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令和3年春期 応用情報技術者試験に2回目で合格してたからその記録

Last updated at Posted at 2021-06-25

応用情報技術者試験に2回目の受験で合格することができました。
というわけで一度失敗しているので、その失敗の内容と改善方法を中心に記録として残します。
メインコンテンツは、下の方の反省です。

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応用情報技術者試験とは

主催者 IPA
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受験対象者像は、「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」らしいです。

ITパスポートや基本情報技術者を取得して、さらに高度な技術を学ぶ"素地"を持っていることを示すもののようです。
出題内容は、単に情報系だけでなく、広義のITとして経営戦略やマネジメントも出題されるため、幅広い知識を「暗記」して「応用」する必用があります。

自己紹介

学歴

工業高専 機械系
大学 工業系
大学院 工業系

高専から大学まで一貫して機械・工学系でした。
学校では情報処理の基礎中の基礎と、FortranとC言語、電子回路の授業もありました。
修士の時はひたすらFortranでプログラムを書いてました。
博士の時は、CFD関連でHPCを使うことがあったので、システムアーキテクチャ的な負荷分散の感覚はわかりました。

職歴

・プラントみたいな物をを作ってる現業 情報処理の「じょ」の字もなかった。
・大手っぽい企業の下請け中小零細の安月給CFD屋さん 机の前でマウスをカチカチするだけの仕事

大手っぽい企業内では、応用情報の午前問題で出題されるようなアルファベット3文字略語が、当たり前のように使われてて、情報の「じょ」の字もなかった現業とは違って意識が高いなぁと思っています。

弊社同僚が弊社元請けのSE業を請け負っており、その仕事内容を見ていると、応用情報の午後問題で出題されそうな、出題されたようなシチュエーションが多々現れてます。その様子を見ていることが、午後問題の内容を実感として想像することができるようになりました。

受験時までに合格してた関連しそうな資格

基本情報技術者試験
LPIC Level1
QC検定 2級
G検定 2020#1
日商簿記3級

筆者は

パソコンヲタクなアラフォーなので、
パソコンを自分で組み立てたり (ハードウェア)
趣味で簡単なプログラムとか書いてたり、 (アルゴリズム)
〇〇r〇zにハマってたのでその時にネットワークの知識を勉強したり、(ネットワーク)
マイコンに少しハマった時がありLEDチカチカレベルでも電子回路を自分で作ってプログラムを書いたり、(組込みシステム)
アマ無線3級を取らされた時に、電子回路やアナログ回路も勉強したり、(ハードウェア 組み込み)
ワンコインVPSでproxyとVPNと某ページの監視をしていたり、 (システムアーキテクチャ)
HPCをユーザーとして使ったり(システムアーキテクチャ)
という感じで学校ではあまり習ってないけど、必要に迫られて独学で覚えた知識がほとんどです。

昔に日商簿記3級を取ったので、ちょっとだけ会計の知識もある感じです。
(ただし試験では全く太刀打ちできませんでした)
G検定も取ったので、時事問題で出題されるAI的サムシング問題も理解できます。

午後の選択科目

筆者は試験本番では以下を選択しました。

・セキュリティー(必須)
・システムアーキテクチャ
・ネットワーク
・組み込みシステム
・システム監査

予備として、
・プログラミング
・情報システム開発
も勉強してました。

午後選択科目雑感

午後の科目を選択するため、ITECが出版している「応用情報技術者 午後問題の重点対策」を全科目一通りチャレンジしました。

・セキュリティー
必須なので。

・経営戦略
むり 新たに丸暗記する時間ない 問題は面白い
知ってる問題だけ出されて奇跡で合格した簿記3級じゃ無理。

・プログラミング
基本情報より簡単なことが多い。

・システムアーキテクチャ
何とかなる 出題範囲は狭い印象
VPSを飼ってる経験とHPCユーザー経験のおかげで、実体験としていろいろ理解できてた。

・ネットワーク
セキュリティーとの親和性が高くてLPIC持ってるからなんとかなる。
ならないことも多い。
ならなかったから落ちた。

・データベース
基本情報受験時には世話になったのに、SQLを覚えてなさすぎて応用情報じゃ無理
SQLさえ覚えたら簡単そう
1回目から2回目受験までの間に覚えようかとも思ったけど他が忙しくて断念。

・組み込みシステム
問題を解いてて一番楽しい。
マイコンの知識も電子回路もある程度は理解してるから何とかなる。
試験本番では全然解らんかった。

・情報システム開発
驚くほど簡単な時(css)もあれば、管理図もありはぁ?な問題時もあり、出題範囲のブレ幅が最も大きい印象

・プロジェクトマネジメント
意味不明

・サービスマネジメント
意味不明

・システム監査
国語の問題だから問題文を慎重に読めばなんとかなる。
新たに覚えることは、あまり無さそう。

勉強期間

試験前3か月→コロナ禍で延期→試験前2か月→不合格→試験前2か月→合格
1回目受験時では 午前:午後=2:1
2回目受験時では、午前:午後=1:10 試験前1週間だけちょろっと午前の復習をしました。
合計したら400時間くらい逝ってそう。

