VS Codeで5250画面を表示する拡張機能「それなり5250」をリリース致しました。
https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=io-chapter5.ibmi-5250-lite
※当拡張機能はMITライセンスで、marketplaceから直接ダウンロード可能です。
※拡張機能の検索から「それなり」で検索しても発見できると思います。
端末画面の操作に加えて、OUTQにあるスプールの一覧取得、
帳票プレビュー、TXT・PDF保存にも対応しています。
ソースコードを編集しているVS Codeの中で、
IBM iの画面や帳票も確認できるようにする拡張機能です。
つまりのコンセプトは、それなりの5250エミュレーターです!
この記事では、何ができるのか、どのような環境が必要なのかを紹介します。
本ソフトウェアは完全な動作を保証するものではありません。
操作内容や、出力されるTXT・PDFなどの成果物は、必ず内容を確認したうえで利用してください。
2026年10月21日時点、バージョン0.8.61の内容です。※一部実機検証中。
どんなことができるのか
| 用途 | 主な機能 |
|---|---|
| 5250画面を操作する | 24×80・27×132、日本語表示、IME入力、Enter・ファンクションキーなど |
| 接続先を管理する | 接続情報の保存・編集・削除、表示装置名、ホストコードページの指定 |
| 画面の文字を扱う | 矩形・行順の範囲選択、コピー・貼り付け、画面印刷 |
| 見た目を調整する | 表示スタイル、文字サイズ・間隔、カーソル補助線 |
| 画面中のURLを開く | 下線・3-Dボタン表示、入力欄の除外設定 |
| 帳票を確認する | OUTQのスプール一覧、帳票プレビュー、TXT・PDF保存 |
画面を操作するための5250接続と、スプール取得用のSSH接続を使います。
スプール機能の利用に、Code for IBM iの導入は必要ありません。
5250画面をVS Codeで操作する
接続は、コマンドパレットから次のコマンドで始めます。
それなり5250: IBM iに接続
ホスト名、通信方式、ポート、画面サイズ、認証方法などを登録します。
登録した接続先は、名前を選んで再接続できます。
設定を変えたい場合には、保存した接続先の編集・削除もできます。
通信方式はTLSと暗号化なしのTelnetに対応しています。
初期ポートはTLSが992、暗号化なしが23です。接続先の設定に合わせて指定します。
暗号化なしでは認証情報や画面データも平文になるため、
利用するネットワークと通信方式を管理者に確認してください。
TLS接続では、通常のサインオン画面からの入力に加えて、自動サインオンも選択できます。
自動サインオンには証明書検証付きTLSが必要で、
認証方式やIBM i側の設定による条件があります。
表示装置名も指定できる
接続設定では、IBM i側で使用する表示装置名を指定できます。
「接続できれば装置名は何でもよい」という使い方だけでなく、
使用する表示装置名を決めておきたい場合にも対応しています。
名前の指定は、IBM i側の運用ルールに合わせて行います。
桁数と文字位置を保って表示する
画面サイズは24×80と27×132に対応しています。
27×132へ切り替えた際に画面全体を自動縮小するのではなく、
文字サイズ・間隔を保ち、収まらない部分はスクロールして確認する方式です。
文字サイズや行間は画面内の操作欄から調整できます。
カーソル位置を見つけやすくする補助線も、十字・横線・縦線から選べます。
画面表示は、端末形式、モダン・ダーク、モダン・ライトに切り替えられます。
5250のセル位置や桁数を保ったまま、配色や外観を変更します。
タブ内で画面を浮かせて配置し、元の位置へ戻す操作もできます。
別ウィンドウへの移動は、VS Code側の対応状況にも依存します。
実行キーはEnterが初期値です。
Ctrlを単独で押して離す操作を実行キーにする設定も用意しています。
日本語のコードページを選択する
日本語の接続設定には、次の3種類があります。初期値は939です。
| 接続設定の選択肢 | 通信で通知するSBCSコードページ | 文字集合 |
|---|---|---|
| 930 日本語(カタカナ) | 290 | 332 |
| 930 日本語(拡張カタカナ) | 290 | 1172 |
| 939 日本語(拡張ローマ字) | 1027 | 1172 |
マウス操作とURLホット・スポット
マウスの初期値は「範囲選択(矩形)」です。単クリックでカーソルを移動し、
ドラッグすると範囲を選択します。行順での選択や、
Shift+矢印による矩形選択にも対応しています。
URLホット・スポットを有効にすると、画面上のURLをクリックして、
既定のブラウザーや関連付けられたアプリで開けます。
表示方法は下線と3-Dボタンから選択できます。この機能の初期値はオフです。
例えば、VS Codeの設定JSONでは次のように指定できます。
{
"ibmi5250Lite.appearance": "modern-dark",
