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AI駆動開発情報まとめてみた

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目次

  • はじめに
  • AI駆動開発とは
  • タイプ別に見るAI駆動開発サービス
  • 各開発工程でのAI利用
  • AI駆動な開発環境

はじめに

近年、ChatGPTやGitHub Copilotに代表される生成AIの急速な進化により、ソフトウェア開発の現場は大きな転換点を迎えつつあります。コードの自動生成やバグ修正の提案といった、従来は人手に依存していた作業の多くが、今ではAIによって効率化・自動化されるようになりました。これにより、開発スピードの向上だけでなく、柔軟なアイデア試行や品質向上にもつながる可能性が広がっています。

こうした流れの中で注目されているのが、「AI駆動開発(AI-Driven Development)」という考え方です。これは、AIを単なる補助的なツールとしてではなく、開発パートナーとして位置づけ、企画・設計・デザイン・実装・テスト・運用といった開発の全工程にわたってAIを活用していくアプローチを指します。AIが関与することで、より迅速かつ柔軟な意思決定が可能となり、少人数でも高い開発生産性を実現できる体制が整いつつあります。

本記事では、2025年5月時点で利用可能なAI開発支援ツールやサービスを、開発工程別・目的別に整理しつつ紹介していきます。また、「全部盛り」のフル機能環境と、よりミニマルに始められる軽量環境の2タイプを例に、実践的な開発スタイルの一案を提示します。単なるツールのカタログではなく、「どのように使うと効果的か」「どう組み合わせるとより強力か」といった観点を重視しながら構成しています。

想定読者としては、AIを活用した開発に関心を持つ個人開発者や学生、スタートアップのエンジニアを主に想定しています。「AI開発って実際どこまで使えるの?」「何から手をつければよいのか分からない」といった疑問を持つ方にとって、具体的な手がかりとなる内容を目指しています。

AI駆動開発とは

AI駆動開発(AI-Driven Development)とは、AI、特に大規模言語モデル(LLM)や生成系AIを積極的に活用し、ソフトウェア開発の各工程を支援・自動化する新しい開発スタイルを指します。従来の「人が設計し、手でコードを書く」中心のアプローチから、AIとの協働によって発想から実装・運用までを一貫して効率化する流れへと進化しつつあります。

定義と背景

このパラダイムが注目を集めるようになった背景には、いくつかの技術的ブレイクスルーがあります。まず、GPT-3.5の登場によって、自然言語によるやり取りが非常にスムーズになり、簡単なプログラムであればチャットベースで生成可能な時代が始まりました。(筆者自身も、このモデルを活用してアプリを開発し、ビジネスコンテストに参加した経験があります。)各社もこれを皮切りに、生成AIを組み込んだチャットサービスを相次いで公開しました。

また、エンジニア向けのサービスとして2021年にGitHub Copilotが登場します。VS Codeに統合されたこのツールは、コード補完にLLMを活用し、日常的なコーディング作業の大幅な効率化を実現しました。さらに2023年にはGPT-4が登場し、より複雑なタスクも自然言語ベースで実行可能となり、プロトタイピングや新規機能開発におけるAIの活用範囲が一気に広がりました。

加えて、cursolのようなAI統合型エディタや、開発支援を一つにまとめたboltのようなプラットフォームの登場により、AIを前提とした開発環境そのものが整備されつつあります。こうした技術的背景に、生成AIブームが重なり、ソフトウェア開発に限らず、ビジネス全体のワークフロー変革にも波及が広がっています。

従来の開発との違い

AI駆動開発が従来の開発と大きく異なるのは、「人が主導し、AIが補助する」という関係性を超えて、AIが実質的な意思決定や作業を担う場面が増えている点にあります。コードを書くこと自体が目的ではなく、機能や体験の完成を最短距離で目指す開発スタイルへのシフトが起きているとも言えます。

特に大きな変化は、次のようなポイントに表れています:

項目 従来の開発 AI駆動開発
要件定義 手動で整理・文書化 チャットベースで整理、構造化・文書化も可能
実装 設計に基づき手動でコーディング 自然言語からのコード自動生成
テスト 手動または事前に記述したテストコード テストケースの自動提案・生成
デバッグ ログやスタックトレースの解析は人間任せ エラー内容に基づく原因推定・修正案提示
ドキュメント 開発者が後から整備 コードや設計情報から自動生成

