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AWS CodePipelineを用いてLambda関数を更新するCI/CDの実装

Last updated at Posted at 2023-12-19

はじめに

本記事はPERSOL PROCESS & TECHNOLOGY Advent Calendar 2023の記事です。
前記事(公式LINEアカウントへのログイン処理をAWS Lambda経由で実装してみた)を実装する開発環境にて、自動でLambda関数を更新するCI/CD環境を作成してみました。開発フェーズを素早く実施するための環境整備のお話になります。とっても簡単便利なのでぜひ。

構成図

各AWSサービスの役割は以下になります。

・Amazon ECR
  →DockerImageレポジトリ
・AWS Lambda
  →今回のデプロイ先
・CodeCommit
  →コードGitリポジトリ
・CodeBuild
  →ビルド・lambda更新コマンド実行
・CodePipeline
  →CI/CDのパイプライン

実装

ローカル環境

Dockerにてイメージ作成できる環境、およびCodeBuildで実行するbuildコマンドを記述したbuildspecファイルを作成します。

ファイル構成例は以下です。今回の実装で利用しないファイルは削除しているため、とても単純な設計となっています。

docker フォルダ
  ∟Dockerfile … Dockerのコンテナイメージを作成するコマンドファイル
  ∟requirements.txt … 必要なライブラリを記載、Dockerfileの参照先
domain フォルダ
  ∟app.py … Lambda関数コードを記載するファイル
buildspec.yml … CodeBuildで実行するbuildコマンドファイル


始めにDockerfileです。ここでのポイントはベースイメージの選択です。
今回はLambda関数実行環境であること、そしてLambda関数はPythonで記述すること、そしてECRからイメージを取得して作成されるということから、AWSベースイメージを使用しています。

Dockerfile
# ベースイメージの指定
FROM public.ecr.aws/lambda/python:3.11

# requirements.txtをコピーして依存関係をインストール
COPY ./docker/requirements.txt ./
RUN pip install --upgrade pip && \
    pip install -r requirements.txt && \
    rm requirements.txt

# アプリケーションのコードをコピー
COPY ./domain/  ./domain/

# ポートの公開
EXPOSE 80
CMD ["domain.app.lambda_handler"]

次にYMLファイルを作成します。これはこの後作成されるCodeBuildで実行されるコマンドを記述しているものとなります。
"$"から始まる変数は環境変数値です。(詳細は実際に環境変数値を設定する箇所で説明)
envはイメージ作成時のタグ名とバージョン管理用の変数になります。こちらはご自身が管理しやすいよう変更してください。

各フェーズの説明です。
1.pre_build
→AWSCLIを利用してECRへ認証を行います。
2.build
→DockerFileを元にイメージを作成します。作成したイメージへタグつけを行います。
3.post_build
→ECRへイメージをプッシュします。プッシュしたイメージを元にLambda関数を更新します。

buildspec.yml
version: 0.2
env:
  variables:
    tag_name: codebuild
    version: 1.0.0
phases:
  pre_build:
    commands:
      - echo Logging in to Amazon ECR...
      - aws ecr get-login-password --region $region | docker login --username AWS --password-stdin $account
  build:
    commands:
      - echo Building the Docker image...
      - docker build -t $tag_name:$version -f ./docker/Dockerfile .
      - docker tag $tag_name:$version $account/$ecr_repo:$version
  post_build:
    commands:
      - echo Pushing the Docker image...
      - docker push $account/$ecr_repo:$version
      - aws lambda update-function-code --function-name $lambda_func --image-uri $account/$ecr_repo:$version

Amazon ECR

コンテナイメージを格納するレポジトリを作成します。

今回ECRへのプッシュはCodeBuildより実行するのでデフォルトは空でも大丈夫です。

AWS Lambda

更新デプロイ先であるLambda関数を作成します。

今回はコンテナイメージより関数の作成をします。
"すでにコンテナイメージから作成されたLambda関数を更新する"CI/CDのため、中身はなんでも大丈夫です。
【注意!】ここでのアーキテクチャはCodeBuildの実行環境と同じにします。

