以前「Kong Gateway Certified Associateを取得してみた 」という記事でKongの資格の受験プロセスを紹介したが、3末に試験の監督会社がExamityという会社からProtector Uという会社に変更となり、プロセスが一部変更となった。
今回、改めて受験しなおして仕組みがどう変わったか確認してみる。
なお、資格試験の紹介も含めて記載するため、前回と内容が一部被っている(コピペしている)点があるがご了承を。
試験の概要
この試験はKong Gatewayの入門的な資格であり、基本的なKong Gatewayの知識が問われる試験となっている。
Kong社が提供する他の製品(Kong MeshやInsomnia等)は連携部分に関しては試験に出る可能性があるが、基本的にはほぼ登場せず、Kong Gatewayに関する知識があれば合格出来るものとなる。
以下が試験の概要となる。FAQから抜粋+補足した。
項目 | 内容 |
---|---|
場所 | オンラインのみ(専用ブラウザ使用) |
価格 | $275 (クーポンあり) |
予約 | 30日前まで可能 |
スケジュール変更 | 試験日の24時間前まで |
合格ライン | 75% |
言語 | 英語のみ |
試験形式 | 多肢選択、記入式、実技 |
試験時間 | 2時間 |
前提条件としては特になく、前提資格・トレーニングはない。
試験環境については以下が必要となる。
- カメラ、マイク
- スマートフォン(テスト環境のPCを撮影するための鏡代わりに使用)
- 写真付き身分証明書(パスポート推奨)
- きれいな机
- Gurdian Browser
以前はChromeで受験できたが、監督会社変更に伴い専用ブラウザの導入が必須となった。
ちなみにFAQには以下のような文面があり、不合格の場合の再受験には2週間空ける必要があるように読める。
What is the retake policy?
○ You can retake your exam from 14 days after failing the exam.
これについては中の人に確認したところ、現在では空ける必要はなくなっているらしい。
システム的にも空けずに申し込めるので、気にしなくてよさそう。
また、試験中は試験環境のVMから以下のサイトへはアクセスできる。
回答する上でこれらのサイトへのアクセスは必須ではないが、ドキュメント参照したい場合やリクエストの内容を確認したい場合、JWTのトークンを確認したい場合なんかには役立つと思う。
Gurdian Browser
受験用のブラウザでここからダウンロードできる。
Mac版とWindows版が用意されており、必然的にLinuxでは受験できないことになる。
以下Mac版での利用手順となる。
インストール後、ブラウザを起動するとシステムの前提要件が表示される。
ブラウザに対して画面録画、カメラの利用、マイクへのアクセス権を付与するよう言っている。
1.のリンクをクリックするとMacの設定画面に遷移するので、Guardian Browserに対して権限を付与する。
ブラウザを再起動すると先程の画面は表示されなくなり、普通のブラウザっぽい画面が表示される。
受験時には試験官に机の上に何もないことをカメラを使って証明する必要がある。
また、以下のNG項目があるので注意。
- 電子機器(イヤフォン、マイク等)を顔に装着するのはNG
- デュアルモニターはNG
- 離席不可
- 仮想マシンやリモートデスクトップは不可
- ライセンス認証されていないWindowsの利用不可
- ポート80および443の公開
要件の詳細はこちらに記載があるので併せて参照を推奨。
ポートについてはWindows Setting Adjustments / Mac Setting Adjustmentsによると場合によっては843, 1935, 61613も利用することがあるようなので、こちらも併せて公開しておいた方が良さそうだ。
試験内容
問われる知識としては試験の詳細ページから確認してほしいが、ざっくり以下が聞かれることになっている。
- Kong Gatewayを介したAPIのフロー
- 基本要素(Service、Route、Plugin、Consumer、Upstream)の役割と作り方
- RBAC、認証認可
- トラッフィク制御、分析、監視等のプラグイン
- deck/insoによる構築・テスト自動化
- Kong Gatewayの構築とトラブルシューティング
- Vitalsによる監視と他ツールとの統合
VitalsなどはもうKong Gatewayでは提供されていないのだが、試験自体がv3.2くらいで作られているようで、残念ながら古い知識が必要となる。
また推奨トレーニングとして以下を受講することが推奨されている。(必須ではない)
KGAC-101で出てくるマイクロサービスの基本的な考え方なんかもテストのスコープになっているようなので、出てくる内容はすべて抑えておきたい。
