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Windowsシミュレータで学ぶuITRON (3) - メールボックス

Last updated at Posted at 2019-09-17

はじめに

uITRON(FreeRTOSベース)Windowsシミュレータ - Qiita
https://qiita.com/imagou/items/42c687402e6e58fccddb

今回のお題は、何かあったことに加え、追加情報を伝えるメールボックスです。
(「何かあったこと」のみであれば、イベントフラグでOK)

本編

1. 環境

こちらの記事を参照ください。

2. 動かしてみる

こちらは初回記事を参照。

2-1. タスクでのメール送受信

改めて「2-2. 送信タスク・受信タスク」の動作を確認してください。

3. 解説

3-1. 概要

メールボックスとは、前述したように**「何かが発生したことに加え、情報を伝える仕組み」**です。
(「メール」って名称からお察しではありますが・・・)

メールの型(メッセージという呼び方をします)はユーザーで自由に決められます。
若干面倒なポイントは以下です:

  • ユーザーがメッセージ領域を確保する必要あり
  • メッセージの取得・解放もユーザーの責務

3-2. コードによる説明

以降は、プログラムコード - main.cを引用して説明します。

3-2-1. メッセージ定義・領域確保

メッセージの型と、領域(64個分)の確保箇所は以下です。

/*--- Message ---*/
typedef struct {
    T_MSG       msg;
    ID          id;
    uint32_t    params[1];
} MESSAGE_ENTITY;

#define MESSAGE_SIZE    (64)
static MESSAGE_ENTITY   g_Messages[MESSAGE_SIZE];
static uint16_t         g_MessageIndex = 0;

注意事項として、構造体先頭のT_MSG msg;は必ず含めてください。RTOSの予約領域です。

3-2-2. メッセージ取得・解放

以下を参照ください。

/* メッセージ取得 */
static MESSAGE_ENTITY* GetUserMessage(void) {
    uint16_t index = g_MessageIndex++;
    index %= MESSAGE_SIZE;
    return &(g_Messages[index]);
}
/* 解放はまだ用意していない */

GetUserMessage()は、リングバッファとして領域を扱い、返しているだけです。

解放は色々あって未実装ですが、メッセージを同時に64個以上送信することがなければ、なくてもいいかなーと思っています(面倒くさいわけではないですよ!笑)。

3-2-3. メールボックス生成

cre_mbx()で生成します。

    T_CMBX cmbx;
    cmbx.mbxatr = TA_TFIFO;
    cre_mbx(MAILBOX_ID(RECV), &cmbx);

cre_mbx()のパラメータは下表:

パラメータ番号 名称 説明
第1パラメータ メールボックスID 単なるID。
以降はこのIDでもってメールボックス送信・受信を実施。
第2パラメータ T_CMBX構造体変数 以下で説明

T_CMBXのメンバは下表:

名称 指定可能な値 説明
mbxatr TA_TFIFO | TA_TPRI メールボックス属性。
それぞれ、待ちキューの順序をFIFO順とするか、優先度順とするか。

※なお、mbxatrはこれ以外の値も指定可能(だが、上記のみで必要十分と考える)。

3-2-4. メールボックスへの送信

snd_mbx()を使います。
idにはイベントを数値に変換したもの、params[0]にはカウンタを渡して送信しています。

        MESSAGE_ENTITY* ent;
        ent = GetUserMessage();
        /* Numeric Event */
        /* メッセージIDはイベントを(数値に戻して)設定 */
        /* パラメータにカウンタを渡す */
        int32_t num = 0;
        for (num = 0; !((flgptn >> num) & 1) ; num++) ;
        ent->id = (ID)num;
        ent->params[0] = ++count;

        snd_mbx(MAILBOX_ID(RECV), (T_MSG *)ent);

3-2-5. メールボックスからの受信

rcv_mbx()を使用します。

        T_MSG *msg;
        rcv_mbx(MAILBOX_ID(RECV), &msg);
        MESSAGE_ENTITY* ent = (MESSAGE_ENTITY*)(msg);
        DEBUG_PRINT("[%s]: RECV MESSAGE (%d,%d)", __func__, ent->id, ent->params[0]);

3-3. TBD

TBD(今後追加していく予定)

おわりに

メールボックスは、メッセージ領域の確保が若干面倒なので、
イベントフラグ+外部変数
という使い方をする方も多いように思います(やってることは変わりませんからね)。
が、一応解説してみました。笑

参考

Micro-ITRON4.0 Specification (in Japanese)
http://www.ertl.jp/ITRON/SPEC/mitron4-j.html

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