自宅では全く勉強できない体になったので、ネカフェをほぼ毎日利用してました。
1ヶ月で1万円以上ネカフェに払ってる。

勉強法

午前

応用情報技術者試験ドットコムの過去問道場で過去問を極める。特に仕事中に極める。
わからない単語はググる。
アルファベット3文字略語は覚える。

午後

1回目受験では、ITECが出版している「応用情報技術者 午後問題の重点対策」を選択予定分を3周。最新から3回分の過去問2周。
2回目受験では、過去問22回分を印刷して1.5周   仕事中に、自作した単語帳をankidroidで暗記

午前午後共通(特に午後)

応用情報ドットコム用語集と午前問題過去問から単語帳を作り、意味から用語が出てくるようにankidroidで仕事中に訓練しました。

使用教材

応用情報技術者試験ドットコム 

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午前問題の過去問道場では仕事中に大変お世話になりました。
午後問題でも、解説で世話になりました。
過去問PDFも模擬解答用紙PDFもお世話になりました。

「応用情報技術者 午後問題の重点対策」ITEC

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様々な合格体験記で絶賛されている本書ですが、一度失敗した側からすると、この本を過信するのは危険です。正答に至るまでのプロセスは(読む気がなくなるくらい)詳細に書かれていますし、参考になります。ですが、載っている問題の範囲が狭いです(紙媒体という時点で限界があるのは当然だけど)。過去問をいくつもこなすと、予想外な出題内容があることに驚かされます。また、過去問に慣れてくると、公式が出している模範解答と自分の解答の差から、その原因は推測できるので、本書が必要なくなります。
各分野の前段で、教科書的な記述もありますが、全く足りません。
本書だけを過信することなく多くの問題をこなすことを強くおすすめします。

「マスタリングTCP/IP―入門編―(第6版)」 井上 直也他 オーム社

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1回目の受験時に、自分の持っているネットワークの知識が、あまりにもフワっとしてることを痛感したために本書を購入しました。思い返すと、ネットワークについて、「学校」で習ったことは無かったなぁと。
IPやサブネットマスクからはじまりDHCP等に対する実務上の理解はしてたけど、実装上の理解はしてなかったことを、本書を通してさらに痛感しました。
またセキュリティー分野においても暗号化などの技術的な部分が重なっていました。
試験後に、きれさっぱり忘れてしまったけど、読んでよかったなと思います。

1回目に不合格を食らって考えた反省点

マスク

この記事を書いてる2021年6月現在、日本はコロナ禍の真っ只中で、試験中もマスク着用を求められます。しかも、不織布マスクが推奨されています。ですが、「飛沫を飛ばさない」=「呼吸がしずらい」なので試験中には脳への酸素供給が足りなくなって、落ち着いて物を考えることが出来なくなる実感がありました。筆者はリモートワーク不可リーマンなので、仕事中はずっと不織布マスクをしているのですが、仕事中に頭を使っていないのか息苦しさを覚えたことはありません。実際の試験と仕事中では、これほど差があるのかと驚きました。また、勉強中はマスクをしていなかったことも、「試験の呼吸」のための肺が鍛えられてなかったのだろうとも思います。

そこで、薬局にあったマスクをいくつか買ってきて、勉強中に試して最も通気性が良かったウレタンマスクを用いることに決めました。

試験会場でマスク警察に捕まるのも面倒だったので、2回目の試験では、試験開始直前まで不織布マスクで過ごし、直前でウレタンマスクに換えました。
試験中に息苦しさを感じることはありませんでした。

解答用紙の文字数のプレッシャー

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(応用情報技術者試験ドットコムより拝借)

午後問題は記述です。記述では文字数制限があり、ボーっと解答していると文字数の過不足となります。普通に過去問を勉強すると、解答をノート等に書いて、あとから文字数を数えると思います。

ですが実際の試験では、既に升目が区切られた解答用紙に記入するため、解答用紙から発せられる升目のプレッシャーが半端なかったです。筆者は、なぜか混乱してました。(酸欠もあるかも)
解答を書いている途中に、文字数がものすごく気になりました。書ききる前に気になって再編集するという無駄な作業を何度も行っていたと思います。(酸欠もあるかも)

ですので、2回目では、プリンターを買い、問題用紙と模擬解答用紙を応用情報技術者試験ドットコムでダウンロードして印刷し、使い捨てで本番同様の訓練をしました。

余談なのですが、過去に取得した低レベルな資格試験の過去問には「本番同等の解答用紙付属!」といって、ただの番号塗りつぶしマークシートが添付されてることが多々ありました。マークシートごときで「誰に必要なんだよ!」と思ってました。世の中には本番のマークシートで混乱する方もきっと居るのだなぁというのを、しみじみと実感した瞬間です。

