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PHPUnitのコードカバレッジが遅いからってあきらめずに、並列実行ためしてみる

Last updated at Posted at 2016-08-09

はじめに

PHPUnitにはコードカバレッジ解析の機能があります。
このカバレッジの出力には、かなり時間がかかります。
チームメンバーからCIのテストが遅いので何とかしてほしいと、issuesがあがってきたので、スピード改善できないか検討し、最終的には並列実行することで、大幅に改善することができましたので、紹介します。

コードカバレッジの出力

カバレッジを出力するには、phpunitコマンド実行時のオプションに--coverage-*を指定します。
phpunitのヘルプに詳しい説明があります。

$ bin/phpunit --help
PHPUnit 4.8.6 by Sebastian Bergmann and contributors.

Usage: phpunit [options] UnitTest [UnitTest.php]
       phpunit [options] <directory>

Code Coverage Options:

  --coverage-clover <file>  Generate code coverage report in Clover XML format.
  --coverage-crap4j <file>  Generate code coverage report in Crap4J XML format.
  --coverage-html <dir>     Generate code coverage report in HTML format.
  --coverage-php <file>     Export PHP_CodeCoverage object to file.
  --coverage-text=<file>    Generate code coverage report in text format.
                            Default: Standard output.
  --coverage-xml <dir>      Generate code coverage report in PHPUnit XML format.

phpunitを分割して実行し、最後にカバレッジファイルをマージする

phpunitを並列で実行させるためには、複数に分割して実行する必要があります。
サブディレクトリなど、何らかの単位で分割して実行するようにし、最後に出力されたそれぞれのカバレッジファイルをマージします。

phpcovのインストール

カバレッジファイルのマージには、phpcovが必要になりますので、composerからインストールします。

$ composer require --dev 'phpunit/phpcov'

分割して実行

下記のようにディレクトリ別にテストを実行し、最後にカバレッジファイルをマージします。

bin/phpunit --coverage-php var/report/coverage_foo.cov tests/Foo
bin/phpunit --coverage-php var/report/coverage_bar.cov tests/Bar
bin/phpunit --coverage-php var/report/coverage_baz.cov tests/Baz
bin/phpcov merge --clover var/report/coverage.xml var/report/

並列でテストを実行

phpcovのREADMEに、GNU parallelで並列実行するサンプルが記載されているので、試してみます。

GNU parallelのインストール

事前準備として、GNU parallelをパッケージ経由もしくはソースをビルドしてインストールします。

  • パッケージからインストール

    $ apt-get install parallel
    
  • ソースからインストール

    $ wget http://ftp.gnu.org/gnu/parallel/parallel-20160722.tar.bz2
    $ tar -jxvf parallel-20160722.tar.bz2
    $ cd parallel-20160722
    $ ./configure
    $ make && sudo make install
    

並列で実行

READMEに従い、並列で実行するスクリプトを準備します。

parallel --gnu --halt-on-error=now,fail=1 ::: \
  bin/phpunit --coverage-php var/report/coverage_foo.cov tests/Foo \
  bin/phpunit --coverage-php var/report/coverage_bar.cov tests/Bar \
  bin/phpunit --coverage-php var/report/coverage_baz.cov tests/Baz
bin/phpcov merge --clover var/report/coverage.xml var/report/

READMEには、--halt-on-error=now,fail=1のオプションは記述ありませんが、エラーが起きたときは即時にfailしてほしかったので、追加しました。
詳しくは公式のマニュアルを参照ください。

ローカルの仮想環境で確認するときの注意事項

あとは、準備したスクリプトを実行するだけなのですが、ローカルの仮想環境で実行するときには、CPU数をデフォルトの1から2以上に変更しないと、並列実行の効果がほとんど得られません。

Docker for Macの場合(2018-09-20更新)

Dockerの場合は、PreferencesからCPU数を変更できます。

参考URL

Vagrantの場合

Vagrantの場合は、Vagrantfileに下記の記述を追加します。

# Vagrantfile
  config.vm.provider :virtualbox do |vb|
    vb.customize ['modifyvm', :id, '--cpus', '2', '--ioapic', 'on']
  end

参考URL

結果

どのくらい早くなるかは、一概には言えませんが、例えば下記のように実行時間がかかっているとすれば、7分かかっていた処理が、tests/Baz => 3分 + phpcov merge => 1分 で4分にはなるイメージです。

  • tests/Foo => 1分
  • tests/Bar => 2分
  • tests/Baz => 3分
  • phpcov merge => 1分

上記以外のソリューション

いずれも今回は検討のみで試したわけではないのですが、上記以外にもいくつかソリューションがあります。

特定のブランチのみカバレッジを測る

polidogさんのブログ記事『CircleCIでmasterブランチのみカバレッジを測るようにphpunitを実行する』に詳しい説明があります。

CIの並列実行機能を使う

CIによっては、CI側で並列実行の機能を提供しています。

おわりに

テストの実行時間は開発効率に直接影響します。
今回紹介した方法は、特定のCIに依存したものではないので、参考にしてみてください。

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