(本CI/CDを利用して開発したLambda関数詳細はこちら→公式LINEアカウントへのログイン処理をAWS Lambda経由で実装してみた

CodeCommit

コードを格納するレポジトリを作成します。

作成したレポジトリのクローンをローカル環境へ作成します。今回はHTTPでの接続を表示します。

ステップ2:Git認証 では、作業しているIAMユーザーに対してGit認証を作成する必要があります。IAMより該当ユーザー内からセキュリティ認証情報を選択、AWS CodeCommitのHTTPS Git認証情報より認証情報を生成してください。ステップ3:リポジトリのクローンを作成するにおいて、ローカル環境からクローンを作成する際に入力が必要となる情報です。

CodePipeline と CodeBuild

早速作成してきた上記AWSサービスをパイプラインで繋げていきます。
CodeBuildはCodePipeline内で新規作成します。

Step1 パイプライン設定を行う。
パイプラインタイプは機能や課金形態が異なるため、実際の環境に合わせて選択ください。

Step2 ソースコードを選択する。
ソースプロバイダーにCodeCommitを選択し、先ほど作成したCodeCommitのレポジトリを選択します。
またレポジトリのブランチまで選択できるので、開発用と本番用で分けることが可能です。

Step3 CodeBuildの作成、設定を行う。
プロバイダーでCodeBuildを選択し、プロジェクトの作成を行います。

別タブで以下のように新規でCodeBuildを作成していきます。

【注意!】ビルド実行環境について、イメージは先ほど作成したLambda関数のアーキテクチャと同じにします。

また今回のビルドコマンドでDockerを利用するため特権付与にチェック✅を忘れずに!

設定完了したら、CodePipelineへ戻り、次へ進みます。

Step4 デプロイステージは今回スキップします。
"導入段階をスキップ"で次へ進みます。

最後のページで設定内容を確認し、パイプラインの完成です。
完成するとすぐに初めのパイプラインが実行されます。ビルドで失敗してしまうので、次のステップで修正します。

CodeBuild

先ほどCodePipeline内で作成したCodeBuildの設定を少し変更します。
CodePipelineから、またはCodeBuildの一覧からプロジェクト詳細を確認します。

該当プロジェクトを選択し、ビルドの詳細を表示します。
ここで変更する点は環境変数値とIAMロールです。

1.環境変数
環境の編集を行い、環境変数を追加します。

環境変数値は以下となります。ご自身の作成環境値に合わせ設定ください。

環境変数 説明
region 環境を作成したリージョン ap-northeast-1 
account 自身のECRURI 60000000.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com
ecr_repo 作成したECR名 test_ecr
lambda_func 作成したLambda関数名 test_lambda

2.IAM
同じく環境にある、サービスロールを押下し、CodeBuildに紐付くIAMロールを修正します。
このIAMロールはCodeBuild作成時に新規作成しましたが、LambdaとECRへのアクセス権限が足らないので追加します。

今回はAWSより提供されているポリシーをアタッチしています。(IAMは必要に応じ最小限の権限へ変更をお願いします。)

これで問題なく動くはず。再度CodePipelineへ戻り、ステージの再試行を実施。
このようにオールグリーンになれば完成です。

まとめ

今回はAWS CodePipelineを用いてGit更新をトリガーに、Lambda関数へ自動デプロイ更新されるCI/CD環境を実装しました。ここまで自動でできていると、ローカル環境でGitPushするだけで数分後には自動で更新が反映されているのです。めちゃ便利〜。開発前に自動環境が揃っていると以降の作業負担が減るので、最初は大変でも環境整備しておいてよかったなと思います。
今後はpytestを利用したテストコードの実行まで自化できればいいな。。と実装検討中です。引き続き便利なCI/CD環境目指して精進します。

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