目的

(大量にある)Appやin-app purchaseをAppStoreConnectでセールのたびに値札を付け替えるのは疲れる。
APIで一気にやれたらうれしい。

ref.

前提

JWTをとる、とかそういうのはもうできているとする。(あとで書き加えるかもしれないが)

価格をつける・付け直す

これは priceSchedule をつける、ということ。今の価格を変更するというよりは、価格変更のスケジュールを追加する。
しかるに以下のAPI エンドポイントにPOSTリクエストを送りつける、ということ。

https://api.appstoreconnect.apple.com/v1/appPriceSchedules

具体的には以下のようになる。

curl -X POST \
  -H "Authorization: Bearer $TOKEN" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d "$JSON_PAYLOAD" \
  "https://api.appstoreconnect.apple.com/v1/appPriceSchedules"

JSON_PAYLOADは以下のような内容。どのアプリについて、どの地域の価格をいくらに変更するかを示す必要があり、それらが記述されている。以下が注意点

価格には、いつから、いつまで、も含む
価格は即値を入れるのではなく、価格IDをいれる。これもAPIから取得する。
価格IDに国・地域の場所の情報が畳み込まれている。
POSTでリクエストすると、おそらく今設定されているものがすべて上書きになる。したがって、PATCHやDELETEは用意していないが、変更、削除はPOSTから行う。

ここで、
$APP_IDは該当アプリのID。以下のURLから取得できる。

curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" "https://api.appstoreconnect.apple.com/v1/apps"

$TERRITORYは国・地域コード。以下のURLより。

curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" "https://api.appstoreconnect.apple.com/v1/appPriceSchedules/$APP_ID/baseTerritory"

${XXXX}はAppStore Connect APIで使用可能なプレイスフォルダーで、実際の内容をincluded以下に書いている。

{
  "data": {
    "type": "appPriceSchedules",
    "relationships": {
      "app": {
        "data": {
          "type": "apps",
          "id": "'$APP_ID'"
        }
      },
      "baseTerritory": {
        "data": {
          "type": "territories",
          "id": "'$TERRITORY'"
        }
      },
      "manualPrices": {
        "data": [
          {
            "type": "appPrices",
            "id": "${new-price-0}"
          },
          {
          ...
          }
        ]
      }
    }
  },
  "included": [
    {
      "id": "${new-price-0}",
      "type": "appPrices",
      "attributes": {
        "startDate": null,
        "endDate": "2025-06-01"
      },
      "relationships": {
        "appPricePoint": {
          "data": {
            "type": "appPricePoints",
            "id": "'$ID_07_99'"
          }
        }
      }
    },
    {
      "id": "${new-price-1}",
      "type": "appPrices",
      "attributes": {
        "startDate": "2025-06-01",
        "endDate": null
      },
      "relationships": {
        "appPricePoint": {
          "data": {
            "type": "appPricePoints",
            "id": "'$ID_03_99'"
          }
        }
      }
    }
  ]
}

manualPrices::dataには、複数個のエントリーを入れることができる。というか、通常は（つまり、価格変更のスケジュールを行うには) 2つのエントリーが入ることになる。1つは、現在価格のエントリー。2つ目は価格変更のエントリー。ほぼ繰り返しの説明となるが、新価格のスケジュールをつける場合にAPI越しでこれを達成するためには、現在の価格に関する情報もJSONに載せないとならない。

以下includedの説明。ここで、${XXXX}で定義したmanualPricesのアイテムを記述している。上記の例では、2つのアイテムについて記述している。つまり、2025-06-01までの価格と、その日以降の価格である。ここでの注意点：

appPricePoint::data::idの内容は、以下のURLで取得できるIDであること。この例ではterritory=USAでフィルタしているが、それぞれのbaseTerritoryで読み替えてください。

curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" "https://api.appstoreconnect.apple.com/v1/apps/$APP_ID/appPricePoints?filter\[territory\]=USA&limit=100

他の例

設定した価格変更をキャンセルする

他、例えば、価格変更をキャンセルする場合は、現在の価格のIDをとってきて、includedに1つのアイテムだけを登録、startDateとendDateをnullにすれば、設定できます。

現在設定した価格変更の期間をキャンセルする

設定中の価格変更がどんなものであっても、結局最終的に見たい状態の価格スケジュールをPayloadに載せることがやれることの全て。なので、上の例の 6/1/2025からの変更を7/1/2025に変更したい場合は、全く同じPayloadで、endDateとstartDateを2025-07-01に変更してPOSTします。

ある国(たとえば日本)だけ、価格を変更する。

まず、日本のpricePointsを確認する。

curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" "https://api.appstoreconnect.apple.com/v1/apps/$APP_ID/appPricePoints?filter\[territory\]=JPN&limit=100"