このように、思考からコードへの翻訳、調査・比較、学習・改善といった一連のフェーズが、AIによって著しく高速化されています。

AIが関与する開発プロセスの範囲

現在では、AIはソフトウェア開発の全ライフサイクルに関与できる段階に達しています。以下に、主要な工程ごとにAIが果たす役割を整理します。

  • 企画・構想
    • アイデアのブレインストーミング、要件のたたき台生成
      • 要件定義書の作成
      • FigmaやMiro(ホワイトボード)のAIアシスト機能を活用した構成案作成
    • 競合調査、ユーザー課題の仮説立案、さらにはプレゼン資料作成までAIが支援可能
  • 設計
    • UMLや構成図の自動生成、構成案のフィードバック
      • LLMを活用してdraw.io形式のファイル生成、VS Codeとの連携による高速な設計反復
  • デザイン
    • Figmaなどに搭載されたAIによるUI提案、自動レイアウト生成
      • MCPでの連携
    • フロントエンド設計に特化したCreate.xyzのようなツールも登場
  • 実装
    • 自然言語からのコード生成、既存コードの読解・修正・リファクタリング
    • モジュール設計やアーキテクチャ全体への助言
  • テスト
    • テスト計画の作成支援、テストケース・モックの自動生成
    • シナリオテストやエッジケースの提案も可能
  • デプロイ・運用
    • DockerfileやCI/CDパイプラインの自動生成(IaC)
    • (ログ解析やエラー検知、異常検出に基づいたレコメンドの提示)

AI駆動開発は、単に「便利なツールが増えた」という段階を超えて、ソフトウェア開発の在り方そのものを再定義しつつあります。次章では、具体的なツールやサービスを工程ごとに分類しながら、どのような組み合わせが実践的かを見ていきます。

タイプ別に見るAI駆動開発サービス

AI技術の進化により、ソフトウェア開発を支援・加速するツールやサービスが急増している。これらは目的やユーザー層に応じていくつかのタイプに分類でき、それぞれが異なる形で開発プロセスの効率化を実現している。本節では、代表的なAI開発支援サービスを6つのカテゴリに分けて概観する。


1. チャットサービス

開発に限らず幅広い領域に対応する、最も汎用性の高いAIツール。開発支援においては、自然言語による対話で、要件定義からコードの生成、ドキュメント作成、バグ修正まであらゆる工程をカバーする。

  • 特徴
    • 自然言語での柔軟な双方向対話
    • 開発工程のすべてに関与可能
    • 多くのツールの中核技術としても利用(API連携)
  • 主な用途
    • 企画・アイデア出し
    • 要件定義支援
    • コード生成・解説・リファクタリング
    • エラー解析・バグ修正支援
    • ドキュメント・テストケースの作成
    • 学習・調査の補助
  • 代表サービス
    • ChatGPT(OpenAI)
    • Claude(Anthropic)
    • Gemini(Google)
    • Perplexity(検索特化型)
    • Copilot Chat(GitHub)

2. オールインワンプラットフォーム(AIネイティブなIDE)

AIを中核に据えた統合開発環境で、非エンジニアでも自然言語の指示からアプリを構築できる。バイブコーディング(対話的開発)の先駆けとして注目されている。

  • 特徴
    • ブラウザ完結型:エディタ・実行環境・チャットが統合
    • 開発プロセス全体(設計→実装→テスト→デプロイ)をカバー
    • GPTやClaudeなどのLLMとのシームレス連携
    • 外部サービス(Supabase、Stripeなど)との統合も可能
  • 主なユーザー層
    • 初学者
    • プロダクトマネージャーや非エンジニア
    • エンジニアのプロトタイピング用途
  • 代表サービス
    • Bolt.new(自然言語からアプリ構築)
    • Replit(チャット・コード・デプロイの一体化)

