝播戦略、実装上の工夫(API化、仲間選択アルゴリズム等)について解説し、Goでのサンプルコードを通じて高可用・高拡張性システムへの応用方法を紹介しています。

このMedium記事は、Golangで数百万~千万件規模のTTL付きエントリを効率的に期限切れ処理する方法を紹介しています。従来の全件走査(O(n))はスケールせず、レイテンシやCPU負荷が増大します。それに対し「タイミングホイール」方式は、エントリを期限ごとにグルーピングし、該当バケットだけを処理することでO(1)に近い効率を実現。実際に1,000万件でも高い性能を維持できます。記事では手法の詳細とベンチマーク結果、実装例が紹介されています。

Goの並行処理の主要な仕組み(goroutine、チャネル、mutex、WaitGroup、contextなど)の使い方や、ワーカープールやパイプラインなどのパターンをまとめたチートシートです。実務・面接で役立つように、スレッドセーフなコードやレースコンディション対策、拡張性のある設計まで端的に解説しています。

Python

uvはRust製の高速なPythonパッケージ・プロジェクトマネージャーで、pipやpoetryなど複数の従来ツールの機能を統合し、10~100倍の速度を誇ります。プロジェクト管理はpyproject.tomlで行い、uv.lockによるロックファイルで依存環境を再現、グローバルキャッシュやクロスプラットフォーム依存管理も可能です。主要コマンドはプロジェクト初期化(uv init)、依存追加・削除(uv add, remove)、依存解決・インストール(uv lock, sync)、コマンド実行(uv run/uvx)、ビルド・公開、Pythonバージョン管理など。従来の複数ツール運用をこれ一つで置き換え、シンプルで高速な操作を提供します。

Rust製の高速パッケージマネージャ「uv」とリンター「Ruff」を使い、Python開発環境を劇的に高速化・堅牢化する方法を解説。依存管理・コード品質・CI/CDを統合し、Docker対応も可能。従来ツールよりビルドやチェックが大幅に短縮される

Web

Version Skew問題は、HTMLとJavaScript/CSSなどのリソース世代が不一致となり、エラーを引き起こす現象です。対策にはVercelのSkew Protectionやキャッシュ・バージョニング戦略が有効です。

ツール

lazygitは、Git操作を爆速化するGo製TUIツールです。直感的なUIとキーボード操作で、コミット編集やブランチ管理などを効率的に行えます。ターミナルだけでGUIの利便性も享受でき、カスタマイズも柔軟です。

エージェンティックコーディング・仕様駆動開発

Claude Code Subagentsは、AIエージェントのタスク委任を実現する仕組みであり、各サブエージェントが独立したコンテキストで専門的な処理を担います。READ系タスクでは効果的だが、書き込み系はコンテキスト損失やトークン消費に注意が必要。最小限かつ明確な設定、一意なdescription、巨大コンテキストはファイル委任推奨等、実装上のポイントが多数紹介されています。cc-sdd 2.0 Subagents版の実践知見として、コンテキスト管理と適材適所の運用が重要だと述べられています。

AI

OpenAI

この動画は、OpenAI Codexのコードエディタ統合拡張の使い方を紹介しています。CodexはVS CodeやCursorなどで動作し、コードベースの探索、機能追加、デザインのアイデア出しを支援します。動画内ではボタンのホバー状態追加、タスクのクラウド移行、複数案の試行、クラウドとローカルの連携などを実演。開発工程の自動化や効率化、創造的な作業のサポートが強調されており、Codexの多角的な活用例も紹介されています。

Google

Google AI Studioは、開発者体験向上のために新しいアップデートを実施し、より直感的で統一されたワークフローを提供します。最新AIモデルの切り替えやGemini・GenMedia・TTS・Liveモデルの活用が一つの画面で可能になり、チャットUIも均一化されました。さらに、ホームページの刷新や利用状況のリアルタイム表示、Google Mapsとの連携機能など、創造的な作業や運用管理を支援する機能も強化されています。次週には、アイデアからAIアプリの構築をより高速化する新しい機能も登場予定です。

論文・その他

今週の「考えるAIとどう組むかの実践録」は、最新AI研究のダイジェストを通じて、人間とAIの協働による創造性や意思決定の変化、AIの専門領域での強みと弱点、AIによる感情や対話の影響、そしてAI同士の新語による振る舞い制御について幅広く紹介しています。LLMは簡単な課題では人間の創造力を高めるものの、複雑な課題では負担を増やし創造性を阻害する場合があり、提示情報を絞る工夫が重要です。また急ぎすぎるAIの結論に依存すると、自分で考える力が弱まる懸念もあり、リスクや視点の偏りに気付かせるフレームワークの開発が進んでいます。GPT-5やGemini 2.5 Proは天文学分野で人間を凌ぐ成果を示しつつ、幾何学や空間推論には課題を残します。AIは会話のトーンや感情を精密に処理し、サービスの印象や評価にも大きく影響を与えます。さらに、AI同士が新語を用いて意味を共有・制御する技術も登場。総じて、AIの活用では人間による設計と責任分担、慎重な運用が不可欠であり、成果と安心を両立する関わり方の再考が求められています。

エンジニア

この記事は、Kent Beck氏がFindy主催の「開発生産性Conference 2025」で行った基調講演「開発生産性測定のトレードオフ『グッドハートの法則』はもっと悲観的に捉えるべきだった」の日本語訳全文(前編)です。内容は以下のとおりです。

  • Beck氏は「エクストリームプログラミング」の提唱者で、25年ぶりに来日し講演。
  • ソフトウェア開発生産性向上のための指標活用について、その危険性と本質的な問題を指摘。
  • 「グッドハートの法則」(指標が目標になると、もはや良い指標でなくなる)をテーマに、指標(例:PR数、コード行数など)による圧力が本来の成果を歪めてしまう危険を述べる。
  • 一時的には機能しても、指標を管理手段(コントロールレバー)として使うことで、その有効性も仕組み自体も損なわれる。
  • 単なる「指標のバランス」や複数指標の導入でも問題は解決せず、むしろ混乱を招く可能性。
  • Beck氏自身も開発の定量的測定は肯定するが、それは制御や管理のためではなく、理解・学習・洞察のためであるべきと強調。
  • 本質的な改善のためには、数字で単純に評価する誘惑から脱し、創造性や人間の洞察を重んじる必要がある。
  • 後編では、AI時代の測定・リーダーのアプローチなど更なるテーマが展開される予定。

まとめ:
ソフトウェア開発における「生産性指標」は、制御や管理ツールとして使うと本来の目的を見失い、仕組み自体を壊すリスクがあるため、より深い理解と慎重な運用が必要である、という警鐘が鳴らされています。

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