内容
Amazon FSx for Windows File Server(以下、FSx for Windowsと記載)の利用方法や仕組みについての入門記事となります。概要というよりは、下記のような利用方法や運用の観点で記載します。
- 可用性と耐久性
- ストレージ
- 接続方法
- パッチ適用
- バックアップ
- VSS(ボリュームシャドウコピー)
- クォータ管理
- 料金について
可用性と耐久性
FSx for Windowsは、内部的にWindows Server上にファイルサーバが構成されます。可用性と耐久性に記載があるように、シングルAZおよびマルチAZを選択することが可能ですが、シングルAZの場合は下記のような可用性、耐久性を許容できる環境で使用します。
計画的なファイルシステムのメンテナンスや計画外のサービス中断が発生した場合、最大 20 分間の一時的な可用性の喪失を許容できます。また、まれに、最新のバックアップ以降のデータ更新の損失が発生することもあります。
ストレージ
ストレージはHDDまたはSSDを選択することが可能です。HDDの場合の最小容量は2,000GiB、SSDの場合の最小容量は32GiBです。ストレージの管理に記載があるように、容量の拡張はできますが、縮小はできません。またHDDからSSDへの変更はできますが、SSDからHDDへの変更はできません。その他、ファイルシステム作成時にはスループットキャパシティを指定しますが、これによってクライアント側にデータを提供する速度が決まります。
接続方法
FSx for WindowsはActive Directoryが必須です。今回例として、example.localというドメイン環境でファイルシステムを作成したとします。その際、hogehoge.example.localのようにランダムなDNS名が払い出されます。クライアント側からは\\hogehoge.example.localのように通常のファイルサーバと同様にアクセスすることが可能です。ただし、DNSエイリアスを使用したデータへのアクセスに沿ってSPNの設定やCNAMEレコードの設定等を行うことで、\\fsx.example.localのような任意の名前でアクセスすることが可能です。
なお、接続のためセキュリティグループの設定を行う必要があります。
パッチ適用
パッチ適用は自動的に行われます。デフォルトのメンテナンス時間を指定するか、30分間の任意のメンテナンス時間を週次で指定することが可能です。下記の通り、シングルAZの場合はパッチ適用中はファイルサーバが利用できなくなります。
パッチの適用中は、シングル AZ ファイルシステムが使用できなくなります (通常 20 分間未満)。マルチ AZ ファイルシステムは引き続き利用可能で、優先ファイルサーバーとスタンバイファイルサーバー間で自動的にフェイルオーバーおよびフェイルバックを行います。
バックアップ
日次の自動バックアップ設定が可能です。デフォルトのバックアップウィンドウを使用するか、任意の30分間のバックアップウィンドウを指定します。バックアップは増分バックアップとなります。その他、手動でのバックアップやAWS Backupでのバックアップ取得も可能です。AWS Backupからの取得であれば、より柔軟な頻度でのバックアップ取得が可能です。
VSS(ボリュームシャドウコピー)
VSSはデフォルトで有効化されていないため、PowerShellで有効化します。最大量やスケジュールは任意の設定が可能ですが、デフォルトは下記のような設定になっています。
シャドウコピーストレージのデフォルト設定では、シャドウコピーがファイルシステムストレージ容量の最大 10% を消費するようになっています。
デフォルトのスケジュールでは、毎週月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日の午前 7:00 および午後 12:00 (UTC) に自動的にシャドウコピーが取得できます。
クォータ管理
ユーザーまたはグループに対してクォータの設定することが可能です。ソフトクォータ(警告)とハードクォータ(制限)の設定が可能です。なお、File Server Resource Manager (FSRM) を利用する場合、ファイルシステムの設定がSSDかつスループット容量が128 MB/秒以上である必要があります。
料金
AWS Pricing Calculatorを使用して、下記の条件で月額費用を算出しました。
- ディスク容量:2,000GiB
- 重複排除の削減:30%
- バックアップストレージ:2,000GiB
| スループット | シングルAZ(HDD) | シングルAZ(SSD) | マルチAZ(HDD) | マルチAZ(SSD) |
|---|---|---|---|---|
| 32MBps | 173.36USD | 369.36USD | 277.6USD | 662USD |
| 128MBps | 416.24USD | 622.4USD | 774.4USD | 1,118.8USD |
ちなみに、m7i.large(2vCPU/8GiB)でSSD 2,000GBのEC2利用料は、オンデマンドインスタンス(バックアップなし)で354.21USDです。