3. AI統合IDE・エディタ拡張

既存の開発環境(IDEやエディタ)にAI機能を統合し、日常的なコーディング作業の効率化を図る。特にエンジニアにとって実務上の生産性を高めるツール群である。

  • 特徴
    • 従来のワークフローを維持しつつAI支援を受けられる
    • Git連携やローカル開発環境をそのまま活用可能
  • 主な機能
    • インラインでのコード補完
    • 関数やファイル単位でのリファクタ提案
    • ドキュメント生成支援
  • 代表サービス
    • GitHub Copilot(VS Code, JetBrains等に対応)
    • Cursor(VS Code派生のAI統合エディタ)
    • windsurf
    • Codeium(無料で使えるAI補完)

4. AIエージェント系開発支援

LLMを用いた自律エージェントが、複数ステップの開発タスクを自動化。意図推定やタスク分割、実行までを一括で担う、より高次の「ゴール志向型」開発支援を提供する。

  • 特徴
    • チャットインタフェースに加え、自動実行機能を備える
    • ソフトウェア構築の上流から下流までをAIが代行
    • CI/CD連携や継続的保守にも対応
  • 主な用途
    • アプリ/APIの初期構築
    • テストケースの生成・実行
    • ドキュメントやコードベースの自動更新
    • チームエージェントによる役割分担(設計者・コーダー・レビュワー)
  • 代表プロジェクト
    • OpenDevin(DevOps向けAI開発環境)
    • AutoGPT / Agent-LLM(自己駆動型エージェント)
    • Devika(VS Code連携型の開発エージェント)
    • AutoGen(Microsoftによるマルチエージェントフレームワーク)

5. デザイン/プロトタイピング支援ツール

UI設計からフロントエンドの実装までを橋渡しするAIツール群。デザイナーと開発者間の連携を滑らかにし、プロトタイピングの速度と品質を高める。

  • 特徴
    • デザインデータ(Figma等)からコードを自動生成
    • レイアウトや構成の自動提案機能
    • VS CodeやReact環境との統合が進む
  • 主な用途
    • UIスケッチ → コードへの変換
    • デザイン要素の抽出とコンポーネント化
    • デザインとコードの双方向同期
  • 代表サービス
    • Figma AI(Figma内蔵AI機能)
    • Figma MCP(model context protcol)
    • Locofy(Figma → Code)
    • Builder.io(ノーコード開発とReact変換の融合)
    • Figma for VS Code(エディタ連携)

6. 図表生成/設計支援(UML・ER図など)

設計フェーズにおいて、自然言語から図表を自動生成するツール。開発者のみならず、非エンジニアやマネージャーも設計に関与しやすくなる。

  • 主な対象図表
    • UML(ユースケース図、クラス図、シーケンス図など)
    • フローチャート
    • ER図、マインドマップ など
  • 特徴
    • テキストベースの入力から図を自動生成
    • 一部ツールではコード出力やIDEとの連携も可能
    • ドローイング操作不要で、設計作業が高速化
  • 代表ツール
    • Miro AI(図表生成とリアルタイム共有)
    • Eraser + DiagramGPT(設計図に特化)
    • EdrawMax AI(多種多様な図表に対応)
    • MyMap.AI(無料かつ高速な図生成)
    • ChatUML(自然言語で図を出力)
    • LLM+draw.ioファイル生成(LLM活用事例)
  • 今後の展望
    • 図表→コードへの変換精度の向上
    • IDE拡張とのさらなる統合
    • 図表と要件の双方向変換や整合性チェック機能の実現

AI駆動開発サービスは、その機能と対象ユーザーに応じて多様化しており、単なるコーディング支援を超えて、設計・テスト・運用など開発ライフサイクル全体に浸透しつつあります。エンジニアの支援にとどまらず、非開発者でもアイデアを迅速に形にできるようになり、開発プロセスそのものの民主化が進行しています。

AI駆動な開発環境

最強全部盛りAI駆動開発環境(完全AI統合)