設定したいPrice pointのIDを取得して、これをPayloadに組み入れます。manualPricesとしては2つのアイテムが必要です。一つは、グローバル・プライスの再設定。二つ目は、この日本の価格設定です。

"included": [
    {
      "id": "${new-price-0}",
      "relationships": {
        "appPricePoint": {
          "data": {
            "type": "appPricePoints",
            "id": "'$ID_01_99'"
          }
        }
      },
      "type": "appPrices",
      "attributes": {
        "startDate": null,
        "endDate": null
      }
    },
    {
      "id": "${new-price-1}",
      "relationships": {
        "appPricePoint": {
          "data": {
            "type": "appPricePoints",
            "id": "'$JPY_1030'"
          }
        }
      },
      "type": "appPrices",
      "attributes": {
        "startDate": null,
        "endDate": null
      }
    }
  ]

日本とそれ以外のpricePoint IDをいれて、それぞれの attributeをnullにすれば、現在の価格が直接updateされることになるでしょう。スケジュールしたい場合は、endDateだけnullにすればok

in-app purchaseの場合

in-app purchaseの場合もそれほど変わりません。まず、変更したいin-app purchaseのIDを取得します。

curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" "https://api.appstoreconnect.apple.com/v1/apps/$APP_ID/inAppPurchasesV2"

現在のmanualPricesをしらべます。また、ターゲットのprice pointを決定しIDを取得します。

 curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" "https://api.appstoreconnect.apple.com/v1/inAppPurchasePriceSchedules/$IAP_ID/manualPrices"

 curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" "https://api.appstoreconnect.apple.com/v2/inAppPurchases/$IAP_ID/pricePoints?filter\[territory\]=USA&limit=100"

以下のURLにPOSTメッセージを送信して、アップデートします。

curl -X POST \
  -H "Authorization: Bearer $TOKEN" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d "$JSON_IAP_PAYLOAD" \
  "https://api.appstoreconnect.apple.com/v1/inAppPurchasePriceSchedules"

ここで JSON_IAP_PAYLOADは例えば以下のようになります。

{
  "data": {
    "type": "inAppPurchasePriceSchedules",
    "relationships": {
      "inAppPurchase": {
        "data": {
          "type": "inAppPurchases",
          "id": "'$IAP_ID'"
        }
      },
      "baseTerritory": {
        "data": {
          "type": "territories",
          "id": "USA"
        }
      },
      "manualPrices": {
        "data": [
          {
            "type": "inAppPurchasePrices",
            "id": "${new-price-0}"
          },
          {
            "type": "inAppPurchasePrices",
            "id": "${new-price-1}"
          }
        ]
      }
    }
  },
  "included": [
    {
      "id": "${new-price-0}",
      "relationships": {
        "inAppPurchasePricePoint": {
          "data": {
            "type": "inAppPurchasePricePoints",
            "id": "'$IAP_06_99'"
          }
        }
      },
      "type": "inAppPurchasePrices",
      "attributes": {
        "startDate": null,
        "endDate": "2025-05-01"
      }
    },
    {
      "id": "${new-price-1}",
      "relationships": {
        "inAppPurchasePricePoint": {
          "data": {
            "type": "inAppPurchasePricePoints",
            "id": "'$IAP_03_99'"
          }
        }
      },
      "type": "inAppPurchasePrices",
      "attributes": {
        "startDate": "2025-05-01",
        "endDate": null
      }
    }
  ]
}

アプリの価格変更Payloadから見た違いは以下。

app/apps となっているところは inAppPurchase/inAppPurchases
pricePointもきちんとin-app purchaseの pricePoints API で調べてIDをゲットする。

バッチ処理する場面において

APP_ID や IAP_ID は調べておく。これらは後から変更されるものではない。これらを配列につめてループする。
pricePointはもし、appやin-app purchaseで固有ならば、それらを取らないといけないが、IDにはなにやら法則性があるから、その辺りに頑張りどころがあるかもしれない。以下に調べた結果を示す。

price point ID について

curl -s -H "Authorization: Bearer $TOKEN" "https://api.appstoreconnect.apple.com/v1/apps/$APP_ID/appPricePoints?filter\[territory\]=USA&limit=10" | grep -o '"id" : "[^"]*"' | head -5

上記URLなどで調べられる、price point IDはBASE64でエンコードされたトークンとなっている。

{"s":"ID","t":"3CHAR_TERRITORY","p":"PRICE_ID"}

ここで、

IDはAPP_IDやIAP_IDなど、APIから取得できるID
3CHAR_TERRITORYもUSAやJPNなど、これまでにすでに出てきているもの。
問題はPRICE_ID。これについてはundocumentedのようだが、free(つまり tier 0)のものが 10000で、そこからtier(900種類に増えたやつ)を登っていくようだ。

例

USA(USD)	PRICE_ID
0.00	10000
7.99	10101
9.99	10127
13.99	10147
15.99	10157
17.99	10167
19.99	10177