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個人開発のアプリがAppStoreで炎上した日のレビュー欄に書いてあったこと

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Last updated at Posted at 2026-04-14

リリースから72時間で、AppStoreのレビューに100件以上の★1がついた。

通知が来るたびに胃が痛くなった。それでもレビューを読み続けた。

削除しなかった。なぜなら、その怒りの中に「本物の声」があったから。

アプリを作った経緯

アプリ名は「TaskNest」。タスク管理アプリだ。

世の中にタスク管理アプリは数えきれないほどある。それでも作ったのは、「通知がうるさすぎる」という個人的な不満からだった。

「通知は自分が望んだタイミングにしか来ない」「完了したタスクは即消える」「シンプルで余計な機能は一切ない」

この3点に絞って開発した。期間は約4ヶ月。仕事終わりと週末だけで作り上げた。

機能 詳細
スマート通知 ユーザーの行動パターンを学習して最適なタイミングで通知
即時削除 タスク完了ボタンを押すと0.5秒でリストから消える
ゼロ設定 インストール直後から使える。設定画面がない

リリース当日、Qiitaに開発記事を投稿した。

「通知地獄から解放するタスクアプリを個人開発した」というタイトルで。

炎上の始まり

最初の1時間は順調だった。

LGTM数が増え、コメントも好意的なものが多かった。

「シンプルで良い」「さっそくDLした」「UIが好き」

そして3時間後、Xで「このアプリの通知の仕組みがおかしい」というツイートが流れてきた。

「学習型通知が、深夜2時に通知を送ってきた。プレゼン前日なのに眠れなかった」

このツイートが瞬く間に拡散した。

時間経過 状況
0〜3時間 好意的な反応、DL数順調
3時間 「深夜通知」ツイートが拡散開始
6時間 AppStoreに★1が殺到
12時間 ★1が50件突破
24時間 ★1が100件超え、DL数激減

★1レビューの内容

100件を超えたレビューを全部読んだ。

分類するとこうなった。

分類 件数 代表的な内容
「深夜に通知が来た」 42件 「朝4時に通知が来た」「就寝中に何度も来る」
「学習機能が全然学習しない」 31件 「毎日同じ時間に使ってるのに、全然ズレた時間に来る」
「設定がないのが問題」 18件 「通知OFFにする方法がない」「睡眠時間を設定できない」
「アプリ自体のコンセプトへの批判」 9件 「こんな中途半端なAI機能いらない」

全部読んで気づいたこと。

怒りの根本は「学習アルゴリズムの精度不足」ではなかった。

「ユーザーのコントロールを奪ったこと」だった。

「設定画面がない」というのは、開発者の「シンプル信仰」だった。でもユーザーにとっては「自分の睡眠時間も設定できないのか」という怒りだった。

開発者としての後悔

「設定画面ゼロ」というコンセプトは、自分では誇りだった。

余計な設定を排除することで「誰でも使える」と思っていた。

でも実際は違った。

「カスタマイズできない」は「使いやすい」ではなく「融通が利かない」だった。

ユーザーインタビューを全くやっていなかった。

やったこと やらなかったこと
コーディング4ヶ月 ユーザーインタビュー
UIデザインの試行錯誤 プロトタイプテスト
個人的な使用感のチェック 多様な使用シーンの検証
Qiita記事の準備 睡眠時間帯への配慮

エンジニアの「自分が使いやすいと思うもの」は、「全員が使いやすいもの」ではない。

当たり前のことを、100件の★1で学んだ。

炎上後の対応

72時間以内に緊急アップデートを出した。

追加した機能は1つだけ。「通知禁止時間帯の設定」だ。

「設定画面ゼロ」のコンセプトは諦めた。

IQテスト画像

「諦める」は悔しかった。でも正しい判断だった。

アップデート後、★1の投稿が止まった。「通知設定できるようになった」という★4・★5が増えた。

「こういう対応ができる開発者なら信頼できる」というコメントまで来た。

炎上したアプリが、アップデートで息を吹き返した。

炎上から学んだこと

炎上は「全否定」ではなかった。

ユーザーの怒りの中には、必ず「使おうとしていた」という前提がある。

無関心な人は★1すらつけない。★1をつけた人は、アプリを試して、期待して、裏切られた人だ。

種類のフィードバック 意味
★1(機能への怒り) 「使おうとしたが使えなかった」
★1(コンセプトへの批判) 「アプリの方向性が合わない」
★5(改善後) 「問題が解決された」
無反応 「最初から関心がない」

★1の怒りは「エネルギー」だ。

そのエネルギーをどう読み解くかが、個人開発者としての腕の見せどころだと思う。

IQとアプリ開発の関係

炎上後、自分のIQを測った。

「なぜこんな判断ミスをしたのか」を知りたかったから。

結果は、悪くなかった。

でもそれが逆に怖かった。

「IQが高ければ正しい判断ができる」わけではない、ということだ。

認知能力が高くても、バイアスは存在する。

自分の場合、「自分が使いやすいものは、他人も使いやすいはずだ」という思い込みがあった。これは「投影バイアス」と呼ばれる認知の歪みだ。

IQテストは論理的思考力を測れるが、「自分の思い込みに気づく力」は別物だ。

炎上して初めて、自分の認知バイアスに気づいた。

高いIQと盲点は共存する。

まとめ

出来事 学んだこと
★1が100件 ユーザーは「使おうとした人」
「設定なし」への批判 シンプルと不自由は違う
緊急アップデート後の復活 誠実な対応は信頼を生む
自分のIQを測った IQと認知バイアスは別問題

個人開発のアプリが炎上した日、レビュー欄に書いてあったのは「怒り」だけじゃなかった。

「もっと良くなってほしい」という期待が、怒りに変換されたものだった。

そう読み直すと、★1は最も熱心なフィードバックだと思えてくる。

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