はじめに
2026年7月9日に開催された F5 AppWorld Tokyo 2026 に参加してきました。
イベント公式サイトはこちらです。
- F5 AppWorld Tokyo 2026
私はインフラエンジニア3年目で、主にネットワーク領域の設計・構築・運用に携わっています。
最近はF5製品に触れる機会が少なくなっていたこともあり、「現在のF5はどのような課題に注目し、どのようなソリューションを提供しているのだろう」と興味を持ち、参加しました。
本記事ではイベントの様子と、特に印象に残ったセッション
見えないリスクを、見える化する。証明書管理・暗号の可視性・アプリ観測性の新常識
について、ネットワークエンジニアの視点で感じたことをまとめます。
技術的な詳細解説というよりは、イベントを通して得た気付きや学びを中心に紹介できればと思います。
事前準備
今回のイベントは事前登録制でした。
せっかく参加するなら少しでも理解を深めておきたいと思い、事前にF5の代表的な製品である BIG-IP LTM(Local Traffic Manager) について軽くおさらいしてから参加しました。
以前の案件ではF5製品に触れる機会がありましたが、最近は別の業務が中心で最新動向までは追えていませんでした。
改めて振り返ると、LTMは単なるロードバランサではなく、
- 負荷分散
- SSL/TLS終端
- ヘルスチェック
- アプリケーション配信の最適化
など、アプリケーションを安定して利用するためのさまざまな機能を提供しています。
イベントのテーマを見ても、アプリケーションの可視化やセキュリティが中心になっていたため、「アプリケーションを安全かつ安定して届ける」というF5の考え方を思い出しながら参加できたのは良かったと思います。
また、セッション一覧を確認し、特に気になった講演を事前にピックアップして当日のスケジュールを決めておきました。
その中でも最も興味を持ったのが、
「見えないリスクを、見える化する。証明書管理・暗号の可視性・アプリ観測性の新常識」
というセッションでした。
普段の業務でも、
「障害は発生しているのに原因が見えない」
「証明書の管理状況を把握しきれない」
といった課題に直面することがあるため、どのような話が聞けるのか楽しみにしながら会場へ向かいました。
現地の様子
会場は ANAインターコンチネンタルホテル東京 でした。
受付を済ませると、さっそく多くの参加者で賑わっており、イベントへの注目度の高さを感じました。
会場入口
まずは入口で記念に1枚。
普段は現場や社内で業務をすることが多いため、このような大規模イベントに参加すると新鮮な気持ちになります。
会場の様子
会場内にはセッションエリアのほか、スポンサー企業やF5の展示ブースが設けられていました。
セキュリティやAI関連の展示が多く、参加者が熱心に説明を聞いている様子が印象的でした。
普段の業務ではなかなか触れる機会のない製品やサービスについて話を聞くことができ、とても良い刺激になりました。
ランチタイム
お昼は数種類のお弁当の中から好きなものを選べる形式でした。
私は 今半のお弁当 を選びました!
イベントでは昼食の場所に困ることも多いので、お弁当を用意していただけるのは本当にありがたいです。
印象に残ったセッション
見えないリスクを、見える化する。証明書管理・暗号の可視性・アプリ観測性の新常識
証明書の有効期限短縮がもたらす課題
今回のセッションで特に興味深かったのが、証明書管理に関する話題でした。
近年はサーバ証明書の有効期限短縮の動きが進んでおり、今後はこれまで以上に頻繁な更新作業が必要になります。
証明書は普段意識する機会が少ないものの、期限切れが発生するとサービス停止や利用者への影響につながる重要な要素です。
システム規模が大きくなるほど、
- どの証明書が利用されているのか
- いつ期限切れを迎えるのか
- 誰が管理しているのか
を把握することが難しくなります。
そのため、証明書の可視化はもちろん、効率的な管理方法も重要になってきます。
手作業による証明書管理の限界
運用環境によっては複数のロードバランサやサーバで証明書を利用しているため、
- 証明書の更新
- CSRの作成
- 認証局とのやり取り
- 秘密鍵の管理
といった作業をすべて手作業で行うのは大きな負担になります。
さらに、有効期限が短くなることで更新頻度も増え、人的ミスや更新漏れのリスクも高まります。
これからは「更新作業を頑張る」のではなく、「更新作業そのものを減らす仕組み」が必要になっていくのだと感じました。
ACMEによる自動化
セッションでは、その解決策の一つとして ACME(Automatic Certificate Management Environment) が紹介されていました。
私は名前を聞いたことはあったものの、内容まで理解できていたわけではありませんでした。
調べてみると、ACMEはRFC 8555として標準化されているプロトコルで、Let's Encryptでも利用されています。
証明書の発行や更新に必要な手続きを自動化できるため、有効期限短縮の流れを考えると今後ますます重要になりそうです。
特にインフラ運用の観点では、
「証明書を更新する」
ではなく、
「証明書が自動的に更新される仕組みを作る」
という考え方が重要になっていくのだと感じました。
BIG-IP向けのKOJOT-ACME
さらにセッションでは、BIG-IP向けのACMEクライアントである KOJOT-ACME も紹介されていました。
KOJOT-ACMEでは、
- 証明書の取得
- 証明書の更新
- スケジュール管理
- 秘密鍵の更新
などを自動化できるとのことです。
また、新しい証明書を利用するためのSSLプロファイル生成まで自動化できる機能も紹介されていました。
私自身、これまでは証明書更新を定期的な運用作業の一つとして捉えていましたが、有効期限短縮の時代ではこうした自動化ツールの重要性はさらに高まると感じました。
ロードバランサを運用する立場としても非常に興味深い内容で、今回のセッションをきっかけにACMEや証明書自動更新の仕組みについてもう少し深く学んでみたいと思います。
参考リンク
-
KOJOT-ACME
-
ACME (RFC 8555)
まとめ
今回のイベントを通じて、インフラ運用で本当に重要なのは「問題が起きた後の対応」だけでなく、「問題が起きる前に気付ける状態を作ること」なのだと感じました。
特に証明書管理は、普段は意識する機会が少ない一方で、期限切れや更新漏れが発生すると大きな影響につながる領域です。
正直なところ、これまでは証明書の更新作業を運用タスクの一つとして捉えていました。しかし今回のセッションを聞き、可視化や自動化まで含めて考えることが今後ますます重要になるのだと感じました。
まだまだ学ぶことは多いですが、今回得た気付きをきっかけに、証明書管理やオブザーバビリティについて理解を深めていきたいと思います。![]()
