皆さんこんにちは。「Anthrotech Advent Calendar 2025」、昨日に引き続き 16 日担当の inugaminé です。
前回は、人生初のアドベントカレンダーとして、OSS プロジェクトである「azooKey」に初めて本格的なプルリクエストを投げ、そのプルリクエストがマージされるまでのお話「azooKey で Colemak 使いたい → PR マージまでの一日」を書かせていただきました。
今回は、そんな azooKey を JIS 配列以外でも快適に使うためのおすすめ設定を紹介してみようと思います。
対象の読者について
この記事は JIS 配列以外の Mac を使っていて、英数/日本語入力の切り替えを Control + Space で行っている沼っていない方主に初心者の方を対象としています。
JIS 配列をお使いの方は、そんな苦労があるんだな〜と思いながら読んでいただけると幸いです。後悔はしていません。
前提のお話
標準設定の Mac で英数/日本語入力の切り替えを行う場合、多くは Control + Space で切り替えることになります。しかしながら、Control キーって US 配列だと中途半端なところにあり、Fn キーをうっかり押してしまうこともしばしば。
その点、Caps Lock キーって指が伸ばしやすいところにあると思いませんか?小指を横に伸ばすだけで一発で届きますよね。しかもこのキーって、普段「大文字を連続で入力する」以外に使い道がないと思うんですよね。なんなら邪険に扱われている現実があります。
今回は、そんな Caps Lock キーを劇的に便利にしてしまいましょうというご提案です!(しかも Caps Lock キーの機能はそのまま維持することができます!)
準備をしましょう!
お使いの Mac に Karabiner Elements というアプリをインストールしましょう。
このアプリは Mac のキーボードに別のキーを割り当てることができるようになる便利なアプリです。
執筆時点のバージョンは v15.7.0 であり、いかに活発に開発されているかが窺えますね☝️
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まずはパッケージをダウンロードします。
「Download v15.7.0」というボタンを押して、Karabiner-Elements-15.7.0.dmg というファイルをダウンロードします。ダウンロードしたファイルはダウンロードフォルダ、あるいはブラウザで設定したダウンロード先に保存されるので、ダブルクリックしてマウントしましょう。 -
ファイルをマウントすると Karabiner-Elements.pkg というファイルが現れます。これが今回の目的のインストーラーです!ダブルクリックしてインストーラーを起動し、画面の指示に従ってインストールしましょう。
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インストールが完了したら、アプリケーションフォルダを開きます。
今回インストールした「Karabiner-Elements」と「Karabiner-EventViewer」というアイコンが増えています。このうち、Karabiner-Elements をダブルクリックして Karabiner Elements を起動します。 -
起動すると英語で何やら畳み掛けてきますが、まずはお使いのキーボード配列を Karabiner Elements に明示しましょう。
US 配列であれば ANSI を。UK 配列などは ISO を選択してください。 -
次は権限の設定です。Mac は通常、セキュリティの関係でキーボードの入力やその他システムに介入するアプリケーションを利用する場合、システム設定で個別に許可を行う必要があります。画面の案内に従って、Karabiner Elements に権限を与えましょう。具体的には「Karabiner-Elements Privileged Daemons v2」という項目のトグルスイッチを有効側に設定します。
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Karabiner-Elements Privileged Daemons v2 に権限を付与した後、次は拡張機能でも権限設定を行います。
基本的には画面の遷移に任せれば大丈夫ですが、拡張機能欄の「.Karabiner-VisualHIDDevice-Manager」の右端にある(i)のようなボタンを押して、ドライバ機能拡張のトグルスイッチを有効側に設定します。
macOS 26 Tahoe では恐らく描写のバグが原因で、パスワード入力後にトグルスイッチが有効側に移動しないのですが、一度完了ボタンを押して再度開くと有効側になっていると思います。念のため確認してください。
ここまで来たら、Karabiner Elements のインストールは完了です!🙌
実際に設定をしましょう!
Karabiner Elements を開きます。
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左ペインに並んでいる項目の中から「Complex Modifications」を選択します。
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画面上部にある「Add your own rule」というボタンを押してエディター画面を開きます。
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テンプレートのコードが記述してある画面が表示されます。
全選択して削除し、下記のコードを貼り付けましょう。
{
"description": "Caps Lock to Control+Space",
"manipulators": [
{
"from": { "key_code": "caps_lock" },
"to": [
{
"key_code": "spacebar",
"modifiers": ["left_control"]
}
],
"type": "basic"
}
]
}
- 貼り付けたら「Save」ボタンをクリックして保存します。
- 「Caps Lock to Control+Space」というタイトルの項目が追加され、トグルスイッチが有効側になっていることを確認しましょう。
お疲れ様です、これで Caps Lock に Control + Space を割り当てることができました!
Caps Lock を使いたいときは?
さて、この状態では Caps Lock 短押しで大文字入力ができません。
しかしご安心ください! Shift + Caps Lock を押すことで、今までどおりの Caps Lock キーの機能を使うことができます!
これで英数/日本語入力を切り替えつつ、必要なときに Caps Lock を使えるようになりました🙌
※ごく稀に、英数入力と日本語入力を切り替えられなくなる(押しても元のインプットメソッドに戻ってしまう)ことがあるのですが、その場合は Caps Lock キーを長押ししながら入力したい文字のキーを押すと正常に切り替えられるのでお試しください。
終わりに
いかがでしたか?(←これ一回書いてみたかったんですよね)
Karabiner Elements を用いて、Mac の文字入力をより便利にできました。これで JIS 配列以外でも azooKey を快適に使うことができます。
実は Mac 標準の日本語 IM にはデフォルトで Caps Lock キー短押しで英数/日本語入力を切り替える機能があり(!)、長押しで大文字入力にも入ることができるのですが、短押しのはずが長押しをした判定を食らってしまって意図したように切り替えられないことがままあるため、個人的にはあまりおすすめできません。
その点、今回の手法では Shift キーを押す手順が入ることにより、意図しない切り替えを防ぐことができます。
Karabiner Elements を使えば、今回紹介したキー以外も自分好みにカスタマイズできるので、ぜひいろいろ試してみてください!
以上、16 日担当の inugaminé でした。