はじめに
文系大学生ですが、趣味でネットワークについて勉強しています。Cisco Packet Tracerを使った学習中に、予想外のトラブルに遭遇しました。
参考書と生成AIを活用しました。
解決までのプロセスと学んだことを、学習記録として残しておきます。
今回の学習課題
目標: 3台のルーターをOSPFで接続し、端から端までPingを通す
構成:
Router1 ⇔ Router2 ⇔ Router3
使用技術: OSPFプロトコル(エリア0)
学習の進め方
Router1とRouter2の設定を完了した時点で、まず show ip ospf neighbor コマンドで状態を確認しました。
最初に直面した問題
show ip ospf neighbor を実行したところ、Stateは FULL になっていました。

「良かった、うまくいった!」と思って、show ip route で確認したのですが……

OSPFのルート(O)が1行も表示されていません。これはおかしい。
トラブルシューティング開始
ステップ1:基本的な設定を確認
技術書で学んだ基本に立ち返り、以下を確認しました:
✅ インターフェースの no shutdown 設定
✅ IPアドレスの設定(Router2で一部漏れを発見・修正)
✅ network コマンドの設定
しかし、これでも問題は解決しません。
ステップ2:ネイバーテーブルを詳しく見比べる
もう一度、Router1とRouter2の show ip ospf neighbor の出力をじっくり見比べてみました。
Router1の出力:
Neighbor ID Pri State Dead Time Address Interface
10.0.0.2 0 FULL/ - 00:00:39 10.0.0.2 GigabitEthernet0/0
State欄が FULL/ - となっています。
Router2の出力:
Neighbor ID Pri State Dead Time Address Interface
2.2.2.2 1 FULL/BDR 00:00:30 10.0.0.1 GigabitEthernet0/0
State欄が FULL/BDR となっています。
重要な発見: 同じ回線なのに、State表記が違う!
原因の特定
生成AIで調べたところ、これは OSPFのネットワークタイプの不一致 が原因だと判明しました。
何が起きていたのか
Router1の認識:
- この回線は「Point-to-Point型」(2台が直接1対1で繋がっている)
- DR(指定ルーター)の選出は不要
Router2の認識:
- この回線は「Broadcast型」(複数のデバイスが繋がっているネットワーク)
- DR/BDRを選出する必要がある
なぜルートが交換されないのか
同じプロトコルを使っているはずなのに、認識が異なるため、重要なルート情報(LSA)の交換が正しく行われていなかったのです。
それはちょうど、片方が日本語で話しかけているのに、もう片方がフランス語で返答しているような状態です。挨拶はできても、大事な情報は伝わらない。
解決策:ネットワークタイプを統一
Router2のインターフェース設定を修正し、Router1に合わせてPoint-to-Point型に統一することにしました。
Router2(config)# interface gigabitEthernet 0/0
Router2(config-if)# ip ospf network point-to-point
コマンド入力後、すぐにログが流れました:
05:12:03: %OSPF-5-ADJCHG: Process 1, Nbr 2.2.2.2 on GigabitEthernet0/0 from FULL to DOWN,
Neighbor Down on Interface
05:12:03: %OSPF-5-ADJCHG: Process 1, Nbr 2.2.2.2 on GigabitEthernet0/0 from LOADING to FULL,
Loading Done
一度ネイバーが切れ(DOWN)、その後すぐに再確立(FULL)されました。
解決の確認
もう一度、Router1で show ip route を実行します:
O 10.0.1.0/24 [110/2] via 10.0.0.2 ...
ついに、OSPFのルート(O)が表示されました!
最後にRouter1から遠いRouter3へPingを送ると:
Router1#ping 10.0.1.3
Type escape sequence to abort.
Sending 5, 100-byte ICMP Echo to 10.0.1.3, timeout is 2 seconds:
!!!!!
Success rate is 100 (5/5), round-trip min/avg/max = 0/0/0 ms
学んだポイント
✅ 知識として学んだこと
-
ネイバー状態がFULLでも、ルート交換が正常とは限らない
- 「繋がった」と「正しく繋がった」は別物
- State表記の詳細部分(FULL/- vs FULL/BDR)に意味がある
-
OSPFのネットワークタイプについて
- Point-to-Point型:1対1接続で、DR選出なし
- Broadcast型:複数台接続で、DR/BDR選出あり
- 両者は互いに同じ回線上では正常に動作しない
-
トラブルシューティングの重要性
- コマンド出力を「なんとなく見る」のではなく、細部まで確認する
- 2つのルーターの出力を比較することで、不一致に気づける
💡 スキルとして得たこと
- Cisco IOS のコマンド実行と出力の読み取り方
- ネットワーク設定の細かい詳細が全体に与える影響の大きさ
- 問題解決のためのプロセス的な思考法
今後の学習へ向けて
この経験を通じて、「基本を大事にする」「細部に目を配る」「比較して違いを見つける」ことの重要性を実感しました。
ハンズオンで学ぶことの重要性を感じました。
こうしたトラブルシューティングの経験は貴重な学習資産になると感じます。
