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⑤経済産業省が進める「行政手続きのデジタル化」~行政のDXに最適な認証基盤 GビズIDとは~

Last updated at Posted at 2020-11-09

はじめに

インフォシェア株式会社です。

この度弊社は、経済産業省の「行政手続PaaS環境の導入実証・調査事業」に参画し、ローコード・ノーコードのツールを用いてアプリとWebのポータルサイトを構成することでDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するプロジェクトを進めています。

現在、経済産業省における下記の2つの申請業務について、デジタル化の検討を行っています。

後援名義申請:※現在、検討を進めています
各種イベント等で、経済産業省の後援名義を使用するための申請

オープンイノベーション促進税制申請:※申請の利用を開始しています
オープンイノベーション促進の基準を満たす企業への出資を行った企業が行う税控除申請

プロジェクト全体の概要に関しては下記の記事をご覧ください。
①経済産業省が進める、「行政手続きのデジタル化」とは。~ gBizFORMの展開について~


今回の記事のテーマは、行政DXに最適な認証基盤 GビズIDについてです。

特に申請業務のDX化を検討されている自治体担当者様には是非ご理解いただきたい内容です!

個人情報や企業情報取り扱う行政手続きの電子化にあたっては、利用者のプロフィールを適切に取得する必要があります。申請者が法人格であるのか、はたまた個人事業主なのかなど。

既存の紙の業務では、これらのプロフィールは「書いて」提出し、「捺印」を添えて担保することができましたが、DXで電子申請にした場合には、既存の方法を適用することは出来ません。せっかく電子化をするわけですから、利用者に対しても24時間、いつでも好きなときに申請が実行できる利便性を提供したいと考えるはずです。

本プロジェクトでは、申請に際し、利用者のプロフィールを特定する手段としてGビズIDを採用しました。

本記事では、GビズIDとはどのような認証基盤なのか、なぜ行政の電子手続きにGビズIDが最適と言えるのか、といった点について紹介していきます。

行政のDXに最適な認証基盤:GビズID

gBizUseCase.png

GビズIDとは

GビズIDは「1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる法人および個人事業主向けの認証」が可能なサービスです。
経済産業省によって運営されており、現在企業から行政サービスへの認証に利用されています。
2020年4月にサービス提供が開始され、順次利用できる範囲が拡大しています。

GビズIDには下記3種類のアカウントがあります。

  • gBizIDエントリー・・・誰でも即日作成可能なアカウント
  • gBizIDプライム・・・申請・審査を通して作成される法人代表者・個人事業主向けのアカウント
  • gBizIDメンバー・・・gBizプライム利用者が自分の組織内で作成する従業員向け

GビズIDはどの種類のアカウントに関しても無料で作成することができます。

詳しくは下記のGビズIDホームページ(GビズIDの登録はこちらで開始します)やマニュアルをご確認ください。
GビズIDホームページ
GビズIDクイックマニュアル gBizIDプライム編
GビズID各種マニュアル

GビズIDが使用できる手続き

順次拡大しているGビズIDが使用できる行政サービスですが、2020年10月現在では下記のようなサービスでご利用いただくことができます。

  • 社会保険手続きの電子申請
  • jGrants(補助金申請システム)
  • マイナポータル(マイナンバー制度を基にした厚生年金、雇用保険などの電子申請)
  • 農林水産省共通申請サービス
  • ミラサポplus(中小企業向け補助金、支援サイト)
  • 経営向上計画申請プラットフォーム(認定された事業者への税制や金融支援)  他多数

2020年11月には総務省による電子政府の総合窓口である「e-Gov電子申請」でもGビズIDによる認証がスタートする予定です。

本プロジェクトにおけるGビズIDの採用


本プロジェクトでは上記画像のように、申請者が各種申請や交付文書の受け取りを行う窓口として「Gビズフォーム」というポータルサイトを公開し、そこから電子申請された情報を各申請ごとに用意された省内用アプリを通して処理するシステムを作成しました。

Gビズフォームポータルサイトへはこちらから → Gビズフォーム ポータルサイト

今後、ポータルサイト上で申請できる手続きは順次増えていく予定です。

そこでポータル上のセキュリティを担保しつつ、かつすべての申請で共通に法人プロフィール情報を使用できる基盤としてGビズIDを採用しました。

下の画像のようにポータルサイトは、認証の有無に関わらず閲覧できるページ、GビズIDで認証されたすべてのユーザーが閲覧できるページ、gBizプライム・gBizエントリーで認証されたユーザーのみ閲覧できるページという3層構造で設計されています。

GビズIDの種別分けを利用し、各々の申請で求められている法人格の確認レベルに応じたアクセス権を付与し電子申請を実現しています。


<安全性>
GビズIDは経済産業省が提供している、省外を含む行政手続き一般に使用することを想定された基盤です。
行政におけるDXを検討するにあたり、政府省庁によって安全性が担保されている認証基盤であるGビズIDを使用することは、民間の認証サービスにはない「法人格」の付加情報を得ることができ、ただのユーザー認証以上の価値をもたらします。

GビズIDサインインでは、ユーザーが登録している電話番号にSMSでワンタイムパスワードが送信される二要素認証も利用可能です。。(※gBizプライム・メンバー対応)


<使いやすさ>
上に記したとおり、GビズIDにはエントリー・プライム・メンバーの3種類があります。
このうちエントリーは誰でも即日Web登録することができるので、使用開始の手間はほとんどかかりません。

法人代表者向けのプライムへの種別変更には書類手続きが必要ですが、プライムユーザーは自社の従業員にメンバーアカウントを発行することができるので、社内でのGビズID認証を伴う業務の受け渡しが容易に行えるつくりになっています。これにより、アカウントの使い回しなどを防ぐことができます。

また、ポータルサイトなどサービスの管理者としては、エントリー・プライム・メンバーの種別によってサイト上で行える申請手続きやアクセスできるページに異なる制限を付ける判断基準としても使用することができるのでサービス運用上のメリットもあります。

今回作成したポータルサイトでも、オープンイノベーション促進税制の申請はプライム・メンバーアカウントのみ可能で、後援名義申請はエントリーアカウントでも可能というセキュリティの区分けを実装しています。



<認証情報の管理>
GビズIDの特徴は「1つのアカウントで複数の行政サービスにサインインできる」という点にあります。

実際に「GビズIDさえ持っていればあらゆる行政サービスが使用できる」という状態を実現する方向へ、GビズIDが使用できる行政サービスは順次拡大しています。認証情報が一本化に近づくことで利用者の認証情報の管理負担は軽減されます。

また「社会保険や厚生年金の電子手続きの時に作ったGビズIDでこのサービスも使えるんだ」という印象を利用者に与えることで、利用者の心理的なハードルひとつ取り除き、認証という利用者にとっては面倒なプロセスがサービス普及を妨げるという状況を防止することになります。

GビズIDの今後の展開

gBizPrevail.png
2020年11月の「e-Gov電子申請」でのGビズID認証スタートによって、「e-Gov電子申請」「マイナポータル」という行政手続きの電子申請の2大プラットフォームの両方でGビズ認証が利用可能となります。

GビズIDは無償で取得することができます。最初、法人格を証明するためにいくつか手続きと書類提出が必要ですが、一度IDを取得すると、様々な場面で利用できる便利なIDのため、ますます普及していくことが予想されます。

先にはGビズIDを民間サービスでも使用できるような展開についても議論されています。

今後の展開が広がっていくことを踏まえても、GビズIDは行政のDXに最適な認証基盤といえるでしょう。

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