対象者: 一流エンジニア、個人開発者、事業主など、AIを最大限活用して開発・ドキュメント・業務を最短・高品質で完了したい人向け

目的: 企画〜設計〜実装〜公開・運用・文書化までをAIで一貫自動化

キーワード: オールインワン、マルチエージェント、AI統合支援、UI+構造の両立最適化


■ 概要と設計思想

  • AI統合エディタ(例:Cursor, Devika)を中心に、グラフィカル+チャット+自動化サービスを周辺に配置
  • Notion / Obsidian / Miro / Figmaなどを統合し、ドキュメント、構造、UI設計の整合性を確保
  • 各ツールは基本的にVS CodeなどのIDE上で直接操作・連携できる形を想定
  • プロトタイピングにはBolt.newを活用し、設計と実装の橋渡しを高速に

■ 各工程とAI駆動ツール構成

工程 役割 使用ツール例
企画・構想 - アイデア出し、要件整理、競合調査、構造化 - ChatGPT / Claude / Gemini- Miro + MCP構想- Notion AI / Obsidian AI
設計(構造・仕様) - クラス図、ER図、アーキテクチャ設計 - Draw.io / Terrastruct AI / Mermaid- Obsidian(Mermaid対応)
デザイン - UI/UX設計、実装可能なモック作成 - Figma + Galileo AI - Bolt.new(UI→コードまで一貫)
実装 - コーディング補助、マルチステップ開発支援 - Cursor / GitHub Copilot- Devika / Devin(AIエージェント型IDE)
テスト - テストコード生成、リファクタ支援 - Cursor / Copilot Chat- Devika / Devin
デプロイ・運用 - CI/CD、IaC、自動公開 - GitHub Actions / Docker- Railway / Render / Vercel
ドキュメント - READMEや設計書の生成・共有 - Notion AI / Obsidian AI- 図表・リンク統合型管理ツール群

■ ワークフロー連携の要点

  • 中核ツール:VS Code(各種拡張+AI統合)またはNotion(ハブ化)
  • 図→仕様→コード→デプロイまで、マルチエージェント+UI+チャット型AIで連続的に処理可能
  • Devika / Devin / Cursorなどは、設計・実装・テスト・修正までの一貫した自動化支援に対応

■ コストと効果

  • 月額目安:5万~
    • ChatGPT Plus, Cursor Pro, Figma Pro, Bolt.new課金などを含む想定
  • 生産性は従来比10倍以上(タスクの90%以上がAI主導でも可能)
  • 不要な機能は無料版やLiteプランで調整可能(例:DevikaやClaudeは無料枠あり)

ミニマムAI駆動開発環境(軽量AI統合)

対象者: 副業エンジニア、学生、個人開発者、AI活用初心者

目的: チャット+エディタ中心でAIを最大限活かし、低コストでプロトタイピングと学習を両立

キーワード: 汎用AI、エディタ統合、低コスト運用、集中課金モデル


■ 各工程とAI支援ツール構成

工程 役割 使用ツール例
企画・構想 - アイデア出し、要件定義、構造化 - ChatGPT / Claude / Gemini- Notion AI- Mermaid記法
設計(構造・仕様) - クラス・データ構造の検討、簡易図式化 - Mermaid記法 + チャット生成支援- VS Code(Markdown連携)
デザイン - レイアウト提案、UIモック生成 - チャットベースの提案- コードモック(HTML/CSS)
実装 - コード補完、簡易デバッグ - Cursor(無料版あり)- GitHub Copilot- VS Code + ChatGPT拡張
テスト - テストケース提案、軽量なユニットテスト支援 - ChatGPT / Cursor Chat
デプロイ・運用 - 簡易デプロイと共有 - GitHub Pages / Vercel- Dockerfile生成(チャット支援)
ドキュメント - README、概要資料などのMarkdown化 - Notion AI / Obsidian + AI- チャットによる文案提案

■ 運用のポイント

  • 中心課金先はChatGPT PlusやCursor Proのどちらか1本に絞るのがコスト効率◎
  • FigmaやVoltは使わず、コードによるモック生成+Markdown管理を基本とすることで無料または月額$20程度でも十分運用可能

まとめ

ツールに迷い、効率に悩み、ひとりで抱え込みがちな個人開発や学習。

でも、今はAIという頼れるパートナーがいます。

すべてを自分でやろうとせず、AIをうまく取り入れることで、もっと自由に・もっと速く・もっと楽しく創れる環境が手に入ります。

まずはできるところから、「自分なりのAI開発環境」を一緒に組み上げていきましょう。

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