ESP32にてMicroPythonを使ってLCD制御

組み込みソフトウェア開発にMicroPythonを用いるのはトレンディの一つ。Pythonをまともに使ったことがなかったので、LCD制御を題材にトライ。

使ったもの

秋月電子などで売られているESP32 DevKitボード
IO Expander PCF8574を搭載した、20x4 LCD。例えば、これ。
5Vを供給するためだけのArduino（使用するLCDが5V駆動のため）

ESP32でのMicroPython開発環境

環境構築には、こちらのサイトなどを参照した。また、ESP32用のMicroPython Firmwareは、本家サイトにある次のもの
- esp32spiram-20210902-v1.17.bin
を利用。

まず、各種ツールをインストールする。

Python

WindowsにてPythonをインストール。詳細略。

コマンド系ツール

MicroPython FirmwareをESP32に書き込むためのesptoolをpipにてインストール。

> pip install esptool

コマンドラインから、プログラムを操作するampyをインストール。（オプション）

> pip install adafruit-ampy

uPyCraft IDE

GUI上で、FirmwareやProgramの書き込みを行うアプリケーション。今回はこれを多用。ここからダウンロードできる。

uPyCraft操作

ESP32用MicroPython Firmwareの書き込み

「BurnFimrware」を選ぶと、

または

が表示されるはず。ここでは、すでに”choose”をクリックして書き込むFirmwareを選択済みとなっている。burn_addrは0x1000、COMポートを確認して、OKで書き込み。すると、

となる（boot.pyが見える）。また、uPyCraftを再起動したときは、適切なCOMポートを選択する。

LCD制御

IO Expander PCF8574を搭載したLCDをMicroPythonから制御する。このサイトにあるコードをほぼそのまま利用。

LCD APIおよびI2Cライブラリのインストール

上記サイトにある「lcd_api.py」および「i2c_lcd.py」をそのままCopy&Pasteしてファイル化する。これらをuPyCraftでOpenし、ESP32に書き込む（Downloadをクリック）。

両ファイルのDownload後には次のようになる。

サンプルコード

次に先ほどのサイトのを参考にコードを作成。

LcdTest.py

from time import sleep_ms, ticks_ms 
from machine import I2C, Pin 
from i2c_lcd import I2cLcd 

I2C_ADDR = 0x27
COLUMN = 20
LINE = 4

i2c = I2C(scl=Pin(22), sda=Pin(21), freq=400000) 
lcd = I2cLcd(i2c, I2C_ADDR, LINE, COLUMN)

lcd.clear()
lcd.putstr('LCD TEST')
sleep_ms(3000)
count = 0

while True:
    print('Counter: {}'.format(count))
    lcd.clear() # Clears the LCD,
                # Sets the cursor position to 0,0 
    lcd.putstr('Counter: {}' .format(count))
    lcd.move_to(count%10+2, 1)
    lcd.putstr('Wait ...')
    lcd.move_to(count%10+4, 2)
    lcd.putstr('.....')
    lcd.move_to(count%10+6, 3)
    lcd.putstr('Soon')
    count = count + 1
    sleep_ms(1000)

ESP32のI2Cのピン（SCL:22, SDA:21）を設定し、LCD（PCF8574）のI2Cアドレスはデフォルトの0x27、20列および4行を設定する。このファイルをuPyCraftでOpenし、DownloadAndRunすれば実行できる。

実行

備考

LCD制御API

先ほどのサイトの情報から引用。

# 1. To print a string to the LCD:
#    lcd.putstr('Hello world')
# 2. To clear the display:
#    lcd.clear()
# 3. To control the cursor position:
#    lcd.move_to(2, 1)
# 4. To show the cursor:
#    lcd.show_cursor()
# 5. To hide the cursor:
#    lcd.hide_cursor()
# 6. To set the cursor to blink:
#    lcd.blink_cursor_on()
# 7. To stop the cursor on blinking:
#    lcd.blink_cursor_off()
# 8. To hide the currently displayed character:
#    lcd.display_off()
# 9. To show the currently hidden character:
#    lcd.display_on()
# 10. To turn off the backlight:
#    lcd.backlight_off()
# 11. To turn ON the backlight:
#    lcd.backlight_on()
# 12. To print a single character:
#    lcd.putchar('x')
# 13. To print a custom character:
#    happy_face = bytearray([0x00, 0x0A, 0x00, 0x04, 0x00, 0x11, 0x0E, 0x00])
#    lcd.custom_char(0, happy_face)
#    lcd.putchar(chr(0))

uPyCraft

実行中プログラムの強制Stop

ファイルの操作

アプリケーションを右クリックすると各種操作が可能。下記はプログラム削除の選択。

起動（電源ON）時プログラムの選択

プログラムを選んで右クリックし、

「Default Run」を選択する。すると、そのProgramが赤字表示となり、電源ON時に起動される「main.py」が作成される。

MicroPythonを使ってみる（その１：LCD制御）