あと、あまり大きな声で言えないが「Optional Learning Labs」に載ってる他のトレーニングも受けて、色んなプラグインの使い方を抑えておいた方がいい。ここ重要かも。
ついでに言うと、トレーニングでは設定をAPIを使って行うことが多いが、テストの際はAPIの使い方を確認する時間が勿体ないので、UIからも同じことが出来るようになってる方がよい。
試験内容は以下。
- 多肢選択問題:27問程度(ごく一部に記入式あり、テスト用Labの状態を確認して答えるような問題も2,3問あり)
- 実技試験:5問程度
なお、実技試験の問題数は全体の15%程度だが、どうも実技試験の配点がかなり大きい模様。
実技は指定されたものを作ったり、トラブルシュートしたりと結構歯ごたえはある感じ。
ブラウザから仮想環境にアクセスし、そこの中にあるブラウザだったりターミナルを使って操作する。
仮想環境内のブラウザからドキュメントを見たりすることも出来るが、制限がかかっている模様で何でもかんでも見ることが出来るわけではないっぽい。
申し込み方法
Kong Gateway Certified AssociateのページからSchedule your exam
をクリックする。
するとTrueAbilityという会社のサイトに飛ばされる。
PURCHASE THE EXAM
をクリックして各種情報を入力して試験を受ける権利を購入する。
続いて試験日を設定する。
UPDATE YOUR LOCATION
から受験する場所、UPDATE YOUR TIME ZONE
でタイムゾーンを設定し、Make your Reservation
の下のSelected Date
とSelected Time
で受験日、受験時間をそれぞれ選択する。
なお、後から日程を変更したくなった場合はCandidate Portalにアクセスし、RESCHEDULE
から変更できる。
次にPROCTORUというシステムのProfileを更新する。
以下の画面のPROCTORU
をクリックし、SIGN INTO PROCTORU
からProctorUのダッシュボードに移動する。
移動後、右上のSelect language
から日本語が選択できる。
これを設定しておくと試験の際も進行の一部が日本語化されるので、英語が苦手な人は設定推奨。
また、右上のアカウント名をクリックするとアカウント設定が出来るので、こちらクリックして自身の情報をアップデートしておく。
またデバイスをテストする
をクリックするとGuardian Browserが起動して環境が問題ないかテストしてくれる。
以下はデュアルモニターで失敗した時の表示となる。
実際の試験の流れ
試験の流れはProctorUがこちらで公開しているので、事前に見ておくとよい。
また
試験開始時間5分前くらいから試験ページに飛ぶことが出来るようになる。
試験の流れはおおよそ以下。
- 試験監督用アプリ(Support-LogMeInRescue)のダウンロードとインストール
- アプリに権限を付与
- 顔写真の撮影
- 写真付き身分証明書の撮影
- 試験環境の撮影
- 正面、左右、前方後方、PCの撮影(PCの撮影のためにスマホを鏡代わりにする必要あり)
5が終わるくらいで試験官から先程インストールしたアプリ経由でチャットが飛んでくるので対応する。
自分が会話した内容は以下のような感じ。
- 部屋にものがないこと、誰も入らない部屋になってること、などの合意
- 写真付き身分証明書の提示
- スマホを部屋の手が届かないところに置くよう指示(部屋の外に置いたら、何故か部屋の中におけと言われた)
指示通りに作業した後に専用ブラウザの画面がテスト画面に遷移するので、Startボタンを押して試験を開始する。
試験終了後、試験官に終了を伝えるとチャット欄にフィードバック(1から5段階評価)を送って退出する形となる。
試験が終わって15分くらいで結果が以下のようにメール届く。
注意点
以前と比べると待ち時間は全然なかったし、英語を話す必要もなくなり、テスト環境のチェックもうるさく言われることがなくなり、試験監督とのやりとのハードルは下がったように思えた。
ただ、他の人の話を聞いていると以下のような問題が過去にあったらしい。
- 試験官が2時間経っても現れない
- 試験官のチャットに反応せずにいると試験を強制終了させられた
- リモートデスクトップアプリの削除を強要された
試験官が現れなかったことを想定して、問い合わせ先などは確認しておいた方が良いかもしれない。
またチャットには迅速に反応することを心がけた方がよい。
所感
Kong Gatewayの入門的な資格という位置づけではあるものの、製品単体に留まらずかなり幅広いプラグインの知識も問われる少し難しめの資格のように思える。
また実技もあるので、トレーニングでやった設定手順やプラグインの使い方を覚えておく必要があり、ドキュメントレベルでの知識では合格出来ないようにもなっている。
なのでいきなりこの試験を受けるよりも、ある程度実機を触って手順に慣れてから挑戦するとよいと思われる。
以上、もし受験する人がいたら参考になれば幸いである。