ブリッジ整流を用いた電源設計
前回はブリッジ整流回路に必要な部品の定格をまとめた。
今回は実際にtinaを使って回路設計&シュミレーションをしてみる章。
仕様
以下の回路を設計したい
・出力電圧・電流:12V・1A
・出力リプル:5%以下
・回路:ブリッジ整流回路
部品選定
①トランス
トランスは12Vや15V等さまざまあるが、以下を気にして選ぶ。
・直流出力電圧はおおよそ交流の最大値になる1
以上を加味すると、トランスは出力10V、容量1.65A以上のものを選定すればよい。
②ダイオード
ダイオードは、平均電流と逆耐電圧を気にする。
・平均電流:全波整流の平均電流は負荷電流の半分なので、0.5A
・逆耐電圧:逆耐電圧はトランスの出力電圧の最大値なので、14V
③コンデンサ
コンデンサはシュミレーションをしてみて適切な容量を選択する。
上の3本のグラフが、出力電圧。コンデンサの容量が大きいほど、波のゆれが小さい。
下の3本のグラフが、電流。コンデンサの容量が大きいほど、波が高い(突入電流が大きい)
仕様はリプル含有率5%なので、
リプル含有率 = 交流部分のVPP / 2√2 / 直流電圧 × 100% より、
交流のVPP = 5 × 2√2 × 10V / 100 = 1.4V
シュミレーションの結果から、VPP=1.4Vとなるコンデンサを探すと、C=6000uFあれば十分となる。
過渡解析
シュミレーションの結果、出力電圧は以下のようなシュミレーションとなる。
上のグラフが無負荷の場合、下のグラフが12Ω負荷の場合。
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意味がわらかん。交流の「実効値」と出力の直流は同じ電圧になるのではないのか。
・ダイオード1個あたり1Vの電圧降下がある(電圧降下は直列回路に繋がる抵抗で考えればよい。ブリッジ整流回路の場合、直列には2個のダイオードが繋がっているため、降下は2Vとなる。つまり12+2=14V(実効値10V)のトランスが必要。)
・出力電流とトランス容量は異なる。(前回の記事より、トランスで作れる電流は、負荷に流す電流より2倍くらい大きい必要がある。全波整流の場合、1.65倍の電流が必要となる。) ↩