"ibmi5250Lite.urlHotspots": true,
"ibmi5250Lite.urlHotspotStyle": "underline",
"ibmi5250Lite.urlHotspotsExcludeUnprotected": true
}
この例では、表示をモダン・ダークにし、
入力可能なフィールドを除いてURLに下線を付けます。
入力欄を除外しても、そこにあるURLの文字自体が消えることはありません。
ファイルURLは初期設定で確認を表示し、UNC共有先は設定にかかわらず確認します。
実行ファイル・スクリプト・ショートカット形式は開かない仕様です。
OUTQのスプールをプレビュー・保存する
スプール機能は、次のコマンドから使用します。
それなり5250: OUTQのスプールを開く
SSH接続先、認証方法、OUTQのライブラリー名・OUTQ名などを指定し、
一覧から対象のスプールを選びます。SSH認証はパスワードと秘密鍵ファイルに対応しています。
SSH接続設定は名前を付けて保存できるため、
毎回ホスト名やOUTQを入力し直す必要はありません。
パスワードと秘密鍵のパスフレーズは保存せず、接続時に入力します。
現在の対象は、完成済みのSCS(*SCS)スプールです。AFPDSには対応していません。
帳票プレビュー、TXT、PDFの違い
| 操作 | 使い方 |
|---|---|
| テキストで表示(帳票プレビュー) | VS Codeの専用タブで、文字幅・行間・改ページを反映して帳票を確認する |
| テキストファイルとして保存 | UTF-8の文字データをTXTファイルへ保存する |
| PDFとして保存 | PC側でPDFを生成し、ファイルへ保存する |
帳票プレビューは、PDFと同じ配置計算を使います。
英数字の文字幅にはCPI、日本語の文字幅にはIGCCPI、
行送りにはLPIを使い、改ページも反映します。
日本語の桁位置に関係するSO/SIの扱いは、
初期設定では帳票のIGCSOSI属性から自動判定します。
プレビューでは、ページ移動、50〜200%の表示倍率、範囲選択・全文コピーができます。
横に長い帳票は折り返さず、横スクロールで確認できます。
TXTにはフォントや行間の情報を埋め込まないため、
開くエディターやフォントによって見た目が変わります。
文字データを扱うならTXT、帳票の配置を確認するならプレビューやPDFという使い分けになります。
PDFはWindows側で作る
PDF保存は、おおむね次の流れです。
IBM iのスプール
↓ SSHでテキストと印刷属性を取得
Windows側で文字位置・行間・改ページを計算
↓ ChromeまたはEdgeを専用プロセスで使用
PDFファイルとして保存
IBM i側のPDF帳票変換は使用しません。PC側でPDFを生成するため、
ChromeまたはEdge、日本語フォント、ブラウザーの起動権限、
一時領域・保存先への書込み権限が必要です。
用紙はA4で、帳票の桁数・行数とCPI・LPIなどから縦横の収まりを比較し、
向きと縮小率を決めます。横に長い帳票でも1行が収まるよう調整しますが、
桁数が増えるほど文字は小さくなります。
利用環境と、現在の確認範囲
対象はWindows版VS Code 1.84以降です。IBM iはV7R4M0以降を導入の目安にしています。
ただし、これは全機能の動作保証や、実機確認済みの最低OS版を示すものではありません。
5250画面を表示できる環境でも、スプール取得には別の条件があります。
SSH・PASE、SQLサービス、CPYSPLF等の機能に加え、
OUTQの参照・スプールの読取り・一時領域の利用などに必要な権限を確認します。
PDF出力の準備をする前に、まずスプールをテキストとして取得できることを
確認するのが切り分けやすい手順です。
また、現在は次のような制約があります。
- すべてのDDSキーワード・特殊表示・帳票の完全互換を保証するものではありません
- 日本語IMEとAlt+Tabによるフォーカス復帰は、十分な実機検証ができていません
- 自動サインオンはホスト側の設定にも依存します。QPWDLVL 4には未対応で、方式に応じた条件があります
- Windows Kerberos/SSOにはドメイン・SPNなどの設定が必要です
- スプール取得やPDF生成は、IBM iの機能・権限とWindows側の実行環境に依存します
おわりに
「それなり5250」は、5250画面の操作と、
スプールの確認・保存をVS Codeの中で行う拡張機能です。
画面の桁位置、日本語の文字幅、帳票の行間や改ページといった、
実際に使ったときに気になる部分を調整しながら開発しています。
独自部分のライセンスはMITです。
詳しい条件は同梱のLICENSE.txtを、
第三者ソフトウェアについてはNOTICE.mdと各許諾文を確認してください。
本ソフトウェアは完全な動作を保証するものではありません。
操作内容や、出力されるTXT・PDFなどの成果物は、必ず内容を確認したうえで利用してください。
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