はじめに
みなさんのプロジェクトではどのように進捗管理を行っているでしょうか?
私が仕事で担当しているプロジェクトでは『プリザンター』と『Metabase』を組み合わせて管理を行っています。この記事では、それらを活用したプロジェクト管理方法をご紹介します。「なにそれ?」という方は、下のほうにある関連記事のリンクを参考にしていただければと思います。鰹と昆布くらい最強の組み合わせなので、ぜひ最後まで読んでみてください。
想定するプロジェクト
『進撃の巨人』の主人公エレンを含む調査兵団10名のプロジェクトチームが、対巨人戦用武器メーカーの発注・在庫管理システムの開発・保守業務を請負契約で受注しているものとします。
メンバ:10名
期間:2020年度下期(6ヶ月)
→10名×6ヶ月=60人月を管理する。
※ここから先の画像はすべて架空の内容であり、実在するものではありません。
プリザンターで進捗情報を入力する
主に管理者が計画したタスクに対して、作業者が進捗情報の入力を行います。ガントチャート表示により、スケジュール上の遅延がないか確認することができます。
進捗入力画面です。予定工数を「人日」で入力できるようにして、計算式の機能で更新ボタン押下時に「時間」と「人月」を自動計算させています。
ひとつのタスクを複数日で作業することが考えられるので、日単位で何時間作業をしたか分かるように勤怠管理ボタンから作業時間を明細で入力できるようにしています。
勤怠入力画面です。勤怠情報が進捗情報とリンクしていることで、それぞれで管理したり整合性を確認するといった手間を減らすことができます。
勤怠管理のクロス集計では、メンバごとの日単位の作業時間を確認することができます。勤務表のイメージですね。作業者は一日の入力時間に誤りがないかを確認し、管理者は稼働時間の高いメンバがいないかを確認します。
ここまでの内容はプリザンターを使っている方ならなんとなく知っているよ、という感じでしょうか。では、ここからMetabaseでのデータ可視化について見ていきましょう。
Metabaseでダッシュボードを確認する
進捗状況(管理者用)
EVMで全体の進捗状況に問題がないことを確認します。出来高が適切に上がっていることや、予定工数が右肩上がり(期間で偏りがなく計画に無理がない)であることを確認します。
注文別の発注工数が見積工数とズレていないことや、注文別の予実差に問題がないことを確認します。
続いて案件別です。障害対応や間接作業は分けて管理しておくとよいでしょう。
作業工程別でも見てみましょう。進捗が悪い場合、どの作業工程に問題があるか発見できるかもしれません。
進捗状況(作業者用)
作業者は自身の進捗に問題がないか確認します。これにより、残業が必要かどうかを客観的に判断しやすくなります。
主担当別の予実差を見て、作業者は進捗に問題がないか、管理者は負荷分散ができているかを確認します。
おわりに
プロジェクト管理情報のデータベース化と可視化の意義を感じることができたと思います。Excelだとこれだけの情報を管理するのは非常に大変ですし、クラウドサービスとして提供されるプロジェクト管理ツールもコストやセキュリティ面の問題があります。オープンソースのツールを組み合わせることで、ここまでの管理ができますので、みなさんも試してみてはいかがでしょうか。品質管理や原価管理の情報もリンクできるようにカスタマイズすれば、プロジェクト管理としてもっと便利なものになりそうですね。
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