午後解答中に単語が出てこない

午前問題は、単語の意味さえ覚えていれば何とかなります。漢字は読める状態です。
午後問題では、意味から単語を思い出す作業が必用です。漢字を書く作業です。
特に現代人は、IT化のおかげで、漢字は読めても書けないことが多々あります。あれと同様です。

例えば、「デルファイ法」→「集団の意見や知見を集約」は出てきても、その逆は意外と難しいです。
午前問題の過去問を極めても、この「逆」の能力はほとんど伸びません。むしろ極めれば極めるほど、反射で順方向が可能となるため、「逆」の能力を失う恐れすらあります。
筆者は一回目の試験で、午後の点数が4点足りず、2つの単語が出てこなかったばかりに落としました。

そこで、勉強法にも書きましたが、応用情報ドットコム用語集と午前問題過去問から単語帳を作り、意味から用語が出てくるようにankidroidで仕事中に訓練しました。

指定時間までに会場に到着するという0次試験の緊張と午前・午後の長期戦

試験会場が家から遠い場合は、潔く会場近くで宿を取ったほうがいいと思います。
過去に筆者がTOEICを受けに、電車で1.5+バス30分の移動をしたのですが、電車で寝てしまい、起きたら風邪をひいてて、体調絶不調の中受けたら散々な点数でした。1回目の応用情報受験も、移動時間が2時間近くとなり、慣れない日曜日に早起き&長丁場の試験は体が辛かったのだと思います。

この反省を生かして、2回目では、電車で1時間の距離にも拘らず「大人力」で試験会場の最寄り駅で宿を取って前日入りしました。APAや東横インのダイナミックプライシングと睨めっこすれば、諭吉1枚よりより少なく泊まれるし、何度も勉強し直して受験し直すリスクを考えたら安いと思います。

余談ですが、昔にエネルギー管理士を受験した時、試験会場まで4時間で試験開始が朝9時で、90分×4科目で朝から夕方まで、という地獄を朝4時起き始発でがんばって受けてきました。一発合格できたのでよかったのですが、終わったらヘトヘトでした。
あの頃は若かったなと思います。

フワっとした知識はキッチリと叩かれる

応用情報試験に合格する上で最も難しい点が、午前で満点を取れても午後で合格できるとは限らない点です。ですが、午前を合格できない状態で、午後に合格することは「ほぼ」ないでしょう。(そもそも採点されないけど)
しかも、午後の出題範囲は広く、長い文章から実体験・実務経験を生かして想像することが必要不可欠です。

午前問題は暗記で突破できても、午後問題で午前知識を「応用」できるようになる必要があります。「応用情報技術者試験」ですし。
暗記だけのフワっとした知識からカッチリした知識・経験に変換する作業が必要なので、最適な書籍等でカチっと学習する必要があるように思います。
とはいえ、筆者が本試験で受験した「組み込み」「システムアーキテクチャ」「監査」は何を勉強したらいいのか、筆者は提案するこができません。

仕方がないので、知識と経験を増やすためにも、大量の過去問をやり込むしかありません。

鉛筆で字を書くという訓練

学生時代は当たり前のように使っている鉛筆・シャーペンですが、大半の大人は年をとるにつれて字を書かなくなり、書いてもボールペンを使うことが多くなるでしょう。しかも、そのボールペンは、JETSTREAMやFLICTIONなどの摩擦力の少ない(大人力)ちょっと高級ボールペンを使うことでしょう。勉強時にもボールペンばかり使っていると、試験本番で慣れない鉛筆・シャーペンの違和感がとても気になりました。

筆者は気象予報士にも挑戦しており、記述問題だけでなく作図も必要なので、ちょっとコダワったシャーペンを買い、応用情報の勉強中は常にシャーペンを使って訓練をしました。
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おっさん化が必要

午後問題は広い出題範囲と長い文章から状況を想像しなければなりません。
もし仮に、筆者が高専生のときに応用情報を受験したとして、最も困ったであろう点は、社会人経験の少なさから、文章の内容も出題意図も理解できないかもしれない点です。監査は特に社会人経験が直結するし、必須のセキュリティーも意外と社会人経験が必要な分野だと感じました。
応用情報合格者の平均年齢が30近辺で、社会人経験10年を超えるあたりなのも、おっさん化がある程度必要であることの証拠の一つだと思います。

さいご

誰かの参考になれば幸いです。
応用情報試験で、マスクとかシャーペンとかに言及している体験記は珍しいと、個人的に思っています。
筆者と同じ過ちを犯さないことを願うばかりです。

2回目受験までに、SQLを覚えるいい機会だったのに、その機会を生かせなかったのが心残りです。

科目免除を受けれる間に、高度情報を何か取りたいと思ってるけど、対処できそうなものが無いんですよね 実務やってないので。
とりあえず、情報処理安全確保支援士試験(SC)の合格を目指そうかと思ってます。

我にGPUを!

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