【RPA・自動化の落とし穴】
「シナリオ作成」の前に絶対にやるべき2つのこと
「手作業の業務を自動化して楽にしたい!」と意気込んでシナリオを作ってみたものの、
なぜかうまく動かなかったり、運用が続かなかったりした経験はありませんか?
実は、自動化が挫折してしまうのには明確な理由があります。
今回は初心者の方に向けて、自動化を成功させるために 「シナリオを作る前に必ずやっておくべき2つのポイント」 を分かりやすく解説します!
1. なぜ「自動化」は続かないのか?
よくある失敗パターンとして、 「今の読みにくい表や複雑な手作業を、そのままRPAに覚えさせようとする」 というものがあります。
人間が見て「小計」や「空白」を判断しながら処理しているような複雑なレイアウトの表をそのまま自動化しようとすると、RPAのシナリオ側で「もしB列が小計なら1行飛ばす」「空欄なら次の列へ行く」といった、条件分岐だらけの非常に複雑な処理を作らなければならなくなります。
その結果、以下のような問題が発生します。
- シナリオの処理が複雑になりすぎて、作るのも修正するのも面倒になる
- 作った人が異動や退職をした際、ドキュメントもないため誰も中身を理解できなくなる(ブラックボックス化)
- 「もう関わりたくない……」と放置され、せっかくの自動化が使われなくなってしまう
あのマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も、自動化について以下のような言葉を残しています。
「効率的な業務に適用された自動化は効率を増大させるが、非効率な業務に適用された自動化は非効率を増大させる。」
つまり、まずは自動化する前の「業務」と「データ」そのものを整理することが最優先なのです。
2. 自動化のハードルを下げる「2つのアプローチ」
自動化の難易度を劇的に下げ、誰でもメンテナンスできるようにするためには、最低限以下の2点を必ず行いましょう。
① 業務の見直し(ECRSの原則)
まずは、その業務自体をシンプルにできないか検討します。これには 「ECRS(イクルス)の原則」 を使うのがおすすめです。
| 頭文字 | 検討内容 | 具体的なアプローチ |
|---|---|---|
| E(Eliminate:排除) | そもそも、その作業は本当に必要? | やめられないか考える |
| C(Combine:結合) | 別々の作業を一緒にできない? | まとめられないか考える |
| R(Rearrange:入れ替え) | 順序を入れ替えたら楽にならない? | 作業内容や適材適所の見直し |
| S(Simplify:簡素化) | もっと単純にできない? | 手順の見直しやパターン化 |
特に「排除(やめる)」は、一番ハードルが低く効果が出やすいため、最初に取り組む価値があります。
② データの整備(データベース形式への変更)
人間が見やすいように整えられた表(帳票形式)は、機械にとっては非常に読み取りにくいものです。RPAが迷わずデータを処理できるように、**「データベース形式」**に整備しましょう。
見直すべき「NGデータ」の例:
- 1つのセルに「日付・場所・商品名」など複数のデータが改行されて入っている
- セルが結合されている
- データが途中で分断されている
- 数値データの欄に「円」や「個」などの文字列が含まれている
- スペースや改行等で見た目の体裁を整えている
これらを解消し、**「1行1データ、1セル1要素」**の綺麗なリスト(データベース形式)にすることで、RPAのシナリオは「上から順にデータ数だけ繰り返す」という非常にシンプルな処理だけで済むようになります。
3. データを整備することの圧倒的なメリット
データを綺麗に整えることは、RPAのためだけではありません。その後のデータ活用の効率が全般的にアップします。
- RPAで処理しやすくなる(エラーが出にくく、シナリオが簡単になる)
- Excelの関数やVBAで集計しやすくなる
- ピボットテーブルなどの機能がそのまま使える
- BIツールなどを使ったデータ分析・可視化がスムーズになる
【まとめ】 急がば回れ!自動化への近道
「早く自動化したい!」という気持ちから、すぐにRPAの画面を開いてシナリオを作りたくなる気持ちはよく分かります。しかし、ぐっとこらえて以下の2点をはじめに行いましょう。
- 業務の見直し
- データの整備
この2点を見直すだけで、自動化のハードルは驚くほど下がります。結果として、誰でも修正しやすく、長く使い続けられる最高のシナリオができあがります。
業務とデータをすっきりさせて、快適な自動化ライフをスタートさせましょう!