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BIとAI ー 生成AI時代でもPower BIを学び続けるべき理由

Last updated at Posted at 2025-12-20

はじめに

最近の生成AIの進化、すごいですよね。

ChatGPTやNotebookLM、Claudeなどがどんどん賢くなって、コードなどを作成してくれたり、複雑な質問にも答えてくれたりする中で、ふとこんなことを思ったことはありませんか?

「Power BIでデータの整理だの、モデリングだの、DAXだの......難しいことを覚えたり試行錯誤しなくても、そのうち生成AIに『こんなレポートが欲しい』って自然言語で言えば、いい感じで作ってくれるようになるんじゃない?」

「だからBI、あんまりやらなくてもいいや(生成AIと戯れよう)」

私は、そう簡単にはいかないと思います。

いや、もちろん技術の進化は素晴らしいことですし、AIがBI作業を助けてくれる未来は確実に来ています。でも、「だからBIの知識はもう要らない」という結論は、❓です。

この記事では、生成AI時代においてもなぜPower BIの知見と経験が重要なのか、私なりの考えをシェアしたいと思います。

BIはそもそも何の役割だったか

まず、BIツールの本来の役割を振り返ってみましょう。

Power BIをはじめとするBIツールは、ビジネスに関係するさまざまなデータソースから:

  1. データを準備(クリーニング、変換、モデリングなど)
  2. データを視覚化(レポート上の各種ビジュアルのレイアウト、ビジュアル間のクロスフィルタリングなど)
  3. データを共有(発行と共有、自動データ更新など)

これらにより、ビジネスの次の段階に向けて、より良い意思決定や行動を起こせるようにするものでした。

つまり、BIは単に「キレイなグラフを作るツール」ではなく、ビジネス課題を解決するためのデータ活用プロセス全体を支えるものです。

BI向けのデータと向き合う準備段階から、ビジネスと向き合うことになり、その後のBIに関するワークは、単なる作業ではなく、向き合った結果様々なビジネスの仔細に触れていく、知っていくことになります。

全自動AI生成の落とし穴

では、もし生成AIが「あなたが見たいBIレポートはこれですね。はい、自動作成しました!」というアウトプットを出すだけの世界になったら、どうでしょうか。

ブラックボックス問題

準備の段階で、ノイズとなるようなビジネスに無関係なデータを除外しているのか、していないのか。あるいは、重要なデータを誤って除外していないか。プロセスが見えないと、結果の信頼性を判断できません。

たとえば、売上データに返品処理が含まれているのに、それを考慮せずにレポートが作られていたら?重複データがあるのに気づかずに集計されていたら?こういった問題に気づくには、データの準備プロセスを理解している必要があります。

理解なしには判断できない

仮にAIが視覚化に至る過程を見せてくれる機能があったとしても、Power QueryのM言語による整理、データモデリング、スタースキーマの重要性の理解、ベストチョイス的なDAXの活用などについて一定の理解がないと、AIが意図通りの処理をしているか判断できません。

「このメジャーの計算ロジック、本当に合ってる?」
「このリレーションシップ、双方向フィルターで大丈夫?」

こういった疑問を持ち、検証できる力がないと、結局AIが作ったものを盲信するしかなくなってしまいます。

試行錯誤から得られる気づきの喪失

BIの作業では、準備や視覚化の段階で試行錯誤している間に、データに関する重要な気づきを得ることがよくあります。

「あれ、この数値、思ったより少ないな。もしかして......」
「これらの列、全く使われてないじゃない」
「このテーブル、不備データ多いな」

こういった発見は、データと格闘しているからこそ生まれるもの。何でもかんでもオートメーションで「はい、できました」となると、このトライ&エラーの世界と無縁になってしまいます。

対話コストの問題

「いや、AIと壁打ちしながら、『そこは合ってる』『そこは違う』って繰り返せばいいじゃん」

確かにそうですが、BIの基礎知識がない状態でAIと対話すると、そのやりとりの過程や工程は、相応に時間とお金がかかることになります。AIに的確な指示を出すためにも、BIの知識は必要なんです。

一部の作業をAIにお願いするとしてもBIへの精通が必要

もちろん、BIの作業の一部等を生成AIが手伝ってくれる世界は、確実に充実してきています。

  • DAXメジャーの作成補助や検証
  • 視覚化のレイアウト提案
  • その他、Copilot for Power BIのいろいろ

これらは素晴らしい進化です。

でも、だからこそ、お願いする側(つまり私たち)がBI関連作業に精通している必要があります。

AIエージェントなどが行う作業内容、そのコスト(トークン消費やAPI呼び出し)、品質管理──これらを適切にマネジメントするには:

  • どこでハルシネーション(AIの幻覚)が起こっているか
  • どこにエラーがあるか
  • 生成AIがPower BIのベストプラクティスを理解していないのはどこなのか
  • 提案された解決策が最適か

これらを見分ける目が必要です。

AIエージェントはあくまでパートナーの一人(人じゃないけど😅)。マネージャーである自分自身がBIに精通していないと、BIプロジェクトは迷走してしまいます。

結局、BIをよく知ることが大事なので学ぼう

長々と書いてきましたが、結論はシンプルです。

生成AI時代だからこそ、Power BIの学習を引き続き続けましょう。

コミュニティに参加しよう

職場でBIのことを話す相手がいない?大丈夫です。Power BIには素晴らしいコミュニティがあります:

わたしもこちらの活動を継続しています。

勉強ではアウトプット大事です。コミュニティに参加してアウトプットすることで、学びが深まりますし、同じ悩みを持つ仲間とも出会えます。

  • Power BI LT 会 原則毎月最後の木曜日開催 2025年12月は26(金)なのでご注意を

ダミーデータで練習しよう

「仕事のデータは機密情報だから外で話せない......」

わかります。でも、生成AIを使ってダミーデータを作成することもできます!

「小売店の売上データのダミーデータをCSV形式で作成してください。
店舗ID、日付、商品カテゴリ、売上金額、数量を含めてください ..... 」

こんな感じでChatGPTなどに頼めば、練習用のデータセットが手に入ります。これを使ってモデリングやDAXの練習をすることができます。

生成AIは学習の味方として使おう

もちろん、生成AIは学習の過程を助けてくれる強力なツールです:

  • 「このDAX式でやってみたんだけど...etc, etc」

こういったやりとりがいつでもできます。

ただし、ハルシネーションが含まれることは絶えず意識しましょう。

最新のLLMになっても急にDAXに関するハルシネーションが減ることはないです。Copilot for Power BIのDAX関連の活用もよいでしょう。

AIの回答は必ず自分で検証し、公式ドキュメントと照らし合わせることが大切です。

おわりに

生成AIの進化は目覚ましく、これからもPower BIとの融合はどんどん進んでいくでしょう。

でも、だからこそ私たちはBIの基礎をしっかり理解し、データリテラシーを高めておく必要があると思います。

AIはパートナーであり、アシスタントです。でも、判断を下すのは私たち人間。そして良い判断をするためには、知識と経験が不可欠です。

Power BIを学ぶことは、単にツールの使い方を覚えることではありません。データを通じてビジネスを理解し、価値を生み出す力を身につけることです。

この記事が、「AIが全部やってくれるなら勉強しなくていいや」と思いかけていた誰かの背中を押すきっかけになれば嬉しいです。

これからもPower BIの学習を続けていきましょう!🚀

参考リンク

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